SSブログ

同性愛者の難民申請、合法国のベルギーで急増 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

9月5日(金)
>同性愛者、両性愛者、性同一性障害者らLGBTと呼ばれる性的少数者

この記事を書いた記者さん、良い大学を卒業して、難関の朝日新聞の就職試験を突破して、英語も堪能で、きっと優秀な方なのだろう。
なのに「性同一性障害(Gender Identity Disorder)」の頭文字が「T」でないことになぜ気が付かないのだろう?

世界には、「Gender Identity Disorder」と自称する人はほとんどいない。
ほとんどは、Transgender か Transsexual、だからこそ、LGBTなのだ。
そのことを知ってか知らずか、LGBTの「T」を「性同一性障害者と訳すのはあきらかな誤訳である。

それはともかく、この記事、なぜアフリカ諸国にホモフォビア(同性愛嫌悪)が強いのか?がまったく分析されていない。
アフリカで同性愛が非合法化されているのは、イスラム教国よりも、実はヨーロッパ諸国と同じキリスト教国の方が多い。
この記事で取り上げられているブルンジも国民の67%がキリスト教徒である。

今、問題にされているアフリカ諸国にホモフォビアは、アフリカ固有の文化ではなく、ヨーロッパ諸国による植民地支配の時代の持ち込まれた文化である可能性が農耕である。
つまり、19世紀的なヨーロッパ・キリスト教世界の性規範の残滓である。
そのことを、ちゃんと指摘しないと、問題の本質は見えてこないように思う。

こういう問題を取り上げて、記事にすることは、とても良いことだ。
でも、もう少しちゃんと勉強してほしいと思う。
------------------------------------------------------
同性愛者の難民申請、合法国のベルギーで急増

写真・図版同性愛者らのイベント「プライド」のパレードでは、ロシアのプーチン大統領によく似たお面も配られた。裏側には「固定観念を捨てよ」といった意味のことが書いてある=ブリュッセル、吉田美智子撮影

写真・図版  ベルギーで同性愛者の難民申請が急増している。首相も同性愛者であることを公言する国で、個
人の自由や私生活が尊重されるイメージが影響しているようだ。アフリカやロシアでは同性愛者への弾圧やホモフォビア(同性愛嫌悪)の動きが広まっており、さらに増えることも予想される。

ブリュッセル中心部の大通りを、派手な衣装をまとったドラッグクイーン(女装した男性)を乗せた大型のトラックが通り過ぎる。大音量の音楽が鳴り響き、沿道にあふれる観客が歓声をあげた。毎年恒例の同性愛者らのイベント「プライド」のパレード。今年は5月中旬に開かれ、来場者は約10万人に上った。

観衆の中に、ゲイでアフリカ中部ブルンジ出身のジャンダニエル・ディクマナさん(27)がいた。恋人で同西部シエラレオネ出身のリヌス・バシーさん(27)もいっしょだ。ディクマナさんの衣装はブルンジ国旗をイメージし、この日のために手作りした。「アフリカにも同性愛者はいる。そのことを知ってほしかった」

ディクマナさんは早くに両親を亡くし、叔母の家庭に引き取られた。幼い頃から同性に魅力を感じ、小学生の時に同級生の男子と抱き合ったところを担任に見つかった。「悪魔だ。同性愛は西欧のもので、アフリカにはない」と殴られた。

ブルンジで同性愛は2009年から刑事罰の対象だ。懲役刑(最高2年)のほか罰金も科される。同性愛を公言すれば迫害される。同性愛者、両性愛者、性同一性障害者らLGBTと呼ばれる性的少数者の支援団体で10年から活動したが、自らも同性愛者だと公言する勇気はなかった。

昨年5月、転機が訪れた。ブルンジで開かれた同性愛嫌悪に抗議する国際会議で、パネリストの政府関係者が「ブルンジに同性愛者はいない。名前さえ出せない証言なんて、欧米のでっち上げだ」と発言した。

腹に据えかね、思わず手を挙げて、立ち上がった。「ブルンジにも同性愛者はいます。ここにいる私が証人です」

この話は、保守的な叔母の耳にもすぐ入った。「お前は呪われている」とののしられた。警察から「公序良俗を乱し、刑法に違反する」との理由で、出頭命令を受けた。行けば間違いなく逮捕される。首都を離れて地方に身を隠した。

国を離れる決意をし、3カ月後、支援者からベルギー入国のための書類を受け取った。ブルンジの旧宗主国で仏語が使える。民主主義で、個人の自由や人権が尊重される印象もあった。昨年8月にベルギーに入国、12月に正式に難民認定を受けた。現在は難民の収容施設で暮らしている。

■申請、4年で3倍に 全体の約8%
ベルギーではここ数年、同性愛者の難民申請が増えている。当局によると、統計分類を設けた09年に376件だったのが、13年には1225件と3倍になった。難民申請全体の約8%を占め、国別ではアフリカのセネガル、カメルーン、ギニア、モーリタニア、タンザニアが上位に並ぶ。

同性愛者の難民について欧州連合(EU)に統計はない。アムステルダム大の専門家の報告書(11年)によると、欧州全体で年間約1万人と推計される。

ベルギーは03年、欧州でいち早く同性婚を合法化。現職のディルポ首相も同性愛者であることを公言している。民主主義で個人の自由や人権が尊重され、同性愛への偏見や差別が少ないといった印象を持たれ、難民申請先に選ばれるようだ。

ブリュッセルの同性愛者らの団体で作る「レインボーハウス」のフランソワ・マソ広報担当(26)は「世界的に同性愛嫌悪の動きが強まっていることも、同性愛者の難民が増えている理由の一つ」と指摘する。

人権団体アムネスティ・インターナショナルなどによると、宗教上の理由や風習、偏見などから、アフリカでは38カ国で同性愛が違法とされる。モーリタニアやスーダンでは死刑もあり、懲役刑(最高10年)のカメルーンでは、05年以降50人が逮捕されたという。

最近では、ウガンダが今年2月に「反同性愛法」を施行し、同性愛は終身刑にもなる。擁護する行為を指すとみられる「同性愛の促進」も懲役刑とされ、欧米からは「厳罰化を超えた人権侵害」と批判される。地元紙は法施行の翌日、200人の同性愛者の顔写真と名前、住所を掲載した。

また、同性愛への偏見が根強いロシアでも昨年6月、「同性愛宣伝禁止法」が成立。公の場でゲイなどの「非伝統的性的指向」を未成年者に対して宣伝する行為を禁止している。

ベルギー当局と協力して同性愛者の難民の支援活動をするダニエル・ヒゲンスさん(49)は「難民申請は氷山の一角だ」と指摘する。母国での体験から差別を受けると思い込み、申請の際に別の理由を挙げるケースが少なくないからだ。

同性愛者が難民申請するには困難もつきまとう。同性愛を隠していたため証明する写真やメール、書類がない▽職員との面談で性生活を細かく話すことに抵抗がある――などの理由で却下されることも多い。社会的な体裁を保とうと、母国で結婚し、子どもがいる場合はほぼ不可能という。

ヒゲンスさんは「同性愛者の難民申請はロシアやウガンダの動きを受けて、今後さらに増える可能性が高い。まずはEU内でどのくらいの人が同性愛を理由に申請しているのか実態を把握するべきだ。同性愛者へのサポートを手厚くし、審査に時間をかけてほしい」と話す。(ブリュッセル=吉田美智子)

■ゲイツーリズムに力 「年間500万ユーロ超の市場規模」

同性愛者の難民が増えているベルギーだが、首都ブリュッセル市では同性愛の観光客を誘致しようと、「ゲイツーリズム」に力を入れる。市観光局では09年からゲイ市場担当を置く。同性愛者向けのイベントを積極的に開き、同性愛者を差別しないバーやホテルを紹介する地図も配布する。

担当のフレデリック・ブトリーさんは「同性愛者はグルメでおしゃれ好きが多く、消費意欲が旺盛だ」という。市場規模を最低でも年間500万~700万ユーロ(7億~9億8千万円)と見積もる。

ブトリーさん自身も同性愛者。「同性愛者に寛容な街は、誰にとっても住みやすいはずだ」と話す。

『朝日新聞』(デジタル版)2014年8月27日11時18分
http://digital.asahi.com/articles/ASG8V5285G8VUHBI00X.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG8V5285G8VUHBI00X

NHKクローズアップ現代「広がる少女売春 ~“JKビジネス”の闇~」の感想 [現代の性(一般)]

9月5日(金)
3日(水曜)に放送された、NHKクローズアップ現代「広がる少女売春 ~“JKビジネス”の闇~」を見た感想。

(1)「JKお散歩」は、けっして新手のビジネス形態ではなく、昭和戦前期の「ステッキ・ガール」のリニューアル版である。
つまり、現代的な性風俗と見るのは誤り。
(参照)「JKお散歩」と「ステッキガール」
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2013-10-03-1

(2)戦前の遊廓や、戦後の「赤線」のような(事実上の)公娼制度のもとでは「娼婦」は18歳以上であったが、非合法な場(私娼窟)などには、それより低年齢の少女娼婦はいた。
しかし、そうした少女娼婦に男性客が群がったかというとそうではない。
そんな「尻が青い」「小便臭い小娘」をわざわざ金を払って抱きたがる男は、そうとうに変わり者(変態)であり、少なかった。
つまり、少女(15~17歳)が性を売ることは、必ずしも現代的な現象ではなく、むしろ、少女の性を好んで買おうとする男たちが増えたことが、現代的な現象と見るべき。

その点、「JKビジネス」、それに取り込まれる少女たちを問題視する方向に話を持って行こうとする国谷裕子キャスターに対し、「悪いのは(少女)買春をする男たち」と断言した宮本節子さん(ソーシャルワーカー)のコメントはまったく正しい。

警察は、少女の補導に力を入れるのではなく、少女の性を買う男たちをもっと積極的に摘発すべき。
法的根拠はちゃんとあるのだから(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律)。

(3)そもそも、多様な資質をもつ少女たちを一律に学校という場に閉じ込めておけば、それが「健全」であるかのような幻想はもう止めるべきだ。
「路上」という社会は、少女たちにとっては過酷な場ではあるが、それでもそこで自分の生る道を見出していく少女もいると思う。
それはそれで、いいのではないだろうか。
いったん学校という場から離れてしまっても、また勉強したくなったら学校に戻れる仕組みを用意しておくことが大切だと思う。
------------------------------------------------
2014年9月3日(水)放送 
NHKクローズアップ現代「広がる少女売春 ~“JKビジネス”の闇~」

繁華街で、チラシ片手に男性に声をかけるセーラー服姿の少女たち。恋人感覚で客と「お散歩」するなどして、金銭を受け取る女子高校生=“JK”たちだ。いま、“JK”とのふれあいを売り物にしたサービスが広がり、アメリカが児童買春につながると指摘するなど、国内外で批判が高まっている。
料金の相場は1時間8千円ほどで、表向きは「お散歩」などとなっているが、性的行為を求める客も多い。
女子高校生を雇う店は「性的サービスについては関知していない」との建て前で、取り締まりは容易ではない。
インターネットを介して、自ら客を探す女子高校生もおり、警察は、そうした少女に客のふりをして接近し補導する“サイバー補導”まで始めた。
番組は、“JKビジネス”と指摘されるまでに広がる実態を伝えるとともに、少女たちが“JKビジネス”に走らないためには何が必要なのかを考える。
http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/index_yotei_3545.html