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NHKクローズアップ現代「広がる少女売春 ~“JKビジネス”の闇~」の感想 [現代の性(一般)]

9月5日(金)
3日(水曜)に放送された、NHKクローズアップ現代「広がる少女売春 ~“JKビジネス”の闇~」を見た感想。

(1)「JKお散歩」は、けっして新手のビジネス形態ではなく、昭和戦前期の「ステッキ・ガール」のリニューアル版である。
つまり、現代的な性風俗と見るのは誤り。
(参照)「JKお散歩」と「ステッキガール」
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2013-10-03-1

(2)戦前の遊廓や、戦後の「赤線」のような(事実上の)公娼制度のもとでは「娼婦」は18歳以上であったが、非合法な場(私娼窟)などには、それより低年齢の少女娼婦はいた。
しかし、そうした少女娼婦に男性客が群がったかというとそうではない。
そんな「尻が青い」「小便臭い小娘」をわざわざ金を払って抱きたがる男は、そうとうに変わり者(変態)であり、少なかった。
つまり、少女(15~17歳)が性を売ることは、必ずしも現代的な現象ではなく、むしろ、少女の性を好んで買おうとする男たちが増えたことが、現代的な現象と見るべき。

その点、「JKビジネス」、それに取り込まれる少女たちを問題視する方向に話を持って行こうとする国谷裕子キャスターに対し、「悪いのは(少女)買春をする男たち」と断言した宮本節子さん(ソーシャルワーカー)のコメントはまったく正しい。

警察は、少女の補導に力を入れるのではなく、少女の性を買う男たちをもっと積極的に摘発すべき。
法的根拠はちゃんとあるのだから(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律)。

(3)そもそも、多様な資質をもつ少女たちを一律に学校という場に閉じ込めておけば、それが「健全」であるかのような幻想はもう止めるべきだ。
「路上」という社会は、少女たちにとっては過酷な場ではあるが、それでもそこで自分の生る道を見出していく少女もいると思う。
それはそれで、いいのではないだろうか。
いったん学校という場から離れてしまっても、また勉強したくなったら学校に戻れる仕組みを用意しておくことが大切だと思う。
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2014年9月3日(水)放送 
NHKクローズアップ現代「広がる少女売春 ~“JKビジネス”の闇~」

繁華街で、チラシ片手に男性に声をかけるセーラー服姿の少女たち。恋人感覚で客と「お散歩」するなどして、金銭を受け取る女子高校生=“JK”たちだ。いま、“JK”とのふれあいを売り物にしたサービスが広がり、アメリカが児童買春につながると指摘するなど、国内外で批判が高まっている。
料金の相場は1時間8千円ほどで、表向きは「お散歩」などとなっているが、性的行為を求める客も多い。
女子高校生を雇う店は「性的サービスについては関知していない」との建て前で、取り締まりは容易ではない。
インターネットを介して、自ら客を探す女子高校生もおり、警察は、そうした少女に客のふりをして接近し補導する“サイバー補導”まで始めた。
番組は、“JKビジネス”と指摘されるまでに広がる実態を伝えるとともに、少女たちが“JKビジネス”に走らないためには何が必要なのかを考える。
http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/index_yotei_3545.html
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コメント 4

ふぶら

「少女達を好んで買おうとする男達が増えた」事が、今までとは異なった現代に特徴的な現象…だったとは。
すみません。「15でねえやは嫁に行き」なんて童謡もあり、平均初婚年齢も昔は低かったというので、「少女」は昔から「性的対象」だったとばかり思い込んでいました。そうだったのか…。
とすると、現代日本人男性の「少女を買いたがる」傾向は一体なぜなのかと思ってしまいます。昔より衛生&食料事情が良くなり体格が向上した…だけでは説明がつかないような?
道義的規範が消え「少女を買う」事に抵抗が無くなった、だけでも無さそうで…「少女」に執着する成人男性が増えた様に思えるのは一体何故?
まともな成人ならば、まだ色々な意味で未熟な18歳未満の児童を性的対象として「買う」なんて、罪悪だとわかりそうなものなのに…うーん…。

by ふぶら (2014-09-10 19:50) 

三橋順子

ふぶらさん、いらっしゃいま~せ。
大正9年(1920)の女性平均初婚年齢は21.2歳というデータがあります。
「15でねえやは嫁に行き」はかなり特殊ではないでしょうか。
この「ねえや」は「嫁に行く」という名目で、実際は「売られる」に近い形でいなくなったような気がします。
現代日本人男性に、成熟した女性を忌避して、未熟な「少女を買いたがる」傾向が見えるのは、やはり「支配(コントロール)」の問題が根底にあると思います。
男性が女性をコントロールしたいと思いながら、実際には人格的にも金銭的にもコントロールする力が失われ、できなくなっている状況で、よりコントロールしやすいと考える存在が少女なのだと思います。
実際には、少女の方がしたたかなケースが増えているのですが・・・。

私は、「女性問題」とされるものの多くは、実は「男性問題」だ、と考えているので、男性のセクシュアリティの歪みを掘り下げないと、こうした問題の本質は見えてこないと思っています。

by 三橋順子 (2014-09-13 01:00) 

ふぶら

ご回答、とても勉強になりました! 有難うございます。
やはりデータに当たる事は大事ですね。大正九年時点で女性の平均初婚年齢が21歳をこえていたとは…「15でねえや」を鵜呑みにしていたのを反省します。
「女性問題」は「男性問題」…成程! その通りに思えて来ました。仮に「いばりたいけど実力無くて同世代女性にはいばれない男性が、未熟な若年女子に尊大にふるまってイイ気分になりたい」…なんて事だとすると、みじめで悲惨な歪みに思えます。
そんな男性向けのサポートが無さすぎるのも問題なのでしょうか。色々考えてしまいます。有難うございました。
by ふぶら (2014-09-13 14:02) 

ふぶら

関連して自分自身が聞いた話を一つ、記述させて下さい。
もう何十年も前になりますが「売春少女」が身近に居ました。母子家庭で、強引に「義父」として上がり込んだ男に虐待され、やむなく家出して生活の為に売春していました。悲惨な境遇でした。
その子曰く「正直に困窮した境遇を語ると客の男が逃げる」んだそうです。余りに「客がつかない」時に、逆に「金持ちの家のお嬢様なんだけど親が厳しくておこづかいが少なく遊ぶ金が欲しいから売春してる」設定でアピールしたら「売れる」様になったんだとか。そんなの彼女の貧しい身なりを見れば、誰が見たってウソだってわかるだろうに…。
客の男性には「どうせ金目当ての心の汚い少女だから」買春しても構わないだろう、という「言い訳」が必要らしい…と、うっすら想像しました。何かのお考えの参考になればと記しました。
尚、彼女はさんざん苦しい目にあいながらも、今は何とか平穏な暮らしをしています。
by ふぶら (2014-09-13 14:02) 

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