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漢服 [生活文化・食文化・ファッション文化論]

8月29日(日)

李琴峰さんが芥川賞の授賞式で着ていらした漢服(漢族の伝統衣装)が素敵。
李琴峰(漢服).jpeg
私一応、着物文化論の人なのに、恥ずかしながら、漢服についてのち知識がほとんどない。

全身画像を見る限り、上半身の襖と下半身の裙の二部式のように見える。

襖(上衣)は、向かって右が上になる「右衽」(本人からすると左が前の合わせ)であり、日本の着物と同じ(日本が真似た)。
袖は、大袖で大口のように見えるが、画像では、どういう構造なのか、よくわからない。

裙は、緩い襞(ひだ)があり、やや裾広がりでスカート状に見える。

画像ではよくわからないのは帯。
裙の前に2本垂れているのが、細帯の両端なのか?

伝統衣装の構造を理解するには、自分で着てみるのが一番早いのだが、もうそういう機会はなさそうだ。

【追記】似た感じの漢服の画像
漢服.jpg




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「北海道・北東北の縄文遺跡群」が「世界文化遺産」登録 [生活文化・食文化・ファッション文化論]

7月29日(木)
オリンピック騒ぎに隠れてしまったけど、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の「世界文化遺産」登録、おめでとう!。

縄文時代(1万5000年前~ 2400年前:東北・関東地方)という時代、狩猟採集をベースにした社会がこれほど長く(1万年以上)続き、農耕社会に移行しなかったという点、狩猟採集社会でありながら定住生活をしていたという点、土器を発明して、金属器文化に移行することなく、石器・土器文化を高度に発展させたという点で、世界的に見て稀有な社会。

早い話、オリエントやヨーロッパではあり得ない、辺境の自然環境に恵まれた小さな列島特有の珍しい社会・文化形態。

しかし、巨石を使ったお墓を作るわけでも、遺構といえば、竪穴式住居跡(穴)くらいで、観光資源としては、きわめて見栄えがしない。

とはいえ、学問的根拠に乏しい復元建物をやたらと建てるのはどうかと思う。
むしろ、縄文の集落を支えた環境(森)を復原してほしい。
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「人種」「民族」「国籍」そして・・・ [生活文化・食文化・ファッション文化論]

7月26日(火)

遺伝子的な差異に着目した「人種」
言語など文化的な差異に基づく「民族」
どこの国に帰属するかという「国籍」

すべて、別の概念で連動しないということは、人類学の基本。
だけど、世の中には、その基本が理解できない人がけっこういる。

日本列島に多く住む特有の遺伝子特性(幅がある)を持つ人(人種的な日本人)と、世界的にかなり特異な言語である日本語を母語とする人(民族的な日本人)と、日本国の国籍をもつ人(国籍的な日本人)の3つが、日本の場合98%?くらい重なるが、それは世界的に見てかなり特異な国。

オリンピックにおける「日本人」は、単に「国籍」の問題。
だから、遺伝子集団としての日本人から外れていても、日本語を母語としてなく片言でも、まったくなんの問題はない。

ちなみに、4つ目として、アイデンティティ(帰属意識)としての「日本人」がある。
上記、3つの概念では「日本人」でなくても、「自分は日本人」と思えば「日本人」。
その逆も然り。
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卒業式の袴 [生活文化・食文化・ファッション文化論]

3月26日(金)

Facebookのある方のタイムラインで、卒業式の袴が話題になっていたので、コメントしたので、備忘として書き留めておく。

大学の卒業式で女子が袴を着用することが多くなるのは、だいたい私の世代(1979年大学卒業)前後から。
大和和紀さんの漫画「はいからさんが通る」、それを原作とするテレビ・アニメ(1978~79年)の影響があったと思う。

それでも、まだ袴着用は半分いってなく、3分の1くらいだった(袴、振袖、洋装スーツが各3分の1ずつ)。

ほとんどがレンタル袴で、自前の袴をあつらえたのは、高校教員になることが決まっていた1人(後の家猫さん)だけだった。

次の画期は、「はいからさんが通る」が南野陽子主演で映画化(1987年12月公開)され、ブレイクした頃。
そこから、矢絣の着物+袴に編み上げのショートブーツを合わせるスタイルが流行る。
私が大学教員になった頃なので、よく覚えている。

それから35~40年以上が経って、いつの間にか小学校女児の卒業式にまで、袴着用が広まったのは驚き。
さらに聞くと、幼稚園女児の卒園式でも。
その場合、トイレが心配になる。
普段と違う服装で間に合わなくなる子がいるのでは。


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カイコ(家蚕)とテンサン(天蚕)の話 [生活文化・食文化・ファッション文化論]

2月16日(火)

先日始まったNHK大河ドラマ「青天を衝け」で、主人公・渋沢栄一の生家の養蚕の様子が出てきた。
私のように、家の前も、小学校の周囲も桑畑ばかり、社会科の見学先は養蚕農家という環境に育った人からすると、桑畑が広がる景色は懐かしいし、養蚕の大変さもよくわかる。
しかし、養蚕地帯以外に育った人、さらには大都会で育った人は、養蚕についての知識はほとんどないだろう。
まして、養蚕業がすっかり廃れた現代では、生きた蚕を見ることも難しくなった。

FaceBookを見ていても、蚕について、「ちょっとそれ、違うのだけどな」という記述が目に止まる。
わざわざ「それ違います」と書き込みに行くのも失礼なので、自分のタイムラインに書いておく。

カイコ(家蚕)は、中国東部に生息するクワコから進化?したもので、間違いなく中国原産で、日本に渡来したもの。
日本にもクワコはいるが、それはカイコの先祖ではないことは、染色体の数やDNA分析などで判明している。
ただ、渡来の時期は明確ではない。
『魏志倭人伝』に見えるので、遅くとも弥生時代末期には入ってきている。

カイコは本当に桑の葉しか食べない。
しかも、人間が与えないと食べられない。
野生の桑の木にカイコを着けても、身体を支えられずに落ちてしまう(死んでしまう)。

カイコは蛾の幼虫だから、繭を放置しておくと、当然、成虫が出てくる(カイコガ)が、この白い蛾、ほとんど飛べない。
飛べない蛾なんて、自然界ではありえない(でも卵はたくさん産む)。
それほどカイコは、5000年の間に「家畜」していて、人間が世話をしないと生きていけないし、滅びてしまう。
だから「飼い子」なのだ。
カイコガ.jpg
カイコガ。小さくて虚弱(開張4cm)。
ヤママユガ.jpg
ヤママユガ。大きい(11.5~15cm)。

テンサン(天蚕)は、カイコとはまったく種類の違うヤママユガの幼虫。
繭からきれいな翡翠色の糸がとれるが、基本、野生なので管理がとても難しいし、生産性が極めて低い。

と言うか、カイコが飼育効率も生産性も極度に高いのだ。
たとえば、カイコはたくさん群がって桑の葉をもしゃもしゃ食べるが、自然界で群れたら、たちまち食草が尽きてしまう。
野生であるテンサンは群れないから、繭も広いクヌギ林のあちこちに分散して作る。
それを集めるのは容易なことではない。

天蚕を飼育する林も、自然のものは管理が難しい。
天敵である鳥のを防ぐためにネットを張るにしても、高木だとたいへんだ。
それでも、鳥1羽も侵入させないのは難しい。

実際には、低木仕立てにして管理するのが合理的だ。
なぜ、桑の木が低木仕立てになっているかといえば、葉の収穫を容易にするためだ(桑は放っておくと高木化する)。
でも、クヌギや栗を新たに育てるのは低木でも、それなりの時間がかかる。

また、1個の繭から引ける糸の長さもかなり違う。
テンサンの繭は、カイコの繭よりずっと大きいが、引ける糸は600mほどだ。
それに対して、かなり小さいカイコの繭は1200~1500mも引ける。
カイコの糸引きは完全な機械化が達成されているが、天蚕はまったくの手作業で、かつかなりの技術がいる。
蚕と天蚕.jpg
繭の大きさの違い。
画像は廣田紬株式会社「問屋の仕事場から」からお借りしました。
https://hirotatsumugi.jp/blog/3616

天蚕の産業化に成功したのは、信濃国安曇野の穂高地区(現:長野県安曇野市穂高有明)だけというのも、そうした産業効率の差が大きい。
産業効率が悪いということは、それだけ価格が高くなければつり合わないということで、天蚕糸は生糸に比べてずっと高価になる(糸1kgで20万円とのこと)。

100%天蚕糸を使用した織物は、とても高価になり、現代では商品にならないだろう(高価すぎる)。
たしかに、このご時勢、100%天蚕糸のマスクがあったらいいなと思うが、いったいいくらになるのだろう(1万円くらいか?)。

現在、天蚕糸を使った織物は、絹糸の間に天蚕糸を織り込んだものがほとんどだ。
その場合も、絹糸と天蚕糸では糸としての特性が違うので、技術が必要になる。

つまり、天蚕飼育は趣味でやるならともかく、産業化は容易ではないということ。
極度に効率化した養蚕ですら、現代の日本では産業として成り立たなくなってしまった。
まして天蚕においておや、ということ。
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「辛い漬物」の起源・四川泡菜 [生活文化・食文化・ファッション文化論]

2月6日(土)

最近、韓国と中国が「辛い漬物」の起源をめぐって揉めている。
韓国側は、もちろんキムチが起源だと主張するが、中国側は四川省の伝統的な漬物「泡菜pàocài」が起源だと主張する。

四川・泡菜は、様々な野菜を、生姜や唐辛子や花椒とともに塩水に漬け込んで作る発酵食品のこと。
食文化論的に言えば、この種の野菜の発酵食品の起源地としては、四川省のような照葉樹林鯛の方がふさわしいと思う。
四川泡菜.jpg
また、韓国のキムチに必須の唐辛子(メキシコ原産)は、南蛮貿易で日本が輸入したものが、16世紀末~17世紀初に朝鮮半島に伝わったもので、それほど古いものではない。

とはいえ、韓国では、来韓した欧米人に無理やりキムチを食べさせて「キムチ、好きですか?」と問い、その答えによって親韓度を測るようなお国柄。
簡単に引き下がるはずがない。i
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かぼちゃって言えば、ハロウィンじゃなく、冬至なんだよ! [生活文化・食文化・ファッション文化論]

10月30日(金)

ハロウィン、私が若いころ(20代、1975~84年)、ほとんど影も形もなかった。

お店時代(30代後半~40代前半、1995~2003年)、店のイベントとしてもやってなかった。

在日欧米系外国人のお祭りではあったが、日本人はあまり関係なかった。

盛り上がったていったのは2000年代後半だろう。
渋谷などが大騒ぎになったのは2010年代になってからだ。

マスメディアの煽りで、日本人の祝祭空間(花見、盆踊りなど)における仮装好きに火が着いたのだと思う。
かぼちゃって言えば、ハロウィンじゃなく、日本人は冬至なんだよ!

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ドレスコード [生活文化・食文化・ファッション文化論]

10月23日(水)

昨日の、今上陛下、即位礼・正殿の儀に列席された、諸外国の貴顕男女は、皆、勲章を帯びた第一礼装、もしくはブータン国王のように民族衣装だった。

儀式と言うものには、ほとんどの場合、ドレスコードがある。
多くは招待状にその旨が添えてある。
そうでないと、参列者は何を着ていったらいいか迷うから。

今回は、式典委員会が定めた「饗宴の儀の次第、概略等について」という文書に、女性参列者の服装について「ロングドレス、白襟紋付、またはこれに相当するもの」と明記されていて、かつ「即位の儀」については「饗宴の儀に準じる」とあったとのこと。

常識的に考えても、即位礼という最高レベルの国家儀礼なのだから、第一礼装は当然だろう。

既婚女性の場合、それは、ロングドレス(昼間ならアフタヌーンドレス、夜ならイブニングドレス)か、和装なら留袖(ただし宮中では黒留袖は基本的に着ないので、色留袖)か、紋付(三つ紋)の訪問着であることは、絶対に宮中からお召しがない、私でも知っている。

まして、天下の宰相夫人が知らないはずはない。
膝の見えるドレスは、ロングドレスではないので、昼間でもNG。
知っていながらドレスコードを破ったのなら、天皇・皇后両陛下、そして諸外国貴顕に対して、あきらかに非礼である。

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読めなかった名字 [生活文化・食文化・ファッション文化論]

10月22日(火・祝)

都留文科大学の履修名簿が来た。
420名いるうちで、読めなかった名字。

小圷(こあくつ)
「あくつ」とは、川沿いの低湿地のこと。
一般的には「阿久津」と書くことが多い。
そうか・・・「圷」1文字で「あくつ」か。
ちなみに「小圷」姓は茨城県に集中している。

東恩納(ひがおんな)
沖縄の姓。
私、「ひがしおんな」だと思っていた。
調べたら、どちらの読みもあるようだ。


読めたけど、とても珍しいと思った名字。

野師本(のしもと)
「名字由来net」によると 76,890位 で、全国でおよそ10人とのこと。
富山県だけに分布。

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Ⅹ線脱毛の話 [生活文化・食文化・ファッション文化論]

10月2日(水)

レベッカ・M・ハージク著『脱毛の歴史 ムダ毛をめぐる社会・性・文化』(東京堂出版。2019年7月)の第4章で、20世紀前半のアメリカでX線照射による脱毛が盛んにおこなわれていたことが紹介されている。

強いX線(放射線)を浴びると、毛頭組織が破壊され脱毛が起こることは広島・長崎の原子爆弾被害などで、よく知られているが、それ以前には、そんなことに使われていたのだ。
ちょっと、衝撃だった。

私の父は放射線の専門医で、敗戦直後の東京で、胸部X線検査のため、あちこち巡回し、防護設備も不十分な状況で大量被曝した。
そのせいで、脛の皮膚のあちこちが白いケロイド状になっていて、脛毛がほとんどなかった。
ああ、こういうことを利用していたのだと思ったが、あまりに個人的なことなので、書評には書かなかった。

亡父は、けっこう重い放射線障害で、一時は長生きできないと思われていた(結局、92歳で老衰死)が、当時、X線脱毛を受けた女性たちは健康被害を起こさなかったのだろうか?

同じころ(1910~20年代)のアメリカで、放射性物質(ラジウム)が成分の夜行塗料を扱う工場で働いていた女性に被曝による健康被害が続出した話を思い出した。


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