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高級遊女(花魁)の「高級」さ [性社会史研究(遊廓・赤線・街娼)]

4月27日(土)

「大吉原展」を観ても、花魁(高級遊女)がどのくらい高級なのかということは、まったくわからない。

「お値段」のことを、あれこれ言うのは、研究者として下品なことだ思っているのか? あるいは「人
身売買だ!」と批判されることを怖れているのか?

私は、頭が悪いので、金額がわからないと、「高級」感がわからない。

で、以前、少し考えたことがある。

禿(かむろ)2人,振袖新造を伴って花魁道中してくるような最上級の「呼び出し」は、ガイドブック『吉原細見』に「入山形に黒2つ星」の印がついていて、一夜のお値段は1両2分だった。

これが現代の貨幣価値でどのくらいに相当するか(物価換算)は、とても難しい。
比較的わかりやすいところでは、かけ蕎麦が二八の16文だった。

では1両は何文かというと、公定で4000文だった(実態は変動相場)。
つまり1両=蕎麦250杯分。

現代のかけ蕎麦を400円とすると、1両=10万円、500円とすると12万5000円ということになる。
では1両2分は?
1両=4分なので、1両=10万円換算で15万円、1両=12万5000円換算で18万7500円となる。

ちなみに、1両2分はあくまで基本料金で、これに飲食代やご祝儀(チップ)が必要になる。
大雑把に、1両2分の倍くらいの掛かりになると思う。
30~40万円というところか。

現在、銀座の高級クラブで豪遊すると、たぶんそのくらいの請求になると思う。
「お大尽遊び」の相場として、そんなものなのだろう。

やっと高級遊女(花魁)の「高級」さがイメージできたと思う。

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