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各務千代『悲しい抵抗ー闇の女の手記ー』 [読書]

2月7日(日)

今日は、一日中、仕事をしないことに決めて、久しぶりに読みたい本を読み始めた。

各務千代『悲しい抵抗ー闇の女の手記ー』(江戸橋書房、1947年12月)。
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この1ヵ月、通院している歯科医院の近くの古書店『流浪堂』(目黒区鷹番)で手に入れた。
この時期の書籍としては、かなり状態良好。

敗戦後2年4か月後に出版された「娼婦小説」。
主人公は有楽町の街娼「みどり」。
時期は1946年の晩秋から翌年にかけて。

まだ全部読んでいないが、主人公を取り巻く社会状況、「商売」の仕方、そして心情など、とてもリアリティがあり、歴史資料として使えると思う。

ただ、この小説には偽作説もあるようだ。
確かに高等女学校出の元タイピストの若い女性にしては、文章が老成しているように思える。
リライターがいた可能性はある。

しかし、それは偽作とは言わないだろう。

これだけの内容を、しかも1947年の社会状況で、フィクションとして書くには、かなり綿密で、リアルタイムな取材が必要だ。
それは、当時の街娼世界の状況からして、男性ライターが行うのは不可能に近い。
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杉山文野さんから新著『元女子高生、パパになる』をいただく [読書]

10月31日(土)

杉山文野さんから新著『元女子高生、パパになる』(文藝春秋)をいただく。
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ありがとうございます。

「アーカイブ」寄贈用の大量の書籍にまじって到着したので、危うく「アーカイブ」に寄贈してしまうところだった(笑)
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藤野裕子『民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代―』(中公新書) [読書]

8月24日(月)

藤野裕子さんから新著『民衆暴力―一揆・暴動・虐殺の日本近代―』(中公新書)をいただく。
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ありがとうございました。

さっそく、私の故郷で起こった「第二章 秩父事件」を読む。
「世直し一揆」的な前近代的な要素と、近代的な自由民権運動の重層という性格は、まさに秩父の特異な風土(山村部なのに商品経済化が早かった)に由来すると思う。

また、私の母方の曽祖父(京都守護職・松平容保の近習として仕え、箱館・五稜郭まで戦い抜いた元会津藩士・柏崎才一)は、「事件」発生時に所沢警察署長で、警察部隊が秩父盆地を包囲した際の名栗口の隊長だった。
そして、事件後の秩父警察署長といういちばん嫌な役割をさせられた。

(そもそも、浦和・大宮・熊谷などの警察署長が薩長土肥の20代の士族なのに、40代で末席の所沢警察署長というのが悔しい)

という事情で、先祖語りとして、母からいろいろ聞いていた。
なかでも、「暴徒の首魁」が「ばくち打ちの親分」という話は、子供心に「なんじゃそれ?」という感じで印象的だった。

藤野さんと知り合うのがもう少し早くかったら、現地をご案内できたのに、と思う(残念)。
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加藤政洋『酒場の京都学』 [読書]

1月26日(日)

加藤政洋さんから『酒場の京都学』(ミネルヴァ書房、2020年1月)をいただく。
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酒場から見た京都の歴史地理学。
今、当たり前のように存在する、お酒を飲む場所(酒場)は、歴史的・地理的に形成されてきたものであることを、さまざまな資料から丁寧に跡付ける。

加藤さん、ありがとうございました。
楽しく読ませていただきます。
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バート・D・アーマン著『書き換えられた聖書』 [読書]

8月5日(月)

昨日、今日とつかの間の夏休みで、家でゴロゴロしながら、読書。

バート・D・アーマン著『書き換えられた聖書』(ちくま学芸文庫、2019年6月)、とてもおもしろい。
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キリスト教の根幹をなす聖典「新約聖書」がいかにして書き換えられてきたか、誤謬と改竄の歴史。

家猫さんから「このごろ、キリシタンの本ばかり読んでる、どうしたにゃ?」と言われた。

そう言われると、その前に読んでいたのは、石川明人『キリスト教と日本人―宣教史から信仰の歴史を問う―』(ちくま新書、2019年7月)。

優秀な人材を投入し(しかも大勢の犠牲者を出し)、膨大なの費用を費やしながら、日本布教はなぜかくも無惨な失敗に終わったのか?という内容。

さらにその前には、岡田温司『マグダラのマリア―エロスとアガペーの聖女―』(中公新書、2005年1月)を読んだ。

何で今になって、キリスト教の勉強をしているかと言うと、2017年秋に『福音と世界』(新教出版社)に「裸体・着衣とセクシュアリティ ―近代日本におけるキリスト教の影響―」を書かせてもらった時に、自分のキリスト教の知識の決定的な不足に気づいたから。

やはり、研究者である以上、単なる「キリスト教嫌い」ではなく、ちゃんと知識を持った批判でないといけないと、今更ながら思ったから。

さあ、『書き換えられた聖書』の続きを読もう!

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加藤政洋『大阪―都市の記憶を掘り起こす ―』 [読書]

4月18日(木)

いろいろ学恩を被っている加藤政洋さん(立命館大学文学部准教授:人文地理学)から新著『大阪―都市の記憶を掘り起こす ―』(ちくま新書)をいただく。

喫茶店でコーヒーを飲みながら読み始める。至福の時間。

大阪は、10年ほど前にフィールドワークしただけで、知らないことが多いので、読んでいて楽しい。

加藤さん、ありがとうございました。



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山川三千子『女官ー明治宮中出仕記ー』( [読書]

6月17日(土)

山川三千子『女官ー明治宮中出仕の記ー』(講談社学術文庫、2016年)を読む。
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晩年の明治天皇、昭憲皇太后に掌侍(桜木内侍)として仕えた久世三千子(1892~1965年)の回想記。
三千子は、子爵・久世通章(みちふみ)の娘で、18歳で出仕した。

平安時代の後宮制度を知っているので、その名残が色濃く残る 明治末期の宮廷の生活文化がよくわかり、とても興味深い。
また、明治天皇、昭憲皇太后のお人柄もリアルに伝わってくる。

表紙の女性は、大正天皇の生母柳原愛子(やなぎわら なるこ 1859~1943年、明治天皇の後宮の早蕨典侍、後の柳原二位)。

著者の久世三千子は、下の画像(↓)の左側の人。
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右は同僚の日野西薫子(山茶花内侍)。

ちなみに、著者の久世三千子が嫁した山川黙(しずか)は、明治天皇フランス語通訳で昭憲皇太后の女官だった山川操(東京帝国大学総長をつとめた山川健次郎の姉)の養子。
山川家は会津藩国家老の家柄なので、私の母の実家(会津藩士)とは交流があった。


2月12日(日)浅田次郎『天子蒙塵』第1巻 [読書]

2月12日(日) 晴れ  東京  11.2度  湿度29%(15時)

10時、起床。
朝食は、新丸子駅前「ブーランジュリー・メチエ」ののアマンドショコラとコーヒー。
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今日は一日、休養。
ほんとうになにもしないつもり。

昼食は、うどんを茹でて、家猫さんが買ってきた天婦羅を乗せる。
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食後、ずっと読みたかったけど、採点が終わるまではと禁欲していた小説を読み始める。
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温かな行火を抱えてベッドにもぐって、浅田さんが紡ぎ出す物語に入りこんでいる内に、眠くなり2時間ほど熟睡。
ああ、幸せだ。

夕食は、牛肉のソース焼き。
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クレソンとレタス。
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NHK海外ドラマ「ダウントン・アビー5(第9回)」を見る。
次回、最終回だが、その後はどうなるのだろう?

夜中、富岡製糸場の見学記を書き継ぐ(まだ未完)。

就寝、3時。

10月15日(土)鳥尾多江『私の足音が聞こえるーマダム鳥尾の回想ー』を読む [読書]

10月15日(土)

持病の坐骨神経痛に加えて、疲労性の筋肉痛で、立ち居が苦痛なので、一日、自宅で静養。

鳥尾多江『私の足音が聞こえるーマダム鳥尾の回想ー』(文藝春秋、1985年)を読む。
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鳥尾多江(下條鶴代、1912~1991年)は、明治45年5月、三井物産社員・下條(げじょう)小四郎の娘として、東京市麹町区(現:東京都千代田区)に生まれる。
日本画家で貴族院議員だった祖父下條桂谷に溺愛されて育ち、平民でありながら女子学習院に入学。
1932年(昭和7)20歳で子爵・鳥尾敬光(のりみつ、1910~1949年)と結婚、後に一男一女を生む。

1946年(昭和21)、34歳の時、GHQ民政局次長チャールズ・ケーディス中佐(1906~ 1996年)と知り合い、恋に落ちる。
その関係は、1948年にケーディスが帰国するまで続いた。
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1949年、夫敬光が亡くなると、、1950年頃から昭和電工社長森清(1915~1968年、後に衆議院議員、総理府総務長官)と恋に落ち1968年6月に森清が逝去するまで、愛人関係にあった。
その間、1953年、銀座でバー「鳥尾夫人」を開くが、2年8か月で閉店。

こんな略歴の人で、明治末年生まれの上流階級の女性にしては稀な自由を愛し自己に忠実の生きた人。
自伝を読むと、自立心の強さと旺盛なバイタリティ(生活力)が実に印象的だ。

マッカーサー司令官の懐刀として辣腕をふるったケーディス民政局次長との愛情関係も、策謀や打算からではなく、彼女の「恋愛体質」から始まったことだと思う。

戦後、GHQの高級将校の接待に、「国策」として英語がしゃべれて社交に慣れた日本の華族・上流階層の女性が当たったことは知っていた。
1946年2月、幣原喜重郎内閣の書記官長楢橋渡(1902~1973年)の強い要請で、彼女と鍋島子爵夫人しげ子が初めてGHQの高級将校を招くパーティ(麻布・楢橋邸)に出席する場面(そこでケーディスと出会う)の記述は、詳細でリアリティがあり印象的。

同時に、多くの国民が飢餓線上の苦しみにあった時、上流階層はこんなことをしていたのかと驚いてしまう。
亡父が「あの頃、GHQとコネがある人とない人とでは天と地の違い」と語っていたことが思い出された。



浅田次郎『一刀斎夢録』 [読書]

1月26日(月)

夜中、浅田次郎『一刀斎夢録』(文春文庫)を読了。
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全編ほとんどが新撰組副長助勤・三番隊組長斎藤一(1844~1915)の一人語り。

戦いの中で大勢の人を斬りながら、自らは最後まで斬られることなく、45年もの長い明治を生きぬき、大正の新時代まで見て、畳の上で大往生をとげた(大正4年72歳で没稀代の剣客が語る、幕末動乱の京、鳥羽伏見の戦、会津戦争、そして西南戦争。
斎藤が語る、新撰組隊長近藤勇、副長土方歳三、一番隊組長沖田総司の人物像もおもしろい。

と言っても、ほとんど全部、浅田次郎さんの作品世界なのだが。
ほんとうに斎藤一の聞き書き「夢録」が残っていたら、すごい史料なのだが・・・。
(子母澤寛が昭和4年=1929に発表した『新選組遺聞』に、「夢録」という斎藤一の口述録があると記されているが、真偽不詳)

それにしても、相変わらず、浅田さんは「お話」がうまいなぁ。
作品世界に引き込まれるように読みふけってしまうので、仕事が忙しい時には「危険物」なのだ。

斎藤一の経歴については、下記を参照ください。
2014年7月13日 新選組三番隊組長「斎藤一」、明治初期の警視庁名簿に
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2014-07-23-4