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銘仙図鑑(47)管菊?の抽象模様の銘仙 [銘仙図鑑(新規)]

11月5日(土)

銘仙図鑑(47) 管菊?の抽象模様の銘仙
銘仙47-1.jpg 銘仙47-3.JPG
【番号】 047
【名称】 管菊?の抽象模様の銘仙 
【色柄】 赤、黒、黄色、鼠色で抽象された管菊と真上から見た菊花を織り出す。
     赤が印象的で、全体的に華やかな雰囲気。
     管菊?は赤を中心に黒、黄で大きく織り出すものと、黒を中心にやや小さく織り出すものとの2種。
     真上から見た菊花は薄い赤と鼠色の2種。
     管菊?と灰色の地模様は経糸・緯糸捺染の併用紬で織り出す。
     真上からみた菊花は経糸で織り出す。
     緯糸に織りズレがやや見られるが、大きなツレはなく、平滑感の高い織り上がり。
【技法】 平織、経糸・緯糸捺染。併用絣。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)?
【年代推定】 昭和5~10年(1930~1935)前後?
【所蔵者】 三橋順子
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↑ 赤い管菊?
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↑ 黒い管菊?
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↑ 薄い赤の真上から見た菊花
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↑ 鼠色の真上から見た菊花
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↑ 織りズレの状態。緯糸にやや目立つ。
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↑ 織りズレの状態。経糸のズレは目立たない。

銘仙図鑑(46)田園風景模様の銘仙(羽織) [銘仙図鑑(新規)]

11月3日(木・祝)

1年間もサボってしまいました。
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銘仙図鑑(46)田園風景模様の銘仙(羽織) 
銘仙46-1.jpg銘仙46-2.JPG

【番号】 046
【名称】 田園風景模様の銘仙(羽織) 
【色柄】 青緑、赤、グレーの3色で、田園風景を織り出す。
     図柄はかなり細かく、洋風の家、畑、作物、果樹、和風の家などを織り出す。   
     洋風の家、畑、和風の家と畑の3カ所に金の緯糸に入れてアクセントにしている。
     洋風と和風が混在する不思議な田園風景である。
     細かな図柄を全体的に上手に織り出し技術は高い。
     ただし、部分的にかなり大きな織りずれがあり、織の緻密さは上級品より下がる。
【技法】 平織、経糸捺染、解し織り。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)?
【年代推定】 昭和10年(1935)前後?
【所蔵者】 三橋順子
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↑ 上から下に田園風景が展開する。

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↑ 金糸が入る洋風の家。
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↑ 金糸が入る畑。
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↑ 金糸が入る和風の家と畑。
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↑ 織りずれの状態
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↑ 左端にかなり大きなツレ。

銘仙図鑑(45)青地に楕円花文の銘仙 [銘仙図鑑(新規)]

10月4日(日)

銘仙図鑑(45)青地に楕円花文の銘仙 
銘仙45-1 (1).jpg 銘仙45-1 (2).JPG

【番号】 045
【名称】 青地に楕円花文の銘仙 
【色柄】 青地に朱、黄、白の3色を使って、大きな歪んだ楕円形の意匠を織り出す。
     楕円の中には、菊を真上から見たような花弁状の模様を織り出す。
     花芯の部分は青色
楕円花文には朱を主体にしたものと、黄色を主体にしたものがある。
朱は必ず黄色と重なるが、黄色は単独でも織り出される。
伝統的な意匠のモダン・デザイン化。
織ずれはかなり大きく、織の緻密さは中の上という感じ。
【技法】 平織、経糸・緯糸捺染、緯綜中心の併用絣。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)?
【年代推定】 昭和5~10年(1930~35)??
【所蔵者】 三橋順子

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↑ 朱色主体の楕円文
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↑ 黄色主体の楕円文。
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↑ 花弁?の部分。経糸の色味はあまり効いていない?
併用絣にした意味はあまりないように思う。
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↑ 織ずれはかなり大きい。

銘仙図鑑(44)薄茶地に朱色とオリーブ色の長方形の銘仙 [銘仙図鑑(新規)]

9月28日(月)

これまで、昭和戦前期の銘仙を中心に紹介し、昭和戦後期の銘仙はほとんど取り上げてこなかった。
理由は単純で、私のコレクション、およびYUKOのコレクションに、戦後期の生産と思われる銘仙が少ないからだ。

戦後期の銘仙は、繊維統制が解除された昭和26年(1951)頃から生産が活性化し、昭和30年(1955)頃にピークを迎える。
しかし、昭和32年(1957)頃からのウール着尺の流行の影響や、そしてなにより大衆衣料の洋装化の進行によって需要・生産が急激に減少し、昭和40年代(1965~)にははほとんど姿を消してしまう。
生産期間はわずか15年ほどだった。

また、戦後の銘仙着尺の生産は、伊勢崎(群馬県)に限定されていて(秩父はもっぱら布団皮)、戦前期のような生産地の競争やバリエーションはない。

戦後期の銘仙の特色をまとめるには資料が不足しているが、デザイン的には、占領軍(進駐軍)とともに日本に入ってきたアメリカの洋服地のデザインを模倣したポップなものが主流になるとされている。
戦前の大胆な色づかいの大柄は衰退し、(地の部分が大きい)比較的小さな柄、カーテンやテーブルクロスに見られるような柄が多いように思う。
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銘仙図鑑(44) 薄茶地に朱色とオリーブ色の長方形の銘仙 
銘仙44-1(2).jpg  

【番号】 044
【名称】 薄茶地に朱色とオリーブ色の長方形の銘仙
【色柄】 やや赤みのある薄茶色の地に、くすんだ朱色と暗いオリーブ色の長方形を規則的に織り出す。
     長方形は1幅に約6個で、柄としてはかなり小さい。
     柄と地の比率は緯糸で約3:2で、地の面積がかなり大きい。
     配列は規則的だが、単調で工夫に乏しい。
     長方形の柄は朱色とオリーブ色の中に色を変えて複数の図形を織り出すが、大きく崩れているため何種類あるか不明。
     織ずれはかなり大きく、柄の崩れも目立つ。
     戦後期に生産された普及品の銘仙の典型。
【技法】 平織、緯糸捺染の横綜。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)?
【年代推定】 昭和30年(1955)前後?
【所蔵者】 三橋順子
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↑ 長方形は1幅6個で、柄としては小さい
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柄は、くすんだ朱と暗いオリーブの2色
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↑ 朱色に白
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↑ 朱色に鼠色
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↑ 朱色にオリーブ色
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↑ オリーブ色に朱色
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↑ オリーブ色に薄いピンク
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↑ オリーブ色に鼠色(コントラスト悪い)

銘仙図鑑(43)黒地に白・赤・黄色の幾何学模様の銘仙 [銘仙図鑑(新規)]

9月28日(月)

銘仙図鑑(43)黒地に白・赤・黄色の幾何学模様の銘仙 
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【番号】 043
【名称】 黒地に白・赤・黄色の幾何学模様の銘仙
【色柄】 黒地に白、赤、黄の3色で幾何学模様(長いコの字形)を織り出す。
     白・赤ほぼ交互にアクセントとして黄色を入れる列と、やや小さめで白を基調にときどき赤・黄色を入れる列とが、緩い折れ線状の黒地を隔てて向き合う。
漆黒の地に同じ図柄がリズミカルに反復するデザインと、併用絣特有の鮮やかな色味が強い印象を与える。
     やや織ずれが大きいが、織自体はきわめて緻密で上質。
     アール・デコの影響を強く受けた銘仙の典型的な作例。
【技法】 平織、経糸・緯糸捺染の併用絣。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)?
【年代推定】 昭和5~10年(1930~35)??
【所蔵者】 三橋順子
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↑ 列による図柄の大きさの違い
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↑ やや織ずれがあるが併用絣の特色がよくわかる
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↑ 黄色がアクセントとして効いている。

銘仙図鑑(42) 青紫の地に松葉?の銘仙 [銘仙図鑑(新規)]

銘仙図鑑(42) 青紫の地に松葉?の銘仙
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【番号】 042
【名称】 青紫の地に松葉?の銘仙
【色柄】 青紫の地に横から見た松葉?を白で織り出す。
     松葉の根元に当たるところを薄紅で、芯を紅色で表現する。
     松葉にも、部分的にくすんだ黄色と薄紅をかける。
     部分的にズレが大きい部分があるが、まずまず丁寧な織り。
【技法】 経糸・緯糸捺染の併用絣。
【産地推定】 足利(栃木県)??
【年代推定】 昭和5~10年(1930~35)??
【所蔵者】 家猫
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↑ 松葉が直線ではなく、緩い弧なので、一見、華やかな花模様(合歓とか)のようにも見える。
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↑ 織りずれがやや目立つ部分。 

【着装】
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↑ 華やかだが、女性的でやさしい雰囲気。
(モデル)家猫

【比較】同じ松葉のデザインでも、アールデコデザインの(41)と比べると、まったく雰囲気が違う。
銘仙41-1(復刻足利・松葉)1 (2).jpg 銘仙42-1.jpg

銘仙図鑑(41) アールデコの松葉の銘仙(復刻) [銘仙図鑑(新規)]

銘仙図鑑(41) アールデコの松葉の銘仙(復刻)
銘仙41-1(復刻足利・松葉)1 (2).jpg
【番号】 041
【名称】 アールデコの松葉の銘仙(復刻)
【色柄】 京都西陣の「きものACT」による足利銘仙の忠実な復刻。
     錆朱と藍の放射状の帯(4分の1の扇形)で松葉を横から見た様子を、青鼠の放射模様で松葉を真上から見た様子を織り出す。
     遠目では、青鼠の地に錆朱・藍の幾何学的なデザインに見える。
     アールデコの意匠を銘仙の柄に巧みに取り入れた傑作。     
     捺染の際の色ずれは見受けられるが、織は復刻だけあって精密。

【技法】 経糸・緯糸捺染の併用絣。
【産地推定】 足利(栃木県)
【年代推定】 2000年代の復刻。原デザインは昭和5~10年(1930~35)?
【所蔵者】 三橋順子
銘仙41-2(復刻足利・松葉)2 (2).jpg
↑ 右下から4本目の赤のラインの部分、色のはみ出しが見られる。
銘仙41-4(復刻足利・松葉)3 (2).jpg
↑ 上から見た松葉。最初は松葉とは気づかなかった 

【着装】
銘仙41-4(復刻足利・松葉・061103) (2).jpg
↑ 背が高い私が着ると、余計にデザインの斬新さが際立つ。
銘仙41-5(復刻足利・松葉・061103)  (2).jpg
↑ 第3回「きもの日和TOKYO」の「きものファッションショー」(2006年11月3日:東京恵比寿)で撮影。
(モデル)三橋順子

【参照】
木村和恵コレクション(松葉模様) (2).jpg
木村和恵コレクションの松葉模様の銘仙。
色味はずっと明るいが、まったく同じデザイン。
(別冊太陽『銘仙 ―大正・昭和のおしゃれ着物―』平凡社、2004年)

銘仙図鑑(40) 灰青色の水玉を切り裂く赤の銘仙(単) [銘仙図鑑(新規)]

3月9日(月)
やっと40・・・。
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銘仙図鑑(40) 灰青色の水玉を切り裂く赤の銘仙(単)
銘仙40-1 (2).jpg
【番号】 040
【名称】 灰青色のドッドを切り裂く赤の銘仙(単)
【色柄】 白の地に帯状の濃淡の水玉(ドッド)と赤のラインを織り出す。
     赤は両端が鋭くとがった長菱形で、水玉を切り裂くように走る。。     
     水玉(ドッド)はやや灰色がかった青色で、濃淡3種がある。
     一幅の4分の1ほどは模様がない白で、赤の鮮やかさを際立てる。
     水玉と直線的な長菱形を組み合わせたアールデコのデザイン。
     水玉は緯糸捺染(横綜)で織り出し、赤の長菱形の部分は経糸・緯糸ともに赤捺染の併用絣。
     緯糸の織ずれはかなりあるが、それによる水玉の暈け具合が良い味になっている。
【技法】 緯糸捺染(横綜)中心の併用絣。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)?
【年代推定】 昭和5~10年(1930~35)?
【所蔵者】 YUKO
銘仙40-2 (2).jpg
↑ 赤のラインの鋭さが際立つ
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↑ 水玉が横綜で濃淡に3段階あることがわかる。 
銘仙40-3 (3).jpg
↑ 赤の部分が、緯糸も経糸も赤で染めた併用絣であることが、はっきりわかる。

【着装】
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↑ 遠目に見ると、水玉はあまり目立たない。
銘仙40-6 (2).jpg
↑ 後ろ身ごろは、とりわけ赤のラインの鮮烈さが際立つ。
性欲研究カバーB案 (6).jpg
↑ 『性欲の研究 東京のエロ地理』(平凡社 2015年3月)の表紙カバーに使わせてもらった。
(モデル・撮影)YUKO

【関連リンク】
YUKO「気軽に楽しく美しく・銘仙の時代の女」
17 白とグレーのドット柄縞模様の中に赤い片矢羽根の銘仙着物 
http://yukomeisen.blog.so-net.ne.jp/2014-03-22

銘仙図鑑(39)多色使いの矢羽重ねの銘仙(羽織) [銘仙図鑑(新規)]

銘仙図鑑(39) 多色使いの矢羽重ねの銘仙(羽織)
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【番号】 039
【名称】 多色使いの矢羽重ねの銘仙(羽織)
【色柄】 黒、白銀、青、赤、黄の五色で、重なった矢羽柄を織り出す。
     矢羽は緩い弧を描く曲線で構成され、房飾りが付く。     
     矢羽という伝統柄を大胆にアレンジした斬新なデザイン。
     かなり強い玉虫光沢がある。
     緯糸はところどころ節がある糸を用い、生地は緻密だが、織ずれはかなり目立つ。
【技法】 緯糸捺染(横綜)。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)??
【年代推定】 昭和5~10年(1930~35)?
【所蔵者】 三橋順子

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↑ シアンブルー(青)が鮮やか
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↑ 白銀の部分に玉虫光沢が出ている。 
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↑ 織の状態。緯糸の織ずれはかなりあるが、それによる線の暈しが良い味になっている。

銘仙図鑑(38)赤と青の大きな矢羽の銘仙(単) [銘仙図鑑(新規)]

銘仙図鑑(38) 赤と青の大きな矢羽の銘仙(単)
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【番号】 038
【名称】 赤と青の大きな矢羽の銘仙(単)
【色柄】 生成りの地に1幅2つの大きな矢羽を多色で織り出す。
     矢柄は黄色、矢羽は赤と青。
     矢羽の青と赤は、経糸にベタに色糸を入れず、不規則な間隔で生成色を挟んで、あえて色味を薄くしている。
     生地は薄手だが光沢感がある。
     織は緻密で、精度も良く、技術レベルは高い。
【技法】 経糸捺染。
【産地推定】 伊勢崎(群馬県)??
【年代推定】 昭和5年(1930)前後?
【所蔵者】  YUKO→三橋順子(2014年8月移管)
銘仙38-2.JPG
↑ 1つの矢羽は、長さ44cm、幅10cm
銘仙38-3.JPG 
銘仙38-4.JPG
↑ 織の状態。織ずれはほとんどなく、技術レベルは高い。

【着装】
銘仙38-6.jpg
↑ あえて淡く抑えた色柄が品の良さを感じさせる。
銘仙38-7.jpg
↑ これは着装写真と言えるのだろうか?
(モデル・撮影)YUKO

【関連リンク】
YUKO「気軽に楽しく美しく・銘仙の時代の女」
40 桃色巨大矢絣銘仙単衣着物
http://blog.livedoor.jp/yukononono-12/archives/1004872.html

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