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「GID特例法」改正の方向性 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月1日(金)

【メモ】
① 最高裁が「違憲」と判断した法律条文は、即時に効力を失う。

② 国会は、最高裁の判断に反する法律を作ることや、法改正をすることはできない。

③ 国会が、最高裁が「違憲」とした条文を改正することなく長期間放置した事例はある。
 刑法200条の「尊属殺人」の規定。
 1973年に「違憲」判断、1995年条文削除。

④ 日本国憲法は(実際はともかく、建前上は)「男女同権」であり、女性の権利のみを認める法律は作りにくい。
 「女性スペース」だけを守る法律は難しい。
 「女性スペース」を守る法律を作るなら同時に「男性スペース」も、法律で守らなければならない。

⑤ 戸籍上の性別=法律上の性別という大原則を崩し、たとえば、男性を「男性1種」・「男性2種」に、女性を「女性1種」・「女性2種」に分け、法的な権利に差異を設けることは、憲法に定められた「法の下の平等」からも、また実際の運用からしても、かなり困難。 

⑥ WHOのICD-11の施行(2022年1月)により、既に存在しなくなった病名や診断基準に基づいて法改正をすることは、法理的にありえない。
 日本はWHOの加盟国、かつICD-11の採択に賛成している

⑦ 特定の属性の人(トランスジェンダー、さらにTrans-woman)だけをターゲットにし、その人権を制約するような法律は、日本国憲法の「法の下の平等」や国際的な人権規範に照らして、さらにはG7諸国との「価値観の共有」という点でも、あり得ない。

こうやって、一つ一つ確認していけば、「GID特例法」改正の方向性は、おのずから見えてくる。
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アジアから捉え直すべきもの [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月24日(土)

昨年11月に「アジアにおける《多様な性》」プロジェクト研究会で話した内容を、少しリニューアルして、昨日、国際基督教大学のゲスト講義「サードジェンダー:多元的ジェンダー観から考える」でお話した。

アジアからの視点でジェンダー&セクシュアリティの枠組み(理論構造)を捉え直すという、現代の日本の学界では、まず確実に黙殺される異端の学説なので、文章化して、どこかに残しておかなければ、と思う。

とりあえずは、自分のブログかな、
でも、このブログも私が死ねば亡くなっちゃうのだけど。

具体的に何を捉え直すべきか。
① 男女二元のジェンダー観をベースにしたトランスジェンダー観。
② (バイセクシュアルを介在するにしても)ホモセクシュアルとヘテロセクシュアルの二項対立的なセクシュアリティ観。
③ 身体本質主義的でジェンダー表現を軽視する性別観。

早い話、ジェンダーが(二元的でなく)多元的であるならば、そこに立脚するセクシュアリティが二項対置構造に収まるはずはないということ。

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「性同一性障害特例法」第3条1項4号についての最高裁判所決定(2023年10月25日)の概要 [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月19日(月)

「性同一性障害特例法」第3条1項4号についての最高裁判所決定(2023年10月25日)の概要

【前提】
「自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由が、人格的生存に関わる重要な権利として、憲法13条によって保障されていることは明らかである」

【違憲判断のポイント】
「治療としては生殖腺除去手術を要しない性同一性障害者に対し、身体への侵襲を受けない自由を放棄して強度な身体的侵襲である生殖腺除去手術を受けることを甘受するか、又は性自認に従った法令上の性別の取扱いを受けるという重要な法的利益を放棄して性別変更審判を受けることを断念するかという過酷な二者択一を迫るもの」

【違憲判断の理由】
「性同一性障害特例法」第3条1項4号が、上記のような「二者択一」的構造になっている点が、憲法13条に違反すると判断。

【広島高裁・差し戻し審のポイント】
① 「自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由が、人格的生存に関わる重要な権利」と認定。
② 性同一性障害者にとって「性自認に従った法令上の性別の取扱いを受ける」ことが「重要な法的利益」と認定。

【①についての私見】
4号要件についての手術(睾丸摘出手術)と5号要件についての手術(外性器女性化手術)を比較した場合、ペニスの解体、尿道口の付け替え、外陰部の女性化形成をともなう後者の方が「侵襲」が大きいと、一般的には考えられる。
つまり、広島高裁が①を否定するのは困難。

【②についての私見】
性同一性障害者にとって「重要な法的利益」である「性自認に従った法令上の性別の取扱いを受ける」ことと、それを認めたことによって生じる公共的な不利益との比較。
どちらを重くみるか?

後者を重くみて、男性→女性の場合のみ、5号要件を維持した場合、5号要件が空文化している女性→男性の場合との「重要な法的利益」のアンバランスをどう考えるか?
「男女平等」という法制上の大原則に反しないか?




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experienced gender [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月19日(月)

「性自認」に過剰にこだわる「活動家」も、そのアンチの人たちも、はっきり言って時代遅れだと思う。

ICD-11のgender incongruenceも、DSM-5-TRのgender dysphoriaも、すでにgender identityを使っていない。
assigned sexと対比されるのはexperienced gender。

gender identityを使わなくなったのは、やはり定義として不安定さがあるからだと思う。

experienced genderは、経験されてきたジェンダー、補えば、社会生活の中で経験されてきたジェンダー。
知識は、リニューアルしていかなければならない。



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「性自認」を法制度に組み込むのは難しい [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月19日(月)

私が「性自認」は基本的に「自称」と言っているのは、性同一性障害の精神的医療の第一人者・針間克己先生の受け売り。

当事者が自称(自訴)してきた「性自認」の継時性・安定性を診察するのが、性同一性障害診断の第一歩。

そもそもアイデンティティなのだから「自称」なのは当然ではないか。

性同一性障害の診断を受けた人は、自訴してきた「性自認」の継時性と安定性が精神科医の診察によって確認されたことになる。
だから、性同一性障害の診断が下りる。

逆に、診察を受けていない人の「性自認」は、継時性と安定性の確認がなされていなく、自訴・自称のまま。

そうした継時性・安定性が確認されていない「性自認」を、そのまま法制度に組み入れるのは、かなり危ういし、社会の安定性という観点からも、すべきではないと思う。

その点、「活動家」の主張と私の考えは、はっきり異なる。1189

法制度に組み込むなら、最低限、精神科医によって継時性と安定性が確認された「性自認」にすべき。
私はそれより、生活の実態(社会の中で経験してきたジェンダー)を重視すべきだと考えている。
まあ、その証明もなかなか難しいのだが。
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トランスジェンダーの人数推計 [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月12日(月・休)

もう何度も書いているが、トランスジェンダーの人数推計。

トランスジェンダーを「誕生時に指定された性別とは異なる性別(ジェンダー)で生活している人」と定義するなら、その全人口比は推定0.1~0.2%。

つまり、日本の人口を1億2500万人とすると、12~25万人。

そのうち、12000人が戸籍の性別を変更済み(ほぼ確定値)。
変更率は5~10%(10~20人に1人)。

性比はおよそ2:1なので、戸籍変更済みのTrans-womanは約4000人、Trans-manは約8000人。

確実なデータはないが、推測値として大きな誤り(桁が違うような)はないはず。

それにしても思うのは、「活動家」はなぜトランスジェンダーの人数を多めに推計するのだろう?
そんなことしても意味はないのに。

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「手術なし性別変更」家事審判で認める 岡山家裁津山支部 [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月7日(水)

2023年10月25日の最高裁判断(「GID特例法」第3条1項4号=生殖機能喪失要件は違憲)に従った判断。
同条項はすでに(2023年10月25日以降)機能停止なので、当然の判断。

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「手術なし性別変更」家事審判で認める…最高裁が手術要件「違憲」判断、当事者が公表
性同一性障害と診断され、生殖能力をなくす手術を望まない岡山県在住の申立人が戸籍上の性別変更を求めた家事審判で、岡山家裁津山支部(工藤優希裁判官)は7日、手術を事実上の要件とした性同一性障害特例法の規定は憲法に違反すると判断し、女性から男性への性別変更を認めた。昨年10月に最高裁が手術規定を「違憲・無効」と判断して以降、手術を受けずに性別変更が認められた司法判断を当事者が記者会見で公表するのは初めてとみられる。

申立人は、同県新庄村の農業、臼井崇来人(たかきーと)さん(50)。臼井さんは女性として生まれ、2013年に心は男性と医師に診断された。交際する女性との結婚を望む一方、体への影響などを懸念して手術は避けてきた。

津山支部は手術規定について「手術を受けるか、性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫るものだ」と指摘。同規定を要件としない国が増えており、過剰な制約になっているとした上で、意思に反して身体への侵襲を受けない自由を保障した憲法13条に違反すると判断した。

臼井さんは審判で、「性別変更後の性別と近い性器の外観を備えている」とする特例法の規定も違憲だと主張していた。津山支部はこの点の憲法判断はしなかったが、臼井さんはホルモン療法の効果などから外観要件を満たしているとして、性別変更を認めた。

臼井さんは16年12月、戸籍上の性別変更を津山支部に申し立てたが、同支部と広島高裁岡山支部は請求を退け、最高裁第2小法廷は19年1月、手術規定を「現時点では合憲」と判断した上で、特別抗告を棄却した。

しかし最高裁大法廷が昨年10月、別の申立人に対する決定で手術規定を違憲としたのを受け、昨年12月に改めて津山支部に性別変更を申し立てた。外観要件について大法廷は「2審で判断されていない」として審理を高裁に差し戻している。

臼井さんは7日、岡山市内で記者会見を開き、「パートナーの女性との婚姻届が受理されず、社会を変えたいと思い訴え続けてきた。今後婚姻届を出したい」と笑顔で語った。

■特例法見直しに慎重論
国は最高裁決定後の昨年12月、性別変更に必要な医師の診断書で、生殖能力があるかどうかの記載を当面の間、不要にするとの通知を自治体や学会に出した。特例法の見直しなどの検討を進めているが、保守系議員を中心に慎重論も根強い。

津山支部の判断について、棚村政行・早稲田大教授(家族法)は「事態の打開を図ろうとする裁判所の姿勢が見える」と評価。栗田佳泰・新潟大准教授(憲法)は「社会が混乱しないよう、丁寧に議論を深める必要がある」と話した。
『読売新聞』2024年02月07日22時11分
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240207-OYT1T50091/




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「ほとぼりが冷めたから」で済む話ではない [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月6日(火)

Transgender Japan(TGJP)が「延期」になっていた「東京トランスマーチ2023」を3月31日に挙行すると発表した。
正直、驚いている。

まるで何もなかったかのように(いまだに被害者への謝罪もないのに)、「東京トランスマーチ2023」をやるって、すごいな(褒めてない)というのが第一印象。

まあ、世の中には性加害への認識が乏しい人もいるから、それなりの人は集まるだろう(数100人規模)。

しかし、TGJP共同代表による「あの事件」と、その後の組織的対応の拙劣さに、トランスコミュニティの多くの人たちがどれだけ困惑し、失望し、そして怒りを覚えたか・・・。

事件から1年、発覚から半年、「ほとぼりが冷めたから、そろそろ・・・」で済む話ではない。

TGJPの基本姿勢は「無謬」。
自分たちは常に正しい。
だから、批判する側がすべて悪い。
そこには、反省、謝罪、自浄という意識がない。
組織防衛がなにより最優先。
世間的常識とはかなり違った意識を持つ「人権」団体。
そう思って対処するしかない。

性被害を受けた方の告発や、支援者の批判に真摯に向き合わないのも、自分たちが「無謬」だから。
自分たちが「無謬」で固定されているので、それに対置される告発・批判する側が「悪い」となっていく。
「あの夜」何が起こったのかの事実認定に意識が向かないのも、そもそも自分たちは「無謬」だから。

社会の中でより脆弱な立場に置かれている人(ここでは性被害を受けた人)が、いつの間にか、加害者側の人間として表象される現象を「想像的逆転(imaginary inversion)」と言うが、まさにそれ。

女性が性被害者、男性が性加害者とされる事例では、「その程度のことで告発した女が悪い」という男性論理がしばしば見られる(例「松本事件」)。
それをトランスジェンダーの人権擁護を掲げる団体がやってしまうことの問題性をもっと重く考えるべきだ。

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トランスジェンダー議員への「SOGIハラ」 [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月3日(土)

典型的な「SOGIハラ」。

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トランスジェンダーの市議に議長が「おっさんだがや」と発言 愛知

初めての一般質問をする小嶋小百合さん。性的指向や性自認に対する差別や嫌がらせを表す「SOGIハラスメント」のボードを掲げた=2023年9月26日、愛知県春日井市鳥居松町の春日井市議会

出生時の性別と性自認が異なるトランスジェンダーを公表している小嶋小百合・愛知県春日井市議(70)が、村上慎二郎議長(53)から懇親会の場で、「おっさんだがや」との発言を受けていたことがわかった。小嶋市議は「ジェンダーアイデンティティーを真っ向から否定された」として、村上議長とともに所属していた会派「市民クラブ」を1月30日付で離脱した。

村上議長は取材に対し、発言を認め、「親しみやすいキャラクターと知ってもらうための発言だった。深く傷つけてしまい、反省している」と話している。

両議員によると、1月19日夜に開かれた懇親会で、小嶋市議が、同日昼につまようじを口にしながらパソコンを打っていた行為について、村上議長が「おっさんだがや」と発言したという。

専門家「大切にしているアイデンティティーの否定になる」
この懇親会には、議会報編集委員会のメンバーである小嶋市議をはじめとする議員、議長、副議長や事務局職員ら計15人が参加。小嶋市議は発言を受けた後、動悸(どうき)や不眠などの症状が出て、自律神経失調症と診断後は休養しているという。

小嶋市議は「みんながいる前で大声で何度も言われた。やり過ごしたらいつまでもなくならないと思った」と会派離脱の理由を語る。

ジェンダー論が専門の風間孝・中京大教授は、「本人が生きたいと望んでいる性とは違う性で表現することは、本人が大切にしているアイデンティティーの否定になる」と指摘。今の社会では、生まれた時の性と異なる性で生きることには大きな困難が伴うといい、「そうした苦労を軽視した発言で問題だ。トランスジェンダーが置かれている状況への理解が不足している」と話す。(中村真理、浦島千佳)

『朝日新聞』2024年2月2日 20時14分
https://www.asahi.com/articles/ASS2264RTS21OIPE00N.htm
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善意で制作された映画であっても・・・ [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月1日(木)

2月4日(日)に愛知県春日井市で上映会が予定されている『バリアフリーかあちゃん』という映画について、あるレインボー系の団体から「上映中止に協力してください」という依頼があった。
バリアフリーかあちゃん.jpg
たしかに、この映画、設定にかなり無理がある。
とくに、井戸が「女人禁制」という設定。
言うまでもなく、前近代において日常の「水汲み」は女性の仕事。
それを禁じる地域を、少なくとも私は知らない。

ただ、「上映中止」となると、「表現の自由」との兼ね合いがあり、難しいと思う。

映画を制作された人たちは、世の中に存在する様々な差別を解消しようという善意であっても、その表現がリアリティや合理性からして妥当であるかは別問題。
さらに映像表現が、差別されがちな当事者性をもつ人々にどう受け取られるかについては、慎重であるべきだ。

そのあたり、この映画制作の過程ではどうだったのだろう?
もっと、当事者の声を聴いていたら、「上映中止」要請のようなトラブルは起きなかったのではないだろうか。


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