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伊藤元輝 著『性転師  ー「性転換ビジネス」に従事する日本人たちー」 [現代の性(性別越境・性別移行)]

5月13日(水)

伊藤元輝 著『性転師  ー「性転換ビジネス」に従事する日本人たちー」(柏書房 2020年5月)
性転師.jpg
「性同一性障害の当事者にタイ・バンコクでの手術を斡旋、仲介する、通称「アテンド業」の実態を描くルポ」とのこと。

「性転師」(性別適合手術の斡旋業者)という言葉、新造語だが、なかなかインパクトがある。

著者は存じ上げないが、編集者の方とはお会いしたことがある。
そのとき「あの『くずし字辞典』の柏書房が、ノンフィクションを出す時代になったんですねぇ」と驚いた覚えがある。

第4章「性転師誕生前夜ー日本国内の性転換手術事情の変遷を追いかけるー」は、私の論文「性転換の社会史」も参照している。
ありがたいことだ。
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「ヘホ」という隠語 [現代の性(性別越境・性別移行)]

4月3日(金)

Twitterで「ヘホ」という言葉を使っているかたがいたので、簡単にリサーチ。
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トランススイマー @transswimmer
·
みんな「チェイサー」って言ってるから意味を調べてみました。私のニューハーフ時代だと、そういう人は「ヘホ」と呼ばれてみんなに陰で蔑まれていました。大金を払って会いに来てくれるお客さんには感謝していましたが、プライベートのHでも喜んで咥えてくる人を私は軽蔑していました。
https://twitter.com/transswimmer/status/1245848470390333441
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何人かの方の、次のようなことがわかった。
「ヘホ」
① 「変態ホモ(ヘンタイホモ)」の略語。
② トラニ―チェイサー(tranny chaser:女装者やニューハーフなどのTrans-womanを追いかける=性的指向がある男性)と同意味の俗語。
③ 主にニューハーフ業界で使われていた。
④ 使用についてのデータ
・ 18年ほど前(2002年ころ)池袋で使っていた。
  2004年頃の入谷では使っていなかった(トランススイマーさん)。
・ 95年末~、五反田では使っていなかった(畑野とまとさん)。
・ 30ほど前(1990年)、聞いたことがある(がんたつさん)。
・ 5~10年前(2010~2015年)20~30代の人も使っていた。
  「プロパガンダ」周りのコミュニティでもそれなりに流通していたと思う(鈴木みのりさん)。
・ 初めて聞いた。キタ、ミナミ、堂山界隈では聞いたことがない(姫野杏美さん)。
・ 初めて聞いたのが10年前(2010年頃)。
  水商売のニューハーフ業界でよく使っていた。今でも変わらず耳にする(Mizuki Tsujiさん)。
・ 英語圏だと、tranny chaser もしくはtranny lover(Kota Ishijimaさん)
・ 1995~2003年、私がいた新宿歌舞伎町の女装スナック&ニューハーフ・パブでは使ってなかった。
  だから「ヘホ」という言葉は知らなかった。
  当時、トラニ―チェイサーという言葉は知っていたけど、流通はしてなかった。
  「釜好き(釜セクシュアル)」は使っていた。
  2004年「女装者愛好男性」として概念化(三橋)。





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タイでのSRS(性別適合手術)、当分、不可能に [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月22日(日)
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harikatsu  @harimakatsuki「タイに行けるかな?アテンドからの連絡待ち。」とのんきなことを言ってる人がまだいるが。
3月20日、タイからの通達。搭乗に当たり、72時間以内にはっこうされた感染していない証明書が必要。
検査しない日本では、もはやタイに行くのは不可能です。

12:55 PM - Mar 21, 2020
https://twitter.com/harimakatsuki/status/1241211763955122177
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harikatsu  @harimakatsuki
アテンド会社に料金をすでに振り込み、タイに行けなくなった人達。正式な旅行代理店でないアテンド会社が多く、今後、代金返金問題でトラブル続出の予感。

12:57 PM - Mar 21, 2020
https://twitter.com/harimakatsuki/status/1241212229950640128
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3月20日のタイ政府の通達で、タイへの航空機に搭乗する際には、72時間以内に発行された新型コロナウィルスに感染していない証明書が必要となった。
日本は、検査対象を限定しているので、「証明書」の入手は不可能。
つまり、当分の間、タイでのSRS(性別適合手術)は不可能となった。

怪しいアテンド会社に、航空券代+滞在費を払い込んだ人たち、ちゃんと返金されるのだろうか?という話。

タイでのSRSを斡旋するアテンド会社の中には、日本の旅行代理店としても、タイのアテンド業務としても不認可=モグリがかなりある。
そしてなぜか、その手のアテンド会社のトップはFtMであることが多い。

その問題性は、もう6年ほど前から指摘されているが、いっこうに改善されない。
今回のコロナ騒動で、膿が一気に出れば、それはそれでいいと思う。
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FtMユーチーバーの暴行事件 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月19日(木)

昨夜、話題になっていた、FtMの暴行事件ってこれか・・・。
「男らしさ」の行き過ぎなのか、それとも男性ホルモンが悪さをしているのか?

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人気のLGBTユーチューバーが“相方”を暴行、警視庁に傷害の容疑で逮捕された

登録者数は40万
警視庁が3月17日、ユーチューバーの原英翔(えいと)容疑者(28)を傷害容疑で逮捕することが、週刊新潮の取材で分かった。原容疑者は女性から男性に性転換を行い、“LGBTユーチューバー”として活動していた。

原容疑者は、YouTubeチャンネル「キットチャンネル」を運営していたが、逮捕容疑は共演者の木本奏太(かなた)氏(28)に対する傷害罪だった。

木本氏も女性から男性に性転換を行っている。「キットチャンネル」の公式ツイッターは《元女子(女→男)》の2人である原容疑者と木本氏が出演する動画と説明していた。

3月16日現在、チャンネル登録者数は《40・2万人》と表示されている。また《LGBT YouTuberまとめ10選》や、《LGBTのYouTuber15選まとめてみた!》などのサイトで紹介されることも多かった。

原容疑者は1月31日、「奏太がいなくなりました。」の動画を公開。「約10日前、外出したら奏太くんがいなくて、机の上に手紙が置いてあった」など、木本氏と音信不通になったと報告した。

この動画については後述するが、《かなたくんの心配ってより、YouTubeの心配ばかり》、《自分は悪くないってアピールしている》、《自分の利益のことしか考えていない》などと炎上。それもあって再生回数は200万回を突破している。

一部のネットメディアも、以下のように報じた。
「キットチャンネル奏太の失踪理由はなぜ?どこに行った?手紙の内容はや(註:原文ママ)復帰はいつ?」(デイリーローズ:2月2日)
「LGBTのYouTuber『キットチャンネル』が“温度差”により事実上の解散か」(yutura:2月3日)

しかし今回の逮捕により、「キットチャンネル」が停止状態となったのは、原容疑者の木本氏に対する傷害容疑が主な原因だと判明したわけだ。

関係者の取材を総合し、2人の出会いから逮捕までを振り返ってみよう。知り合ったのは2014年のことだった。

性転換手術を考えていた木本氏は、相談依頼が可能なアテンドサービスを申し込んだ。その担当者が原容疑者だった。

当初は担当者と顧客という関係だったが、すぐに2人は意気投合。木本氏は15年12月に手術を受けるが、その後も友人関係が続いた。

最初の転機が訪れたのは17年。原容疑者と木本氏が転職で大阪から上京することになり、「生活費を安くする」ために都内でルームシェアを始めたのだ。

木本氏が動画の編集スキルを持っていたため、もともと「2人でYouTubeにチャンネルを開設したい」という計画を語り合うこともあった。それが同居で一気に具体化した。

最初は2人とも仕事を続けながら動画を撮影、公開していた。しかし制作に充分な時間が取れないことなどから、思い切ってYouTube一本に賭けることにしたという。

当初は再生回数が伸びず、生活費も稼げない時期があった。だが18年10月に1本の動画が好評を呼んだことから、“人気ユーチューバー”として脚光を浴びるようになった。

動画による収益が、エリートサラリーマンの年俸を超えるような額に達すると、次第に原容疑者の人格が変わっていったという。

木本氏が編集した動画をチェックする際、罵声を浴びせることが常態化。悪口雑言の後は「自分は怒りたくて怒っているわけではない。もともと動画作成のセンスを持っているのだから、指示されなくとも完成させるように頑張ってほしい」と労いの言葉をかけた。

全治2週間の怪我
言葉で暴力を振るった後は、一転して優しくなる。ドメスティックバイオレンス(DV)の加害者に典型的な行動パターンと言っていいだろう。

「キットチャンネル」が人気を呼び、スタッフも参加するようになると、原容疑者は木本氏に「スタッフはお前の能力が低いことに呆れている」などと説教。ことある毎に「お前は何もできない」、「お前の代わりなんて誰でもいる」、「お前は金を生み出せない」などと人格攻撃を続けた。

動画による収益は、原容疑者が管理。木本氏には小遣い程度しか渡さず、木本氏の携帯やSNSのパスワードを把握、内容をチェックした。自宅内に作られた編集室には監視カメラが設置され、木本氏の作業を見張っていた。

1日のスケジュールも完全に管理され、原容疑者は自身の携帯に玄関ドアの開閉を知らせるアプリをダウンロード。休憩時間とは異なる時間帯に、木本氏がドアが開けると、原容疑者の携帯に通知が表示された。ノルマと心労で、最近では1日に2〜3時間しか眠れなかった。

木本氏は一種の洗脳状態となり、原容疑者の指示に盲従した。「自分は能力がない」、「スタッフは全員、自分を馬鹿にしている」と思い込んだ。「うつ病になったのではないか」と心配する声もあったという。

その後も原容疑者は、スタッフの目の前で木本氏に暴力を振るうなどエスカレート。動画のクオリティが悪いと難詰し、木本氏に「正座しろ。反省文を書け」と命じることもあった。

だが、原容疑者の暴言や暴力がエスカレートすると共に、木本氏も次第に「なぜ、これほどの仕打ちを受けなければならないのか」と疑問に感じるようになった。

今年1月、動画を見た原容疑者が、いつものように罵声を浴びせると、木本氏は「精一杯やった」などと反論。激昂した原容疑者に胸ぐらを掴まれ、木本氏は首元に全治2週間の怪我を負った。

木本氏は「原容疑者と話しあおうとしても、暴力を振るわれるだけだ」と判断し、手紙を残して、共同生活を送っていた一戸建てから“家出”することを決めた。

木本氏が家を出ると、原容疑者が動画を公開して炎上したのは、冒頭でご紹介した通りだ。音信不通になった木本氏の安否よりも、チャンネル継続を心配していること、共演者を気遣う内容でありながら、動画には広告が設定され、収益化を計っていたことなどを視聴者が問題視し、批判を行ったのが炎上の原因だ。

原容疑者は「奏太がいなくなりました。」の動画で、自分が暴行を加えていたとは一言も明かしていない。今回の逮捕で「キットチャンネル」のファンがどのような感想を持つかも注目だろう。

木本氏に取材を申し込むと、言葉少なにこう語った。
「僕にとって、昔も今も、家族も同然の存在であるのは間違いありません。警察の捜査を受けるというのは非常に残念な気持ちで一杯ですが、これをきっかけに反省し、彼の今後の人生が幸せなものになることを心から祈ってやみません。もう一緒に活動することはできませんが、僕自身は新しいチャンネルで動画の配信を再開したいと考えており、そのための準備も進めています」

週刊新潮WEB取材班
『デイリー新潮』2020年3月17日掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/03171055/?all=1&fbclid=IwAR1JqB3x54iQq-qwUKF-efvMyoUV_WVgOPPKfMCNLIh2l5r-SEIz2aJCeFM
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3月19日(木)日本学術会議「トランスジェンダーの権利保障を目指して」意見交換会 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月19日(木)  晴れ  東京  22.0度  湿度46%(15時)

9時、起床。
朝食は、ダークチェリーパイとコーヒー。
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11時過ぎ、家を出る。
新丸子駅構内の「タリーズコーヒー」で早めの昼食。
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ふと隣を見たら・・・。
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東急東横線→東京メロ副都心線(明治神宮前駅乗換)同・千代田線で乃木坂駅下車。
12時半、乃木坂(六本木7丁目)の「日本学術会議」へ。
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今日、予定されていた学術会議公開シンポジウム「トランスジェンダーの権利保障を目指してー尊厳を保障するための法整備に向けてー」が延期になり、代わりに開催された意見交換会に招かれて出席。
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日本学術会議・法学委員会「社会と教育におけるLGBTIの権利保障分科会」の意見書案に意見を述べる。
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まだ「案」なので、中身については触れられないが、学術会議の意見書として6月頃に提出されるとのこと。

帰路は、運動不足なので六本木まで歩く(15分ほど)。
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東京メトロ日比谷線(中目黒駅乗換)東急東横線のルート。
自宅最寄り駅前の「ドトール」で休憩。
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17時半、帰宅。
夕食は、チキンカレーを作る。
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煮込んでない割には、まずまず。

就寝、2時。
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ハートネットTV「Our Family ~3人の子育て~」 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月18日(水)

杉山邸にお邪魔して、NHK教育テレビハートネットTV「Our Family ~3人の子育て~」(後編)を見る。

テレビに映っている父父娘と、テレビに映っている同じ部屋で、番組を見るという得難い体験をしてしまった。

お嬢ちゃん、赤ちゃんのうちは、それが自分だと認識できないようで、そっぽを向いていたが、1歳過ぎたあたりの映像から、自分であることがわかったようで、不思議そうに画面を眺めていた。

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ハートネットTV「Our Family ~3人の子育て~」(後編)
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2018年秋、ひとりの赤ちゃんが元気な産声をあげた。この子には3人の親がいる。トランスジェンダーの父親と、そのパートナーである母親。そして2人に精子を提供したゲイの親友。番組では3人の子育ての日々をドキュメント。2夜連続でお伝えする。この番組はその後編。
https://www.nhk.or.jp/heart-net/program/heart-net/1313/
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「GID学会の審議会」?? [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月15日(日)
この頃、Twitterで、性同一性障害の診断について、「GID学会の審議会」を「通った」「通らない」という話を見かけるのだけど、そんな「審議会」、GID学会の古参平会員である私は聞いたことない。

そもそも、GIDの診断は個々の専門医(精神科医)がするもの。
ホルモン投与の開始、乳房切除術、SRS適応の判断ついては複数の医師が関わる委員会、たとえば「あべメンタルクリニック」中心の「浦安ジェンダークリニック委員会」みたいな形はあるけど、それはGID学会とは関係ない。

GID学会って組織活動がとても少ない学会で、年1回の研究大会・総会、年2回のエキスパート研修会&認定医試験、あとは学会誌の編集・発行しか、やっていないと思う(理事の先生方は皆さん超多忙)。
大会で報告される予算・決算にはそれしか出てこない。

個々の当事者の診断に「審議会」という形でGID学会が関与するとは到底思えない。
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結婚中は性別変更できない 最高裁判断 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月14日(土)

「搦手」からはやはり難しかった。
正面から「婚姻平等」を求めていくしかない。

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最高裁「合理性ある」と判断 結婚中は性別変更できない要件

性同一性障害特例法に基づき戸籍の性別を変更する際の規定で、「結婚していないこと」が要件になっていることの適否が争われた家事審判で、最高裁第二小法廷(岡村和美裁判長)は「要件には合理性がある」とする初めての判断を示した。11日付の決定。

第二小法廷は決定理由で規定の趣旨について「結婚している人の性別変更を認めると、異性間のみの婚姻を認める現在の秩序に混乱を生じかねないという配慮に基づくもので、合理性がある」と指摘。幸福追求権や婚姻の自由を保障する憲法にも違反しないとした。

性同一性障害と診断された京都市内の会社経営者が女性への性別適合手術を受け、昨年2月、妻と結婚したまま性別変更の審判を申し立てた。性別変更が認められれば、結果として同性婚が成立する内容の訴えだった。(北沢拓也)

『朝日新聞』2020年3月14日 5時00分
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14402508.html?pn=2
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ジェンダーの移行には伴うテクニックをレッスンする場 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月10日(火)

ジェンダーの移行には様々なテクニック(化粧やファッションだけでなく、仕草や発声など)が伴う。
それを自分で身につけるだけでなく、言語化、マニュアル化して他者に伝授するというのは、けっこう大変なことで、間違いなくひとつの能力であり、社会的に評価されるべき仕事だと思う。

たとえば、中年以降に、男性から女性にジェンダーを移行する場合、短期間で女性ジェンダーに伴うテクニックを身につけようとしても、一人ではなかなか難しい。
その時、適切なレッスンが受けられる(西原さつきさんの「乙女塾」のような)場所があれば、ずいぶん助けになるはずだ。

そうした機能は、かつては、東京では新宿の女装系の酒場、あるいは「エリザべス会館」のような商業女装クラブが担っていた。

しかし、現在ではそれらの場は衰退してしまった。
だからこそ、新しい形で、そうした機能をもつ場所が必要だと思うし、そうした役割を仕事として評価するし、応援したい。

念のため付け加えるならば、男性から女性にジェンダーを移行するに際して、女性ジェンダーに伴うテクニックを身につける必要は特にないと考える人は、それで結構だと思う。


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性別問わないトイレ、広がる 多様性を尊重 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月4日(水)

日本女性学会の代表幹事の大学教授が何を書こうと、世の中は、おおむね真っ当な方向に進んでいく。
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(Dear Girls)性別問わないトイレ、広がる 多様性を尊重、性的少数者にも配慮

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ヘルシンキ中央図書館のトイレ。中央の手洗い場の周りに男女共用の個室がずらりと並ぶ=フィンランド・ヘルシンキ

多様性を尊重し、性別に関係なく入れるトイレが企業や東京五輪・パラリンピックの競技施設、学校などに広がりつつある。生まれた時の性別とは違う性別で生きるトランスジェンダーや、発達障害・知的障害があって異性の家族などから介助を受ける人らが使いやすくする工夫だ。企業に性的少数者への対応を呼びかける経団連の提言の中でも具体策の一つに挙げられており、今後も増えそうだ。(佐藤達弥)

 ■「安心の職場に」
東京・初台のNTT東日本の本社17階。木製の案内板に「だれでもトイレ どなたでもご利用いただけます」とある。元々あった男女別のトイレを改修し、2018年10月に設けた性別不問のトイレだ。

奥には個室四つが並ぶ。この階には全部署共用の会議室や休憩コーナーがあり、ほかに男女別トイレもないため、大勢の社員や顧客がこのトイレに入る。「使う人が好奇の目で見られないため」と同社ダイバーシティ推進室担当課長の上村雄亮さん(45)は説明する。今後は同社のビルの約40カ所に同様のトイレを設けるという。「新たなビジネスをつくるには、多様な人材が安心して働ける環境が必要です」

経団連は17年5月、「ダイバーシティ・インクルージョン(多様性・包摂)社会の実現に向けて」と題した提言を出し、性別不問のトイレ設置を具体策の一つに挙げた。性的少数者への対応を実施または検討している178の企業・団体のうち、39・3%がこうしたトイレなど職場環境の整備に取り組んでいるという。

 ■国立競技場にも
公共施設での性別不問トイレの原形は、1970年代以降に整備が進んだ車いす対応トイレだ。発達障害や知的障害があって異性の介助を受けている人や、トランスジェンダーも使うことがある。近年では親子連れが使うことも多く、車いす利用者の順番待ちが問題になった。

解決を図った一例が、東京五輪・パラリンピックの主会場となる国立競技場(東京)だ。性別や障害などに関わらず利用できる「アクセシブルトイレ」93カ所のうち、16カ所を異性の介助者との利用やトランスジェンダーを想定した個室とした。残りは車いす利用者向けのより広い個室で、利用者を分散させて混雑を減らす。

欧米では性別不問のトイレ設置が進む。米ニュースサイト「ザ・ハフィントン・ポスト」によると、2014年時点で全米150カ所以上の大学にある。英国やカナダでも、学校や公共施設に設置を求める自治体が出てきている。

18年末にフィンランドの首都ヘルシンキに完成した中央図書館では、3カ所あるトイレがすべて性別不問だ。設計に関わった職員のサム・エーベさん(32)は「トランスジェンダーだけでなく、異性の子どもに付き添いたい親たちからも要望があった。性犯罪を心配する声もあったが、警備員を巡回させており、問題は起きていない」と話す。

 ■「自分に合う、選択肢増やして」
性的少数者の就職支援などに取り組むNPO法人ReBitの薬師実芳(みか)代表理事(30)は「トイレに行きづらい環境に置かれ、職場で漏らしてしまったり、膀胱(ぼうこう)炎になったりする人もいる」と話す。薬師さんも女性の体で生まれ、男性として生きるトランスジェンダー。「トイレ利用は人権に関わります」と訴える。

住宅設備大手のLIXILと間仕切り大手のコマニー(石川県小松市)、金沢大の岩本健良准教授(ジェンダー学)が実施した調査でも、トランスジェンダーの約4割が希望するトイレを利用できていなかった。

岩本准教授は性別不問のトイレについて「異性の介助を受ける人も増えると考えられるし、親子連れにも便利」と話す。ただ、女性の間では女性用トイレのニーズが強く、「男性が使った後に入りたくない」との声もある。「自分に合ったトイレを使えるよう選択肢を増やすことが大事だ」

『朝日新聞』2020年3月3日 16時30分
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14388471.html

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