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トランスジェンダーと性別不合 [現代の性(性別越境・性別移行)]

5月3日(金・祝)

今まで、こんな形で整理して、講義などでも教えてきた。

トランスジェンダー 非病理概念 自律的
 (自称=アイデンティティ&性別越境の実質性)
性同一性障害    病理概念  他律的
 (診断基準にのっとり精神科医が診断)

それが、「性同一性障害」概念が消失し、実質的に「性別不合」に置き換わると、どうなるか?

トランスジェンダー 非病理概念 自律的
(自称=アイデンティティ&性別越境の実質性)
性別不合      医療概念  他律的
(疾患ではなくcondition 診断基準にのっとり精神科医が診断)

ちょっと対称性が崩れるが、こんな感じだろう。

ちなみに、トランスジェンダーと性同一性障害は排除的ではなく(排除的なものとする主張は誤り)、トランスジェンダーをアイデンティティとする人が、医師から性同一性障害の診断を与えられることは、今までもしばしばあった。

同様に、今後、トランスジェンダー・アイデンティティの人が性別不合の診断を受けることは珍しくないと思われる。

概念としては対置的であっても、現実には2つの概念が1人の人に重なることがあるということ。

さらに言えば、基本的に自律概念であるトランスジェンダーを法的に定義することはかなり困難。
法的に定義し、それに基づいて、権利を規定するのは、他律的概念である性別不合の方が適している。

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