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九条流の糖尿病体質遺伝? [テレビ批評(光る君へ)]

5月3日(金・祝)

「光る君へ」第17回「うつろい」

長徳元年(995)4月10日、関白・藤原道隆が「飲水病(重症の糖尿病)」で、42歳で薨去する。

中関白家の栄華の頂点で、病に倒れ、愛妻・高階貴子の手を握りながら、貴子の歌「忘しの 行末まては かたけれは けふをかきりの 命ともかな」を口ずさみながら逝く姿は哀れだった。
藤原道隆.jpg
道隆の同母の弟で、このドラマの主人公である藤原道長も晩年は糖尿病の症状が出て、それが命取り(背中にできた難治性の腫れ物)になる。
道長は62歳まで生きたから、当時の人としては短命ではないが、長兄・道隆と同じ病気ということは(次兄・道兼は疫病による急死なので糖尿病体質かどうかはわからない)、どうも糖尿病体質の家系のようだ。

この遺伝がどこから来ているのか?

道隆・道長の父・兼家には糖尿病の傾向は見られない。
享年62歳で短命ではない。

兼家の次兄・兼通(堀川関白)は、死因は不明だが享年53歳で比較的短命だった。

そして、長兄の伊尹(一条摂政)は享年49歳とさらに短命で、死因は「飲水病」と悪瘡と伝わっている。

母系のデータが不詳なので確定的ではないが、伯父の伊尹との関係からして、糖尿病体質は父系(九条流)に遺伝した可能性が高い。

となると、気になるのは、九条流の祖である右大臣師輔(道隆・道長の祖父)が享年52歳と短命だったこと。
どうも、このあたりから来ているような気がする。

ちなみに、師輔の同母兄で小野宮流の祖になった実頼は71歳、その子・頼忠は66歳、実頼の孫の実資はなんと90歳と、どちらかと言えば長命家系だった。
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