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『歴史の中の多様な「性」』刊行、正式決定! [お仕事(執筆)]

12月20日(月)

編集者さんからメールが来て、3冊目の単著『歴史の中の多様な「性」——日本とアジア 変幻するセクシュアリティ』の刊行、正式決定!

9月に原稿を送ってから、決定まで長かった・・・。
年内に正式決定してもらい、これで安心して歳が越せる。

待たされている間、11月に全文リライトした原稿を、編集者に送る。
ほぼ完成原稿なので、あとは比較的早いと思う(楽観)。


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12月20日(月)群馬大学医学部「医の倫理学」の講義資料を作る [お仕事(講義・講演)]

12月20日(月)

来年1月28日(金)の群馬大学医学部「医の倫理学」の講義(2コマ)の資料(パワーポイントとレジュメ)を作る。

(1コマ目)性別越境の歴史
(2コマ目)非典型な「性」の病理化と脱病理化

2009年に始まった群馬大学医学部の講義では「性別を移行することは『病気』なのか?―『病気』の線引きを考える―」と題して、「性同一性障害」概念とその問題性について、かなり詳しくお話ししてきた。

医学部(6年制)1年生の必修授業なので、もう2回りしたことになる。

しかし、ICD-11の施行により、「性同一性障害」概念は2021年末までで消滅することになり、もうそれについて詳しくお話しする必要はない(国家試験には絶対出ない)と考え、昨年度からは内容を大幅にリニューアルした。

来年1月の講義は、ICD-11の施行後、初めての医学・看護系での講義になる。
講義を始めた2009年は、欧米で性別移行の脱病理化議論が高まってきた頃で、それから毎年毎年、状況の変化をお話しし続けて13年、ついに、脱精神疾患化が実現した。
実に感慨深い。


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新宿二丁目で友人たちと会食 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

12月19日(日)
(続き)
1時間半ほど、「新宿ダイアログ」夜の部で、瞬ちゃんとおしゃべりしながらくつろぐ。

19時20分、新宿二丁目へ。
今夜は寒い!
二丁目の夜景も寒々。
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タイ料理屋で友人2人と会食(ミニ忘年会)。
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2021年は1月に佐藤郁夫さんが、9月末に宇佐美翔子さんが亡くなった。
一方、12月には長村さとこさんにお子さんが生まれた。
杉山文野家では2人のお子さん(3歳と1歳)がすくすく育っている。

残された(同性の)パートナーさんが、しなくてもいい悲しい思いや苦労をされないように、生まれてくる子どもたちが親と幸せに暮らせるように、「婚姻平等」を早く達成しなければいけないと、改めて思った。


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若いTrans-womanの研究者の方とお話 [現代の性(性別越境・性別移行)]

12月19日(日)

16時、「新宿ダイアログ」で若いTrans-womanの研究者の方とお会いする。
お母様が日本人、お祖父様が台湾人で、ご本人はイギリス育ちで、母国語はイギリス英語、外貌はまったく東洋系の女性という方。

2018年に来日して早稲田大学で学び、この春からある地方大学の専任教員(助教)になったとのこと。
研究テーマは、日本に住むトランスジェンダー外国人移住者。
「う~ん、研究はほとんどないですね」と言ったら、
「1つだけあります。三橋先生が指導された・・・」
「ん? ああ、あの論文、フィリピーナの・・・たしかに、私が査読しました」
やっと思い出した(無責任)。
(参考)岡田 トリシャ「日本におけるトランスジェンダーのフィリピン人エンターティナー」
   (『ジェンダー研究21』早稲田大学ジェンダー研究所紀要、2013年)

そんな会話から始まって、約2時間、お話。
ちょっとだけアドバイス。

私としては、この数年、トランスジェンダーの研究者が次々に大学の常勤職に就くようになったのが、単純にうれしい。
それと若い研究者の話を聞きながら、参考になるかもしれない昔話をするのが楽しい。
ということで、楽しい時間だった。

ところで、私が知る限り、今日の方を含め、日本のトランスジェンダーの(オープンリィな)常勤教員は5人(オープンかどうか微妙な方はカウントしていない)。
その全員がTrans-woman。
以前から、この傾向が気になっている。
なぜなのだろう?

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「港区域におけのる性的少数者の歴史」のPP資料完成 [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

12月18日(土)

必要あって、画像取り込み作業。
赤阪「ジョイ」のマダム・ジョイ。
マダム・ジョイ(赤阪「ジョイ」:『女性自身』1973年4月7日号) (2).jpg
美貌で知られ、1974年、東映映画「暴力街」(五社英雄監督)に出演するなど活躍した。
箔押し?の毘沙門亀甲柄の訪問着も実にゴージャス。
『女性自身』1973年4月7日号より

新宿歌舞伎町「ABECHAN」の亜沙美ママの日本舞踊。
亜沙美(新宿「ABECHAN」) (1) - コピー.jpg
凛とした美貌。
『ニューハーフ大図鑑』(山王社、1983年)より

これらの画像を貼り込んで、港区立男女平等参画センターの「ジェンダーの日本史」講座「港区域における性的少数者の歴史」(2022年1月16日・日曜、Zoom配信)のパワーポイント資料、完成。

自己紹介のところに、私の六本木時代(1994年)の画像も入れた(笑)
941103-1 (2).jpg941103-2(2) - コピー.jpg
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立命館大学国際言語文化研究所ジェンダー研究会「トランスナショナルな運動としてのトランスフォビア」 [現代の性(性別越境・性別移行)]

12月18日(土)

立命館大学国際言語文化研究所ジェンダー研究会の連続企画「フェミニズム × トランスジェンダー」(第4回)の清水晶子さんの講演「トランスナショナルな運動としてのトランスフォビア」を視聴。

私が数年前から言っている「宗教右派と(一部の)フェミニストがトランスジェンダー排除の一点で連携する」という観察に基づく予言を、きっちり理論的・学問的にお話されて、とても勉強になった。

そして、2018年頃から急激に高まる日本の反トランスジェンダー運動が何を参照したのか(何に示唆されたのか)も、かなり明らかになったと思う。

私くらいの世代だと、すでに1990年代のヨーロッパのラディカル・フェミニズムにトランスジェンダー排除の言説があることは、一部翻訳が入ってきて知っていた。

問題は、そうした言説が、2010年代後半になって、なぜイギリスで復活し一定の影響力をもつようになったのか?
そこらへんの経緯と構造(背後で誰が焚き付け資金援助をしたのか)を、清水さんは明確に語ってくださった。

また、イギリス(カナダを含む)と大陸欧州諸国、イギリスとアメリカの状況(メディアの姿勢)の違いもよくわかった。
あとは、まだ不明な部分が多い韓国フェミニズムの影響の実証だろう。

「宗教右派と(一部の)フェミニストがトランスジェンダー排除の一点で連携する」という現象は、世界的なもので、日本でもフェミニズム系の大学教授がバックラッシュの実践者である山谷えり子参議院議員の発言や、そのイデオローグある八木秀次教授の論考を肯定的に評価するという現象がみられる。
今日の清水晶子さんの講演は、トランスジェンダーの尊厳・人権・生活・命を守るために、敵をよく知って備えるという意味で、とても有益だった。

ありがとうございました。


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戦後の放火大量殺人事件 [事件・事故]

12月18日(土)

戦後の放火大量殺人事件。

放火殺人は、凶悪犯罪であり、犯人が逮捕された場合は、ほぼ死刑になっている。
ただ、放火の疑いが濃厚でも犯人逮捕に至らず未解決の事例もある。
今回の、大阪心療内科放火殺人事件は、死者の数で3番目になってしまった。

2001年9月1日 新宿歌舞伎町ビル火災 死者44人
放火の疑い濃厚も犯人特定できず未解決

2019年7月18日 京都アニメーション放火殺人事件 死者36人
犯人逮捕、裁判いまだ開始されず

2021年12月17日 大阪心療内科放火殺人事件 死者24人+
容疑者確保

2008年10月1日 大阪個室ビデオ店放火事件 死者16人
犯人に死刑判決、未執行

1990年3月18日 長崎屋尼崎店火災 死者15人
放火の疑い濃厚も犯人特定できず未解決

2015年5月17日 川崎市簡易宿泊所火災 死者11人
放火の疑い濃厚も犯人特定できず未解決

1957年10月27日 昭和郷アパート放火事件 死者8人
犯人に死刑判決・執行

1959年7月22日 岩槻一家7人殺害事件 死者7人
犯人に死刑判決

1980年8月19日 新宿西口バス放火事件 死者6人
犯人に無期懲役(心神耗弱)、服役中に自殺

2000年6月11日 宇都宮宝石店放火殺人事件 死者6人
犯人に死刑判決・執行

2001年5月8日 武富士弘前支店強盗殺人・放火事件 死者5人
犯人に死刑判決・執行

2009年7月5日 大阪大阪此花区パチンコ店放火殺人事件 死者5人
犯人に死刑判決、未執行

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宮岡謙二『娼婦 海外流浪記ーもうひとつの明治ー』 [性社会史研究(遊廓・赤線・街娼)]

12月17日(金)
宮岡謙二『娼婦 海外流浪記ーもうひとつの明治ー』(三一新書、1968年)。
宮岡謙二『娼婦 海外流浪記ーもうひとつの明治ー』 (1).JPG
宮岡謙二『娼婦 海外流浪記ーもうひとつの明治ー』 (2).JPG
明治時代を中心に、日本人娼婦の海外渡航の実態を数多くの文献を駆使して明らかにする、
北はシベリア、南はスマトラ、ジャワ、西はアフリカ・ザンジバル、東はハワイ、カルフォルニア。

著者は在野の研究者で、戦前は「大阪商船」の社員として在外勤務が長く、戦後は九州別府の名門ホテルの経営者。

民俗学者の谷川健一が長い解説を添えている。

この本、それほど古いものではないが、なぜか今まで手に入らなかった。
高かった(5000円)けど、ようやく入手。
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長瀬とも子『看護婦生活』 [性社会史研究(一般)]

12月17日(金)
長瀬とも子『看護婦生活』(文藝書院、1911年)。
永瀬とも子『看護婦生活』(1912年) (2).JPG永瀬とも子『看護婦生活』(1912年) (3).JPG
明治末期、東北地方から上京して看護婦になった女性の手記。
草創期の看護婦の実際(養成・勤務)を示す貴重な資料だと思う。

数年前から神奈川県立健康福祉大学で、年に1回2コマだけ、看護師の卵に講義している。
その内の1コマでは、看護婦制度の歴史と派出看護婦のセクシュアリティについて話している。

この本の著者は、派出看護婦として付き添った金満家の跡取り息子に好意を抱き、退院祝いの夜に性的な関係を持ってしまう。

講義の資料として、まさに打ってつけで、自分でも良い勘をしていたと思う(高かったけど、7000円)。
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津田加壽子『男たちとの夜ー赤線女給十年の手記ー』 [性社会史研究(遊廓・赤線・街娼)]

12月17日(金)

津田加壽子『男たちとの夜ー赤線女給十年の手記ー』(あまとりあ社、1957年6月)
津田加寿子『男たちとの夜』 (1957年)(1).JPG
津田加寿子『男たちとの夜』 (1957年)(4).JPG
「赤線」新吉原・従業婦の手記の体裁の実録風小説。
すべて事実かは不明だがリアリティは高い。
拙著『新宿「性なる街」の歴史地理』(朝日選書、2018年)でも、参考資料として使った。
今まで、全文コピーしか持っていなかったが、今日、書籍として入手。
しかもカバーだけでなく帯まで完存(うれしい)。
津田加寿子『男たちとの夜』 (1957年)(3).JPG
こういう感じの本だったのか、と納得。
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