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「はりまメンタルクリニック」の年別戸籍診断書数の変化 [現代の性(性別越境・性別移行)]

12月30日(木)

「はりまメンタルクリニック」の年別戸籍診断書数の変化

 年  FtM MtF  計  比率
2016  134  36 170  3.72:1
2017  123  36 159  3.42:1
2018  107  40 147  2.68:1
2019  104  40 144  2.60:1
2020   63  45 108   1.40:1
2021  44  28  72  1.57:1

「コロナ禍」前の2019年と比べて2021年は半減。
FtMが57.7%減に対して、MtFは30%減で、減少幅にかなり差がある。

針間先生が指摘しているように、20代前半のFtMが急減していて、しかもその傾向は「コロナ禍」以前の2019年にすでに現れている。

ただ、LGBTコミュニティティ内に20代前半のFtMがそれほど増えたか?というと、やや疑問。

20代後半のFtMも、ピークの2018年(61人)から、2021年(21人)と3分の1近くに減っていることを見ると、00年代末から約10年間続いたFtMの「戸籍変更ブーム」が終息しつつあると見ることができるかも。

針間先生が書いた戸籍変更診断書の17年間のデータを見ると、MtFが最多37人(2015年)、最少14人(2007年)と比較的コンスタントなのに対し、FtMは最多134人(2016年)、最少9人(2005年)と変動がきわめて大きい。
00年代末から始まる戸籍性別変更者の急増と、10年代末に始まる減少傾向は、もっぱらFtMの増減によって担われていることが推定される。

ちなみに「はりまメンタルクリニック」のデータは、一医療機関のデータではあるが、質量ともに優れ、日本全体の戸籍性別変更の傾向を十分に推測できる。

詳しくは下記。
https://annojo.hatenablog.com/archive/2021/12/29
https://annojo.hatenablog.com/archive/2021/12/30
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北丸家の忘年会 [交友]

12月30日(木)
(続き)
副都心線で新宿三丁目に移動。
大混雑の「伊勢丹・地下」で赤ワインを購入。
よくわからないので、ソムリエの言うまま。

タクシーで外苑西通りへ。
18時、北丸雄二さんのお家の忘年会へ。
北丸さんのお手製料理をいただきながら、北丸さんはもちろん、同席の鈴木賢さん、北丸さんの『愛と差別と友情とLGBRQ+』を出した「人々舎」社長の樋口聡さん、『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』の著者の川本直さんなど、いろいろな方とお話しできて、とても楽しかった。
川本さんとは、直にお会いするのはたぶん2013年以来8年ぶり。

ローストポーク
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ぶり大根
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オリーブご飯。これ、予想以上においしかった。
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それに、北丸家の2匹の猫ちゃんを撫でられたので幸せ。
大きな黒猫さん
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小さな雉猫さん
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北丸さん、ごちそうさまでした。
お招き、ありがとうございました。

23時前、辞去。
タクシーで渋谷駅へ。
0時前、帰宅。



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12月29日(水)おゆうちゃんの家でミニ忘年会 [交友]

12月29日(水)

14時半。家猫さんと近所の魚屋さんへ。
お正月用の食材、いくら、数の子、小肌、松前漬けなどを購入。

家猫さんを置いて、駅へ。

16時過ぎ、猫魔ヶ淵の野猫さんの家に到着。
届いたばかりの「薬」4シート、「うきうき楼」の女将さんからいただいたお餅5切、銘仙2枚を運ぶ。

温かな寄せ鍋、お刺身で、もてなしてくれた。
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久しぶりなので、4時間以上もおしゃべりして、とても楽しかった。

最後にぎゅ~~~っと抱きしめて、辞去。
よいお歳を。


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東京23区でM3.4、最大震度3

12月29日(水)

ドンと音がする縦揺れ、横揺れはごくわずか。
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11時34分頃、震源地は東京23区(杉並区付近)、深さ30km、地震の規模はM3.4、最大震度3.

うちは、体感で震度2、気象庁発表で震度1。
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円安進行で、「薬」代高騰 [日常]

12月29日(水)

12月1日に発注して、3日に入金した「薬」が、経由地の台湾に着いたという情報の後、なかなか届かず、かなりやきもき。

やっと、今日(29日)の昼前に届いた。
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円安で、10シート(280錠)で、15411円。
今年1月は12757円、4月が13251円、7月が14747円、12月が15411円。
円安が一本調子で進行しているのがよくわかる。

今回は、1錠当たり55円、1日2錠で110円、1ヵ月30日で3302円。

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12月28日(火)箱根・大涌谷。 [旅]

12月28日(火)
箱根・大涌谷。
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今まで見た内で、いちばん噴気盛大。
「大丈夫かな?」と思うくらい。
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まあ、とても寒かったから、その分、水蒸気が白く見えたのだと思いたい。

箱根・大涌谷上空から、富士山。
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雲からかろうじて頭を出してくれた。

【追記】気になって調べたら、箱根・大涌谷の噴気活動、やはり活発化しているようだ。
寒さのせいでは、なかったみたい。

私よりずっと大涌谷にたくさん来ている家猫さんが「こんにゃの、初めて見たにゃ」と言っているのは、間違っていなかった。
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箱根・大涌谷で活発な噴気活動「火山灰など突発的噴出に注意」 火山噴火予知連

火山ガスの噴出が続く大涌谷の自然研究路。シェルターなどが整備され、立ち入り規制の緩和が検討されている=15日、箱根町

国の火山噴火予知連絡会(会長・清水洋九州大大学院特任教授)は27日の定例会合で、全国の火山活動の評価をまとめた。噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)の箱根山(神奈川県箱根町)については「大涌谷で活発な噴気活動が続いているため、火山灰などの突発的な噴出に注意する必要がある」とした。

評価によると、箱根山では7月ごろから山体膨張の地殻変動が観測されたが、8月ごろに停滞。火山活動活発化の先行的な現象のため警戒されたが、「地震活動は低調に推移し、噴気や火山ガスにも顕著な変化はなかった」としている。

『神奈川新聞』2021年12/27(月) 20:21配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/1735c80fcfbae455901e093fbcf070b96f948653?fbclid=IwAR1weltBl_PfLcHKyv4mL3Sy-W1MBycXyB7ELSpUmF5HOHUgMkqVOMMabGI
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箱根「萬岳楼」 [旅]

12月27日(月)

箱根「萬岳楼(ばんがくろう)」。
強羅と仙石原を結ぶ「ひめしゃら林道」の途中の森の中にある一軒宿。
専用のバス停留所が近くなると、車内にも硫化水素の臭いがする。
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2018年の暮、ネットで見かけて泊まって以来、お料理と温泉が気に入って、ほぼ毎年、行っている。
今回で4回目。
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いつもは別館のお部屋なのだが、今回は本館のお部屋に案内される。
どうも、私が予約した時、部屋の指定を間違ったようだ。
いつもよりかなり広く(12畳+8畳)、家猫さんが微妙に落ち着かない様子(笑)。

お風呂は、内湯は、いつもの別棟よりやや狭い。
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その分、露台に樽風呂がある。
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完全露天で、空を見上げながら入ると、気持ち良い。
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周囲には塀はないが、森の中なので問題なし。
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お湯は、箱根特有の白濁硫黄泉のかけ流し。
泉質は酸性-カルシウム・マグネシウム-硫酸塩・塩化物泉、昔の言い方だと石膏泉(酸性-含塩化土類石膏泉)。
源泉温度は64.7度、pH2.9。
陽イオンはカルシウムイオンが50%、ナトリウムイオンが21%、マグネシウムイオンが19%、他に第一鉄イオン、アルミニウムイオンなど。
陰イオンは硫酸イオンが76%、塩素イオンが21%、硫化水素イオンが3%。
非解離成分はメタケイ酸(H2SiO3)が213mg/kg。
成分総量は1013mg。

初日3回、翌日5回、計8回入った。
それだけでも、足の具合がずいぶん良くなった。

暇とお金があれば、3~4泊したい。
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12月27日(月)「箱根ラリック美術館」 [旅]

12月27日(月)

この数年の恒例、年末の箱根湯治旅。

仙石原の「箱根ラリック美術館」へ。
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ルネ・ラリック(René Lalique、 1860~1945年)は、19世紀末~20世紀前半に活躍したフランスの工芸家で、ガラス工芸に始まり、宝飾デザイン、さらに、室内装飾にまで及ぶ。

範囲の広さと、アール・ヌーボーからアール・デコにかけて長くトップクラスを保ったフランスを代表する偉大な工芸家。

この美術館には、ラリックの作品、約1,500点が収蔵されているが、中でも注目は、ラリックが室内装飾を担当し、豪華列車「オリエント急行」に使用された「コートダジュール型プルマン車(No.4158E)」(1928年製)。
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それにしても、客車の実物を1両まるまるヨーロッパから日本に持ってきてしまうお金持ちってすごい!
ちなみに、美術館の創立者・簱功泰(はた かずやす)氏は、映画興行などで財をなした人。

予約して、2200円を払うと、車内の見学ができる。
ということで、家猫さんと乗車。

車内の壁面には、豊穣の象徴である蒲萄とニンフをモチーフにした、ラリックのガラスパネルが各所にはめ込まれてまれていて、さすがは1等車、実に豪華な雰囲気。
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車内では、ティーセット(紅茶もしくは珈琲とお菓子)が供される(2200円の料金の内)。
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今期のお菓子は、クレームダンジ(やわらかなクリームチーズケーキ)、苺のソース添え。
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束の間、ちょっぴり「オリエント急行」に乗った気分。
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実は、私、ここにオリエント急行の客車があるなんて、知らなかった。
今回は、家猫さん(実は「神奈川県高等学校文化部連盟鉄道研究専門部幹事」という要職にある)が「一度、見てみたいにゃ」ということで見学できた。
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2021年を振り返って [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

12月26日(日)

2021年を振り返って
【慶事】
李琴峰さんの『彼岸花が咲く島』、第165回芥川賞受賞(7月)。
北丸雄二さんの『愛と差別と友情とLGBRQ+』出版(8月)。「紀伊國屋じんぶん大賞」2位(12月)。
東海林毅監督の映画『片袖の魚』の大成功(7月~)。
同性婚訴訟、札幌地裁が初の違憲判断(3月)。
長村さとこさん、赤ちゃん誕生(12月)。

【悲しかったこと】
佐藤郁夫さん(1月)と宇佐美翔子さん(9月)の逝去。

【微妙】
「LGBT理解増進法」案、国会上程できず、事実上廃案(6月)。

【凶悪】
トランスジェンダーの社会的排除言動の活発化。

【私事】
3冊目の単著の出版(岩波書店)決定(12月)。
「性風俗雑誌・アーカイブ」(丸善雄松堂)の制作決定(4月)。
都留文科大学・関東学院大学の非常勤講師、退任決定(11月)。
キャンディ・ミルキィ師のトークライブの司会・進行をできたこと(7月)。
【予言】
来年秋ごろ、「異性装」ミニブームが到来。


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「LGBT差別禁止」84社が明文化 100社調査 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

12月26日(日)

これが建前でなく本当ならうれしいことだけど、現実には、トランスジェンダーへの就労差別は、まだまだひどいと聞いている。

その点、LGBとTとの状況の差はかなりある。

現状、3都県(茨城県、東京都、三重県)しかない「性的指向及び性自認を理由とする差別」禁止条例を、増やしていくこと。
そして、国レベルでの、包括的な差別禁止法の成立につなげること。

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「LGBT差別禁止」84社が明文化 100社調査、課題も浮かぶ

LGBTなど性的少数者の権利を守る取り組みについて国内主要100社にアンケートしたところ、「差別禁止の明文化」が8割を超えた。大企業で取り組みが進みつつある一方で、課題も浮かぶ。性的少数者の苦悩は見えにくくニーズの把握は難しい。法律の整備など国による後押しが足りない、との指摘も多い。

幅広い業種の大企業100社を対象に朝日新聞が11月後半に尋ねた。性的少数者に関する取り組みについて、実施済みや実施予定の施策を複数、挙げてもらった。

「差別禁止の明文化」が最も多い84社。「社内研修の実施」が81社、「相談窓口の設置」が75社だった。「同性パートナーにも配偶者と同じ福利厚生を一部または全て適用」は51社だった。

損害保険大手、SOMPOホールディングスの桜田謙悟社長は「同性パートナーを配偶者とみなし、配偶者として制度を使えるように、住宅手当、慶弔休暇、介護、育児休業などを見直している」と話す。

電機大手、NECも「配偶者」の対象に事実婚やパートナー関係にある相手を追加。同性婚を含む事実婚も法的な婚姻関係と等しく扱えるように社内の規定を改めた。

課題も聞いた。
「当事者のニーズや意見を把握するのが難しい」とした企業が70社あった。日本生命保険の朝日智司専務は「L、G、B、Tはそれぞれの事情が異なり、意識も違う。ニーズをつかむことに課題を感じている」とした。

「法整備など国による後押しが足りない」は34社。野村ホールディングスは「国レベルでの差別禁止などの法整備がなく、地方では理解も不足している」と指摘。地方支店で勉強会などを開いているという。

性的少数者の差別を禁止する法律はない。同性婚は法律上認められていない。性的少数者への理解を増進しようという法案の国会への提出を、自民党は今年見送った。否定的な意見が党内に根強かった。

一方、自治体では同性カップルを公的に認める「パートナーシップ制度」が広がりつつある。性的少数者の権利拡大に取り組むNPO法人「虹色ダイバーシティ」によると、導入自治体は約130にのぼり、人口では日本全体の4割をカバーするが、地域差はある。

食品大手、味の素は「パートナーシップの証明書を発行する自治体としない自治体があり、居住地で不平等が生じる」と指摘する。

〈LGBT〉 レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(生まれた時に割りあてられた性別と自認する性別が一致しない人)の頭文字を取った言葉。性的少数者はこれらに限らない。電通が昨年末に全国6万人を対象に実施した調査では、性的少数者に該当すると8・9%が答えた。

〈同性パートナーシップ制度〉 同性カップルの関係を公的に認める自治体の制度。2015年に導入した東京都渋谷区は、区内の企業などにパートナーシップ証明の「十分な尊重」と「公平かつ適切な対応」を求めている。虹色ダイバーシティによると、これまでに全国約130の自治体が2200組以上のカップルを公的に認めた。法律上の婚姻とは異なり、子どもの共同親権、所得税や相続税の配偶者控除などは認められない。

「施策があるのと使えるかは別の問題」
 LGBTなど性的少数者の権利を守ろうとする取り組みが、大企業で進みつつある。権利の保護に取り組むNPO法人、虹色ダイバーシティ(大阪市)の村木真紀代表は大企業の取り組みを歓迎しつつ、中小企業や地方へ広げていくことなどを課題に挙げる。

――性的少数者を守るため、実施済みもしくは実施予定の取り組みを朝日新聞が主要100社に聞いたところ、「差別禁止の明文化」が8割超にのぼりました。

「差別禁止の明文化や相談窓口の設置、社内研修の実施といった取り組みの広がりは、虹色ダイバーシティの調査などでも確認できていますが、朝日新聞の今回の調査では、大企業が調査対象になっていることもあって、割合がずいぶん高いと評価できます。性的少数者の権利を守る取り組みは、企業が従業員をどれだけ公平に扱おうとしているか、世界の人権課題にどれだけ敏感かという、企業姿勢のバロメーターでもあります」

――大企業で取り組みが進み始めたのはいつごろからですか。

「2015年以降です。同性カップルを公的に認める同性パートナーシップ制度を、東京都渋谷区と世田谷区が導入したことが大きかったです。これまでに同じ趣旨の制度を導入した自治体は約130に上り、日本全体の人口の4割ほどをカバーしています。そこに事業所のある企業は制度を無視できなくなるし、制度をきっかけに福利厚生を求める人もいる。当事者からの声が自治体にも企業にも要望として届くようになりました」

――主要100社に課題も聞くと「当事者のニーズや意見を把握するのが難しい」との指摘が7割の企業から出ました。

「施策をとっている企業でも、LGBTなど性的少数者から申し出がない、相談窓口を設けても相談にきてくれない、と悩む声はけっこうあります。施策があるのと、それを使えるくらい環境がいいかは別の問題です。制度を使える状況ではない、使うメリットよりもカミングアウトするリスクの方が高い、という事情もあると思います」

「LGBTが職場でカミングアウトする相手はだれなのか。虹色ダイバーシティの調査では、上司よりも同僚や部下の方が多い。取引先やお客さままで全面的にカミングアウトしている人は、まだまだ少ない。それはハラスメントの多さとも関係しています。いじりやからかいを含む差別的言動、アウティング(本人の同意なく性に関する情報を公表すること)、性的経験などプライベートなことを聞く、カミングアウトを強要させるといった被害の声が届いています。LGBTのメンタルヘルスはよくなっておらず、自殺率も高い。そこの改善には、まだ至っていません」

「LGBTなど性的少数者には、自分は社会に認められない、公平に扱われないのではないか、という疑念があります。会社が本当にやる気なのか、を見ています。施策を積み上げていくことは大事だと思います」

「パートナーシップ制度、混乱は起きていない」
――具体的に教えてください。

「同性パートナーに家族としての福利厚生を適用すること。トランスジェンダーが自認する性別で働けるようにすることです。ニーズを知るために先行企業で実施しているのが、LGBTやアライ(性的少数者の社会課題に対してともに行動する人)による従業員グループをつくり、そこから声を吸い上げるやり方です。グループでランチ会をしたり、オンラインで研修を企画したりするところもあります。当事者が言い出しにくい、声を聞きにくいイシューなんだということを前提として施策を組み立てる必要があります」

――課題として「法整備など国による後押しが足りない」を挙げた企業が34社ありました。

「東京のような大都市圏で、大企業で施策が進む一方、地方、そして中小企業で働くLGBTが取り残されている現状があります。だからこそ、差別を禁じ、同性婚を認める法律の整備が必要なんです。現状では、各地に従業員を抱える企業が従業員を公平に扱えない。ビジネスにも悪影響が出ます」

「LGBTがハラスメントを受けるのは、社内からだけではありません。お客さまや取引先からも受けることがある。その意味でLGBTの従業員はまだまだ守られていません」

「15年以降にパートナーシップ制度の導入が広がって言えることは、同性同士の関係を認めることで社会に混乱は起きていない、ということです。同性婚を認めることに反対される方は『慎重な検討を』とおっしゃいますが、もう十分、証明されたのではないかと私は思います」

「結婚していなくても、LGBTであっても、シングルマザーでもシングルファーザーでも、職場で不利に扱われないと確信できないといけない。LGBTであることが不利にならないということを、経営トップが自分の言葉で、繰り返しメッセージとして伝えていかなくてはいけないと思います」(土居新平)

『朝日新聞』2021年12月26日 6時00分
https://digital.asahi.com/articles/ASPDT54BTPD7ULFA00N.html?pn=16&unlock=1#continuehere
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