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「社会文化史データベース―性風俗稀少雑誌コレクション」の書誌解題 [お仕事(執筆)]

3月31日(木)
「3月まで」という約束の「「社会文化史データベース―性風俗稀少雑誌コレクション」収録の戦後性風俗雑誌の書誌解題」の原稿(24800字)を編集者さんに送信。4

たいへんだったけど、約束は守った。

「社会文化史データベース―性風俗稀少雑誌コレクション」(丸善雄松堂、6月リリース予定)の私の解説は、一般向け(6300字)と専門的なもの(25000字)と、2本になった(合計約31000字)。

最初は、たしか合わせて8000字くらいのはずだったのに。
Web版で頁数の制約がないと、こうなる(笑)


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国際トランスジェンダー可視化の日 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月31日(木)

今日、3月31日 は「国際トランスジェンダー可視化の日 International Transgender Day of Visibility」。
と言っても、「隠居」の私は何もしないのだが。

ところで、先日、インタビューの依頼があった北海道放送、私の講義風景や街を歩いているシーンも撮りたいとのこと。

別に撮ってもいいのだけど、足が痛い高齢トランスジェンダーがよろよろ歩いている画像、珍しいかぁ?
と思うのは東京の感覚で、地方だと、トランスジェンダーが普通に働いていたり、街を歩いていることから、認識を始めないといけないのかもしれない。

でも、私の故郷・秩父は北関東の小さな街(人口6万人)だけど、お墓参りに帰った時には、街で買い物をするし、馴染みの喫茶店にも行く。
先日もタクシー運転手や、蕎麦屋のおばさんとけっこう長話していた。

さらに言えば、1990年代後半から00年代前半まで、トランスジェンダーの仲間たちと、全国各地を旅行したけど、嫌な思いはほとんどしなかった。

そんな思い出からしても、トランスジェンダーの社会認知度が、地方でそんなに低いという実感がどうも乏しい。
まあ、そういう人は「都会から来る人で、地元にはいない」という認識はあるだろうが。
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戸籍名変更の問題 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月31日(木)
最近、戸籍名変更の問題を目にするが・・・。

(永年使用ではなく)性同一性障害を主な理由にする戸籍名の変更(しかも中性的な名前ではない)が最初に認められたのは1998年の静岡家裁の審判。

それまでは「永年使用10年」が基準だったのが、3年程度の使用実績で通るようになった。

私は「(性同一性障害による)名前の変更マニュアル」を作って、自助グループの集会で配布した。
もう23~24年前の話で、今になって問題化するのは、かなり意外。

家庭裁判所の審判結果は、判例にはならず、個々の家裁(審判官)の判断に委ねられるとはいえ、はっきり言って逆行(バックラッシュ)だと思う。

【追記】ある友人は、1999年4月に2年間の使用&フルタイム生活のみ」で、東京家裁で通ったとのこと。
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生活の困窮による路上売春女性の増加 [現代の性(一般)]

3月月31日(木)

生活の困窮による路上売春女性の増加を伝えるNHKニュース。

新宿歌舞伎町の場合、日本人に限れば、00年代になって携帯電話を使い喫茶店などで客待ちする形態に移行し、路上での客待ちはほとんど姿を消したはず。

それが復活しているということは、喫茶店のコーヒー代すら払いたくないほど困窮度が高いということか。
社会的な関心が薄いのも問題。

【追記】ある方の教示によりと、このエリアに立つ女性が目立つようになったのは「10年代後半くらいから」とのこと。
一度、ほとんど消えて、復活してしまったというところに、日本社会の問題(階層分化をともなう貧困化)があると思う。

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コロナ禍で生活困窮女性の売春増 警視庁が支援担当者配置へ

新型コロナウイルスの影響で生活に困窮した女性が都内の繁華街で売春を行うケースが増えたことなどを受けて、警視庁は取締まりとは別に、来月から検挙された女性を対象に自治体の相談窓口に同行するなどの支援を専門に行う担当者を配置することになりました。

警視庁によりますと、新宿や池袋などの繁華街では初めての緊急事態宣言から半年ほどがたったおととしの秋以降、路上で売春を目的に客待ちをする女性が急増しました。

売春防止法で禁止されているため取締まりの対象になりますが、生活の困窮などを理由に、検挙された後も再び路上に立つ女性が後を絶たないのが現状だということです。

こうした中、警視庁は取締まりとは別に、来月から検挙された女性の支援を専門に行う担当者を保安課に新たに配置することになりました。

具体的には本人の生活状況や希望などを聞き取ったうえで担当者が自治体の相談窓口に同行し、仕事や住まいなど生活の立て直しをサポートするということです。

検挙された女性の中には生活保護などの制度を知らなかったり、支援を受けることをためらったりする人も多いということで、警視庁は取締まりと合わせて相談窓口に確実につなぐことで売春を防ぎたいとしています。

警視庁によりますと、警察が売春を行う女性の支援に特化したポストを設けるのは全国で初めてだということです。

急増する売春 取締まりの様子を取材
NHKは今月22日、警視庁が東京・新宿歌舞伎町で行った取締まりの様子を取材しました。

この日は、東京など18の都道府県に適用されていたまん延防止等重点措置が解除された翌日で、仕事帰りのサラリーマンなど多くの人が訪れていました。

歌舞伎町にある公園のそばの路上では、午後7時すぎからスマートフォンを片手に売春の客待ちをしているとみられる女性の姿が目立つようになりました。

その後は近くを通りかかった男性が女性に次々に声をかける姿が見られ、一緒にホテル街の方向へ歩いて行く様子も確認できました。

路上で売春の相手を勧誘するなどの行為は売春防止法で禁止されていて、取締まりの対象となります。
この日、警視庁は路上に立つ女性たちの様子を確認したあと、捜査員が長時間立っていた1人の女性に声をかけました。

そしてホテルの近くまで来たところで売春が目的であることを確認し、その場で逮捕して捜査車両に乗せていました。
警視庁によりますと、繁華街の路上で売春の客待ちをする女性は初めての緊急事態宣言から半年ほどがたったおととしの秋以降、特に増えたということです。

このため、取締まりや指導を強化していますが、生活の困窮などを理由に検挙されても再び路上に戻ってしまうケースが後を絶たないのが現状で、中には「感染拡大の影響でまとまった収入が得られなくなり、路上に立ち始めた」と話す女性もいるということです。

警視庁保安課の担当者は「従来の取締まりだけでは路上での売春を防ぐことは難しいと感じており、今後は自治体などと連携しながら警察としてできる支援にも取り組んでいきたい」と話しています。

売春繰り返す女性「今が精いっぱいで先のことは考えられない」
おととしから都内の繁華街で売春を繰り返し、警視庁から指導を受けたこともあるという30代の女性がNHKの取材に応じました。

女性は新型コロナウイルスの感染が拡大したおととしの春から新宿や池袋の路上に立ち、売春の客待ちをするようになりました。

日没から日によっては終電の時間まで客待ちをしていて、数日分の生活費などが稼げればいったんやめ、現金がなくなると再び路上に立つという生活を続けてきたといいます。

女性は売春を始める前に家族と疎遠になり実家を出ていたということで「きょう泊まる場所にも困るということが少なくなかったので、そんな時は雨が降ってもずっと客を待っていました」と話しています。
しかし去年の夏、新宿の路上で客待ちをしていた時に売春防止法違反の疑いで警視庁に任意で事情を聴かれ、売春をやめるよう指導を受けたということです。

その際、警察官から行政の相談窓口が書かれた資料を手渡されましたが、女性は窓口を訪れることはなく、去年の秋から再び路上に立っているということです。

窓口を訪れなかった理由について、女性はこれまで安定した仕事に就いたことがないとして「別の仕事で生活できるならとっくにやっているという思いがありました」と説明しています。

また、売春が法律に違反することは理解しているとしたうえで「このままでいいのかどうかは分かりませんが、今が精いっぱいで、先のことは考えられません。住むところがあるだけで違うので、部屋を借りるための支援などがあればいいなとは思っていました」と話していました。

専門家「関係機関どうしの連携強化を」
警視庁の新たな取り組みについて、女性の貧困などの問題に詳しい城西国際大学福祉総合学科の堀千鶴子教授は「コロナ禍で非正規雇用が多い女性の生活は困難が増している。そんな中、売春の摘発や取締まりをして終わりではなく、女性たちが支援を求めているのだということを警察が理解し、取り組みを進めることは一定の評価ができる」と指摘しています。

そのうえで「女性が必要とする支援の形は多様で、警察だけで対応するのは難しい。行政や民間の支援団体など関係機関どうしの連携を強化し、確実に支援につなげられる体制が構築されることを期待している」と話していました。

「NHKニュース」2022年3月30日 8時24分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220330/k10013558231000.html?fbclid=IwAR3uhGsUFpz0FAeZJDhalA5EMmWu7KoXFBN8D7CCLKpsqo6ybX6tK4XhMkA
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3月29日(火) [旅]

3月29日(火)

家猫さんと、毎年恒例の年度末の一泊旅行。
いつもは伊豆だけど、今回は房総へ。

お天気が良くないのが残念。
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トランスジェンダーが望みの性別で健康に生きるための医療を [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月28日(月)

知人のTrans-manさん、頭痛が続くと思ったら、血圧が255-150で、MRIを撮ったら脳内出血(脳出血)とのこと。

幸い、脳出血は軽微で、ICUから一般病棟に移ったとのことだが、まだ30歳前後なのに、この病態は普通じゃない。

高単位の男性ホルモンを長期間投与するTrans-manについては、もう20年以上前から循環器ー血管系への負荷(悪影響)が指摘されてきたが、臨床データが十分になく、いまだに「人体実験」状態。

そうした疑念が、彼の身体にあらわれてしまったのではないか?と思うと、かなりショック。

早い回復を祈るとともに、男性ホルモンの継続投与の危険性をちゃんと見直すべきだと思う。
性別移行のため(だけ)の医療ではなく、トランスジェンダーが望みの性別で健康に生きるための医療であって欲しい。


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北硫黄島近海で海底火山「噴火浅根」 [地震・火山・地質]

3月28日(月)

南硫黄島近くの海底火山「福徳岡ノ場」が再噴火したのかと思ったら、北硫黄島の西約7キロの海底火山「噴火浅根」の噴火だった。
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北硫黄島近海で海底火山が噴火、7000mの高さまで噴煙
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気象衛星ひまわりが観測した「噴火浅根」の噴煙(28日午前0時頃、気象庁提供)[コピーライト] 読売新聞 気象衛星ひまわりが観測した「噴火浅根」の噴煙(28日午前0時頃、気象庁提供)

小笠原諸島・北硫黄島の西約7キロの海底火山「噴火浅根」が27日午後、噴火した。気象庁は周辺海域に噴火警報を発表し、噴石や噴煙、軽石などの浮遊物への注意を呼びかけている。

気象庁によると、気象衛星ひまわりの観測では、27日午後6時頃から噴煙が確認され、午後11時半頃に約7000メートルの高さまで上がった。28日午前も噴煙を上げ続けている。火山灰は火口から北東方向に流されており、東京都小笠原村母島の南海上まで到達すると予想される。

小笠原諸島では昨年8月、南硫黄島近くの海底火山「福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)」が噴火。大量の軽石が沖縄県や伊豆諸島などに漂着する被害が出た。噴火浅根は1930年代から45年にかけて複数回噴火した記録がある。

『読売新聞』 2022年03月28日 12:18
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マーガレットさんと [交友]

3月27日(日)

代官山「アマランスラウンジ」でマーガレットさんと。
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元気な姿で、また会えてうれしかった。
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(解説)「東南アジアの 伝統的・土着的な サード・ジェンダー文化」 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月27日(日)

ベトナム映画「フウン姉さんの最後の旅路」の上映の後、私が「東南アジアの 伝統的・土着的な サード・ジェンダー文化」と題して1時間ほどの解説をした。
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女装の芸能者が、祭礼や市など人が多く集まる場所(ほとんど野外空間)に出向いて、芸能(歌・踊り)を披露して生計を立てるという点では、インドのヒジュラと似ている点が多い。

ただし、ヒジュラはテリトリーがあり、フウン姉さんの一座のように漂泊集団ではない。

村々を巡回する漂泊の女装芸能集団という形態は、朝鮮王朝の男寺党(ナムサダン)に似ている。

ただし、男寺党で重要な収入源だった女装の少年(ピリ)の男色売春のようなセックスワークは、フウン姉さんの一座では認められない(もともとあったが、規制されている可能性はある)。

形態的に完全に一致するわけではないが、アジアに広く存在した伝統的・土着的な、芸能の要素が強いサード・ジェンダー文化の形態であり、ベトナムにおけるその最後の姿と見るべきだと思う。

現在、アジアのサード・ジェンダー文化は、それを支えてきた伝統社会の変容(近代化)とインターネットの普及による「性のグローバリゼーション」(西欧現代文化の文脈への読み替え)によって、本来の形を失いつつあり、危機に瀕している。

フウン姉さんの一座の苦境も、広く観れば、その一つの現れである。

伝統的・土着的なサード・ジェンダー文化の側からすれば、ゲイ、レズビアン、トランスジェンダーといった概念や「LGBT」という枠組みも、西欧現代文化の文脈であり、「性のグローバリゼーション」の一環である。
その押し付け的な適用は、固有の文化へ変容を迫る抑圧となる。

現在、多くのアジア諸国では、伝統的・土着的なサード・ジェンダー文化に、欧米由来のLGBT概念が「接ぎ木」される形になっている。
しかし、必ずしも「接ぎ木」はうまくいっていない。

たとえば、インドネシアの南スラウェシでは、伝統的な社会・文化(イスラム教)が、近年流入してきた「LGBT」概念に対して西欧思想とみなし強い警戒と反発を抱いている。
その巻き添えで、従来、サード・ジェンダーとして社会に包摂されていたワリア(女性的男性)の人々の社会的状況が急激に悪化してしまった。
「接ぎ木」はまったくうまくいっていない。

【参照】伊藤眞「LGBTとワリアのはざま―南スラウェシにおけるワリアスポーツ芸能大会中止事件から」(『社会人類学年報』45、2019年)

では、日本はどうなのか?
「接ぎ木」は必要なのか? 必要でないのか?
2015年以降の日本の「LGBT」運動は、伝統的・土着的なコミュニティと、うまく「接ぎ木」(接続)できたのか?
もう一度、考えてみる必要があると思う。

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Edoさん、いつものことながら、ありがとうございました。

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3月27日(日)「フウン姉さんの最後の旅路」上映会 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月27日(日)

代官山「アマランスラウンジ」で、ベトナム映画「フウン姉さんの最後の旅路」(2014年)の上映会。
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フウン姉さんを座長に、ベトナム南~中部の街を巡って興行する女装の芸能者集団を、女性監督が1年にわたって同行取材・撮影したドキュメンタリー。
実に豊かな内容をもつ、教えられるところの多い作品だった。

女装の芸能者集団と言っても、体質的にかなり女性的なフウン姉さん(顔貌や喉仏が見えないことなどからDSDsかもしれない)や、舞台だけで女装するかなり男性的な座員、日頃から女性の服装のTrans-woman的な座員など、かなり多様。

それは、アジアの伝統的・土着的な「性」の形態(ジェンダー&セクシュアリティの在り様)であり、彼女たちにゲイか、トランスジェンダーかという欧米由来の概念をかぶせることは、有効ではないように思った。

主人公の座長フウン姉さんは、亥年(1971年)の生まれ。
撮影時には40歳だった。
私より16歳も年下だ。

しかし、1年間のドキュメンタリー映像の後半になると、横になっているシーンが増える。
インタビューに答えるのもハンモックに横たわった姿勢でだし、一座の仲間との打ち上げでも横になって弟子に身体を揉ませている。
仕事の疲労ではなく、あきらかに体調に異変が起こっていることを感じた。
お酒の飲み方からして、肝機能障害か?と思ったのだが・・・。

「最後の旅路」という題名は、ベトナム社会の近代化の中で、状況的に旅回り興行が続けられなくなったのだろうと、映画を観るまで私は思っていた。
それもあるのだが、現実はもっと悲しい結末だった。

旅回りの小屋の中に仏像を祀り祈りを欠かさず、時には寺院を訪れて僧尼と語り(おそらく喜捨もしている)、「出家したい」と言っていた熱心な仏教信者だったフウン姉さん、きっと仏の御許に行けたと思う(合掌)。



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