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3月13日(日)第23回GID学会・研究大会(2日目) [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月13日(日)  晴れ  東京  19.5度  湿度56%(15時)

第23回GID学会・研究大会(2日目)
【特別講演】井上章一(国際日本文化研究センター所長)
「女になりすました武人たち ―日本の歴史とジェンダーと―」
すでに「性欲研究会」で聞いていた話なので、内容的には安心して聴いていたけど、やっぱり井上先生の話はGID学会向けではない(笑)

【シンポジウム 3】「トランスジェンダーと競技スポーツ」
内容は勉強になったが、そもそもの話、このテーマでシンポジストにTrans-womanがいないのは、いかがなものか?と思う。

あと、スポーツにおける性別トラブルの歴史で、日本の事例が1つも出てこないのはなぜなのだろう?
私が知る限り、1950年代に3例あり、私が論文で書いている。
いすれも、本来の性別が男性の選手が、性別の誤認で女子競技に参加し、圧倒的に「好記録」になった事例。

論文は、三橋順子「性転換の社会史(1) -日本における「性転換」概念の形成とその実態、1950~60年代を中心に-」 (矢島正見編著『戦後日本女装・同性愛

【シンポジウム 4】「gender identity disorderからgender incongruenceへ ~ICD-11の理解をふまえて~」
歴代の大会長による、今回、いちばん、GID学会らしいシンポジウム。
①康純(関西大学保健管理センター)「2008年からの12年間で、性別に対する違和感の概念はどう変化したか」
時系列的な変化、とくに2015年以降に「性同一性障害」概念からトランスジェンダー概念への変化が加速することが、よくわかった。

②東優子(大阪府立大学)「TGDの性の健康:非病理化とハームリダクションという考え方について」
いつもながら、最新の知識を提供していただき、ありがたかった。
TGD(Transgender and Gender-Diverse)という新しい概念の紹介。
 トランスジェンダーとジェンダーの多様な人々
ハームリダクション・アプローチ
ハーム(危害/被害)+リダクション(低減・縮減)
依存症治療など公衆衛生分野で提唱される。
特定の行動を止めさせることを目的にするのではなく、特定の行動が引き起こす、健康上・社会上の様々なリスクを減らすことを優先する考え方(方法)。

③針間克己(はりまメンタルクリニック)「ICD-10 性同一性障害からICD-11性別不合へ 脱病理化の中で精神医療の果たす役割」
精神科医の役割
 「実感したジェンダー(≒gender identity)」の確認
 鑑別診断

④中塚幹也(岡山大学)「『性の健康に関連する状態』としての性別不合」
医療モデル → 医療モデル(小文字)+生活モデル
生活モデルの構築が今後の課題。




第23回GID学会・研究大会(Zoom)終了。
・次回、第24回大会の開催地の予告なし(まだ決まっていない?)
次年度、リアル開催ができるのか?
多額の経費負担、コロナ・リスク(リアル開催不能)を考えると、引き受ける理事がいるのか?

・会名変更についての言及なし(3年続けて「総会」が開催できないので)
このまま(GID学会のまま)、会名変更をせず、ずるずる引き延ばす悪い予感。
日本だけが、国際的な疾病マニュアルから完全に消えた「GID」をいつまでも使い続ける、「流行病から風土病」へ。

13時10分~17時40分、4時間半。
講演1本、シンポジウム2本。
疲れた。
やっぱり、Zoom配信で視聴するのは、リアルで聴くより、疲れる。
視力の問題かなぁ。


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