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1950年代のガリ版刷りの女装画 [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

3月4日(金)

日本最初のアマチュア女装秘密結社「演劇研究会」(1955~58年)の会誌『演劇評論』21号(1958年)の口絵「夏化粧」(伊集院明山)。
演劇評論21号の口絵 - コピー.jpg
ガリ版で絵を描く技術(鬘の質感など)、すばらしい。

この作品、今秋、某区立美術館の企画展で展示される予定。

1950年代の女装は、和装、日本髪(鬘)、水白粉の和化粧が主流。
縁側に鏡台を出して、すでに鬘を被り、裸で化粧中。
愛人の男が襟白粉を塗って手伝っている。

鏡台の化粧品、風鈴、団扇、洗面器、豚形の蚊取り線香立て、細かに描かれている。
「豚さん」、私の世代には懐かしい。

『演劇評論』22・23合併号号(1958年)の口絵「朝化粧」(伊集院明山)。
演劇評論22・23合併号の口絵.jpg
「二周年記念特集号」で豪華二色刷りだが、これで力尽きたのか、この号で『演劇評論』は休刊になってしまう。

この作品も、今秋、某区立美術館の企画展で展示される(かも)。

愛人の男が寝ているうちに早起きして、化粧を直すのは、当時の女装者のたしなみ。
1990年代までは、そう躾けられた。


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