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3月27日(日)「フウン姉さんの最後の旅路」上映会 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月27日(日)

代官山「アマランスラウンジ」で、ベトナム映画「フウン姉さんの最後の旅路」(2014年)の上映会。
フウン姉さんの1.jpegフウン姉さんの2.jpeg
フウン姉さんを座長に、ベトナム南~中部の街を巡って興行する女装の芸能者集団を、女性監督が1年にわたって同行取材・撮影したドキュメンタリー。
実に豊かな内容をもつ、教えられるところの多い作品だった。

女装の芸能者集団と言っても、体質的にかなり女性的なフウン姉さん(顔貌や喉仏が見えないことなどからDSDsかもしれない)や、舞台だけで女装するかなり男性的な座員、日頃から女性の服装のTrans-woman的な座員など、かなり多様。

それは、アジアの伝統的・土着的な「性」の形態(ジェンダー&セクシュアリティの在り様)であり、彼女たちにゲイか、トランスジェンダーかという欧米由来の概念をかぶせることは、有効ではないように思った。

主人公の座長フウン姉さんは、亥年(1971年)の生まれ。
撮影時には40歳だった。
私より16歳も年下だ。

しかし、1年間のドキュメンタリー映像の後半になると、横になっているシーンが増える。
インタビューに答えるのもハンモックに横たわった姿勢でだし、一座の仲間との打ち上げでも横になって弟子に身体を揉ませている。
仕事の疲労ではなく、あきらかに体調に異変が起こっていることを感じた。
お酒の飲み方からして、肝機能障害か?と思ったのだが・・・。

「最後の旅路」という題名は、ベトナム社会の近代化の中で、状況的に旅回り興行が続けられなくなったのだろうと、映画を観るまで私は思っていた。
それもあるのだが、現実はもっと悲しい結末だった。

旅回りの小屋の中に仏像を祀り祈りを欠かさず、時には寺院を訪れて僧尼と語り(おそらく喜捨もしている)、「出家したい」と言っていた熱心な仏教信者だったフウン姉さん、きっと仏の御許に行けたと思う(合掌)。



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