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「ほとぼりが冷めたから」で済む話ではない [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月6日(火)

Transgender Japan(TGJP)が「延期」になっていた「東京トランスマーチ2023」を3月31日に挙行すると発表した。
正直、驚いている。

まるで何もなかったかのように(いまだに被害者への謝罪もないのに)、「東京トランスマーチ2023」をやるって、すごいな(褒めてない)というのが第一印象。

まあ、世の中には性加害への認識が乏しい人もいるから、それなりの人は集まるだろう(数100人規模)。

しかし、TGJP共同代表による「あの事件」と、その後の組織的対応の拙劣さに、トランスコミュニティの多くの人たちがどれだけ困惑し、失望し、そして怒りを覚えたか・・・。

事件から1年、発覚から半年、「ほとぼりが冷めたから、そろそろ・・・」で済む話ではない。

TGJPの基本姿勢は「無謬」。
自分たちは常に正しい。
だから、批判する側がすべて悪い。
そこには、反省、謝罪、自浄という意識がない。
組織防衛がなにより最優先。
世間的常識とはかなり違った意識を持つ「人権」団体。
そう思って対処するしかない。

性被害を受けた方の告発や、支援者の批判に真摯に向き合わないのも、自分たちが「無謬」だから。
自分たちが「無謬」で固定されているので、それに対置される告発・批判する側が「悪い」となっていく。
「あの夜」何が起こったのかの事実認定に意識が向かないのも、そもそも自分たちは「無謬」だから。

社会の中でより脆弱な立場に置かれている人(ここでは性被害を受けた人)が、いつの間にか、加害者側の人間として表象される現象を「想像的逆転(imaginary inversion)」と言うが、まさにそれ。

女性が性被害者、男性が性加害者とされる事例では、「その程度のことで告発した女が悪い」という男性論理がしばしば見られる(例「松本事件」)。
それをトランスジェンダーの人権擁護を掲げる団体がやってしまうことの問題性をもっと重く考えるべきだ。

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