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「GID特例法」改正問題は現実的な議論を [現代の性(性別越境・性別移行)]

5月6日(月・祝)

2023年10月25日の最高裁「違憲」判決以降、「GID特例法」の改正問題は、喫緊かつ現実的な問題になった。
この状況で、なおイデオロギー優先の主張をするこは非現実的であるだけでなく、より良き成案を得るためにはむしろ有害だと思う具体的に言えば、戸籍の性別変更に一切の制約をつけない事実上の「届け出制」(アルゼンチン方式)は、日本社会の現実や制度の乱用スクを考慮すれば、現実的な選択としては困難であると考える。

肝要なことは、社会生活上、戸籍の性別変更を必要とする人たちの法益を守りつつ、法改正にともなう社会的リスクを可能な限り減らすには、どのような改正案がベターかということだ。

最高裁判決が「自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由が、人格的生存に関わる重要な権利」と認定し、さらに、性同一性障害者にとって「性自認に従った法令上の性別の取扱いを受ける」ことが「重要な法的利益」と認めたことは、極めて重要で、これに反する立法は困難である。

さらに、日本国憲法は「男女平等」が大原則であること、特定の属性の人たちを社会的に排除するような立法は、人権的にあり得ないこと、などを考えれば、現実的な法改正の幅は、かなり狭まる。
つまり「落とし所」はそれほど広くないということだ。

現行の成人要件と非婚要件に、新たに加えるとしたら、性別不合の診断と、一定期間のRLE(望みの性別での社会生活経験)の観察くらいだと思う。
ホルモン投与の義務化は、身体への侵襲の問題があり、要件化するのは難しいだろう。

工夫する余地があるとすれば、性別不合の診断の信頼性をどう高めるか、経過観察の実効性をどう担保するかだと思う。

繰り返しになるが、法改正は、社会生活上、戸籍の性別の取り扱い変更が必要な人々のためであり、必要が無い人にまで間口を拡げることではない。

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