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岩手「黒石寺蘇民祭」来年2月を最後に1000年以上の歴史に幕 [生活文化・食文化・ファッション文化論]

12月5日(火)

このニュース、かなりショック。

あちこちの村落の祭礼・儀式が過疎化で、人知れず消えていったのは、この20~30年の現象だが、いよいよ「黒石寺蘇民祭」のような知名度のある祭礼まで、継続不能になるとは・・・。

祭礼の場合、ほぼ必ず宗教・信仰が絡むので、行政が介入して維持をはかるのが難しいのだ。

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岩手「黒石寺蘇民祭」来年2月を最後に1000年以上の歴史に幕

岩手県奥州市の寺に伝わる祭りで、1000年以上の歴史があるとされる「黒石寺蘇民祭」が、担い手不足から、来年2月の開催を最後に終了することになりました。

岩手県奥州市水沢の黒石寺に伝わる「黒石寺蘇民祭」は、下帯姿の男たちが「蘇民袋」と呼ばれる麻袋を奪い合う伝統行事で、1000年以上の歴史があるとされています。

毎年2月に夜を徹して行われ、およそ3000人が訪れますが、コロナ禍による中止を経て、ことし2月、3年ぶりに執り行われました。

この祭りについて黒石寺は5日、来年2月17日の開催を最後に今後、執り行わないと発表しました。

藤波大吾住職は「祭りの中心を担う関係者の高齢化と担い手不足により、祭りを維持していくことが困難な状況になった」と説明しています。

祭りは例年、夜から明け方まで行われますが、来年の最後の祭りは午後11時までとし、再来年以降は祭りではなく、住職が祈とうなどをする形に改めるとしています。

藤波住職は「これまで長きにわたり、ご尽力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。蘇民祭を楽しみにしてくださっている皆様には大変申し訳ありませんが、ご理解いただきたい」と話しています。

「NHKニュース」2023年12月5日 16時21分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231205/k10014278661000.html
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KADOKAWAの差別本、刊行中止に [現代の性(性別越境・性別移行)]

12月5日(火)

KADOKAWAから、来年1月24日発売予定の『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』が刊行中止に。

とりあえずは、よかった。
もし、刊行され差別的な認識が広まったら、また数多くのトランスジェンダーの命が失われるところだった。
差別言説は人を殺す。

でも、どこかの差別扇動出版社が、刊行を受け継ぐような気がする。

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学芸ノンフィクション編集部よりお詫びとお知らせ

来年1月24日の発売を予定しておりました書籍『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』の刊行を中止いたします。

刊行の告知直後から、多くの方々より本書の内容および刊行の是非について様々なご意見を賜りました。
本書は、ジェンダーに関する欧米での事象等を通じて国内読者で議論を深めていくきっかけになればと刊行を予定しておりましたが、タイトルやキャッチコピーの内容により結果的に当事者の方を傷つけることとなり、誠に申し訳ございません。

皆様よりいただいたご意見のひとつひとつを真摯に受け止め、編集部としてこのテーマについて知見を積み重ねてまいります。
この度の件につきまして、重ねてお詫び申し上げます。

2023年12月5日
株式会社KADOKAWA
学芸ノンフィクション編集部
https://www.kadokawa.co.jp/topics/10952



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思春期前後の性別違和についての私見 [現代の性(性別越境・性別移行)]

12月5日(火)

「GID学会」の最古参会員である私が知る限り、日本では、子ども(思春期以前)の性別違和に、積極的に介入しようとする医療者はほとんどいない。

そもそも、子どもの性別違和は確定診断が困難であり、「受容的見守り」しかないというのが、大方のコンセンサスだと思う。

思春期以後については、「思春期ブロッカー」の仕様、15歳からクロスホルモンの投与がガイドラインで認められいる。

しかし、多くの医療者が積極的かというと、必ずしもそうではないと思う。
私(医療者ではないが)は、15歳からのクロスホルモン投与は「早すぎる」と思っている。

ちなみに、拙著には以下のように述べている。
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三橋順子『これからの時代を生き抜くためのジェンダー&セクシュアリティ論入門』(辰巳出版)141頁

質問:思春期以前に身体と逆の性ホルモンを投与したら、どうなりますか?

答え:少年なら男性化(声変わり、骨格形成)、少女なら女性化(初潮、乳房の発達)をある程度、抑制することはできます。ただ、医療倫理的にそうした措置は認められていません。日本では、性同一性障害の診断があれば、思春期以降、性ホルモンの作用を薬でブロックして第二次性徴の発現を遅らせ、15歳になってから、生物学的性とは逆の性ホルモンを投与することは「治療」として認められています。ただ、思春期以前の段階で性同一性障害の確定診断は困難という説もあり(私はその立場)、なかなか難しい問題です。

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三橋順子『これからの時代を生き抜くためのジェンダー&セクシュアリティ論入門』(辰巳出版)168頁

質問:思春期以前の性同一性障害の確定診断が困難というのは、その時点でなんらかの違和感があっても自然と解消されてしまうことがある、ということでしょうか?

答え:そうです。思春期以前(小学校時代)にかなり強い性別違和を感じながら、思春期以後に徐々に緩和するケースは、とりわけ女子ではしばしばあります。大学の講義のリアクション・コメントで、そうした体験を語ってくれる受講生が毎年のようにいます。
もし、そういう人を思春期以前に「性同一性障害」と診断して、「治療」のコースに乗せてしまったら、それは誤診・過剰医療になってしまうということです。



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