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「経産省職員トイレ使用制限訴訟」最高裁判決、原告が逆転勝訴 [現代の性(性別越境・性別移行)]

7月11日(火)

「経産省職員トイレ使用制限訴訟」の最高裁判決、トイレの使用制限を認めた人事院の対応は違法と判断。
使用制限を認めた東京高裁判決を棄却。
5人の裁判官全員一致の結論で、実質的に原告の逆転勝訴。
https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/191/092191_hanrei.pdf

【判決文】
「人事院の判断はほかの職員への配慮を過度に重視し、職員の不利益を軽視したもので著しく妥当性を欠いている」

最高裁が上告審で弁論を開く場合、控訴審(高裁)の判決が見直されるケースが圧倒的に多い。
その点で、逆転勝訴は予想していた。
めったに裁判の傍聴には行かないが、今回は行きたかった。
残念ながら大学の講義日で、判決が出た時間はまだ講義中。

この訴訟、提訴は2015年秋で、8年越しの裁判。
原告の長年にわたる裁判闘争のご苦労を知るだけに、最後に報われてほんとうに良かった。
私も、ずいぶん長く、そして何度も、このブログで取り上げてきた訴訟で、感慨深い。

ただし、この判決、あくまでも性同一性障害の人に対するもので、トランスジェンダー全体に及ぶものではない。
また、経産省という職場における限定的なトイレの使用に関するもので、公衆トイレなどに一般化できるものではない。
その点、十分な注意が必要。

【今崎幸彦裁判官の補足意見】
「なお、本判決は、トイレを含め、不特定又は多数の人々の使用が想定されている 公共施設の使用の在り方について触れるものではない。この問題は、機会を改めて 議論されるべきである。」

【参考】
2023年7月12日「古い枠組みの訴訟」
https://junko-mitsuhashi.blog.ss-blog.jp/2023-07-12-2
2023年6月22日「「経産省職員トイレ使用制限訴訟」判決が及ぶ範囲」
https://junko-mitsuhashi.blog.ss-blog.jp/2023-06-23-3
2023年6月20日「「経産省職員トイレ使用制限訴訟」の論点」
ttps://junko-mitsuhashi.blog.ss-blog.jp/2023-06-21-2
2021年5月28日「「経産省職員トイレ使用制限訴訟」の高裁判決(原告敗訴)」
https://junko-mitsuhashi.blog.ss-blog.jp/2021-05-29-1
2019年12月12日「(メモ)経産省職員、女性トイレ使用制限問題訴訟(東京地裁判決)の要点」
https://junko-mitsuhashi.blog.ss-blog.jp/2019-12-13
2019年12月12日「性同一性障害の経産省職員にトイレ使用制限、国に賠償命令 東京地裁」
https://junko-mitsuhashi.blog.ss-blog.jp/2019-12-12-3



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「日比谷図書文化館」の講座のご案内 [お仕事(講義・講演)]

7月10日(月)

千代田区立「日比谷図書文化館」の講座のご案内
日比谷塗色文化館講座.jpg
「多様な「性」を考える ー日本の歴史と世界の文化に探るー(全2回)」
9月1日(金)19時~
10月13日(金)19時~

本日より予約開始とのことです。
聴講、ご希望の方は、お早めにご予約ください。
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「目からウロコが落ちる」は最大の褒め言葉 [お仕事(執筆・成果)]

7月10日(月)

『歴史の中の多様な「性」』、もうじき刊行一周年。
Twitterでこんな感想を見かけた。
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夕月新三朗 @shinzayuduki
歴史の中の多様な「性」 三橋順子/岩波書店
せんどぶりに「目からウロコどんどん落ちる」書物に遭遇したど。もぅ、読みながら、へぇ!なんと!そないなことが!  と声出しそうになるんで、人前ではなかなか読めへん。それほど面白い!
https://twitter.com/shinzayuduki/status/1678216140642820099
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私にとって「目からウロコが落ちる」は最大の褒め言葉。
ありがとうございます。

ちなみに「せんどぶり」とは、播州弁で「久しぶり」のこと。



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