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映画「パーフェクト・ノーマル・ファミリー」を観る [現代の性(性別越境・性別移行)]

1月25日(火)
パーフェクト・ノーマル・ファミリー.jpg
映画「パーフェクト・ノーマル・ファミリー」(マルー・ライマン監督、デンマーク、2020年)の主人公、「大好きなパパ」の女性への移行を受け入れられず、拒絶し、戸惑い、葛藤する9歳の少女エマ(配役:カヤ・トフト・ローホルト)は、マルー・ライマン監督の投影。

つまり、ライマン監督の家庭で実際に起こった出来事を映画化した作品。
いわば「再現ドラマ」であり、映画技法的には「オートフィクション(自伝的創作)」であることが、この作品の大きな特色。

さらに、ライマン監督の誕生時から幼女時代のプライベート・ビデオが何度も挿入され、「完璧にノーマル」な家族だった時代と現在の混乱した家族の状態とが対照される。

混乱・葛藤するエマとは対照的に、父親の女性移行を、比較的すんなり受容していく(ように見える)4歳年上の姉カロリーネのクールさにも注目。

女性移行する父親役には、国際的にも評価されている男優・ミケル・ボー・フルスゴーを起用。
「トランスジェンダーの役はトランスジェンダーの役者に」ではないが、男性から女性への移行プロセスを演じるには、ふさわしい起用だったと思う。

この点は、監督も「トランスジェンダーの役者を起用しようと考えたことはありません」とはっきり言っている。
属性で配役を固定するのではなく、監督が適任だと考える役者を起用するのがいちばんだろう。

豊胸したバストや女性化した顔立ちは、特殊メイクを使って表現いる。

テーマ的にも、娘の視点で父親の性別移行を描いた映画は稀で、また映画技法的にも斬新で、もっと評価されていい作品だと思う。
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1月25日(火)横浜「多文化映画祭」へ [現代の性(性別越境・性別移行)]

1月25日(火)

横浜・黄金町の「シネマ・ジャック&ベティ」で開催中の「多文化映画祭」で上映されている、父親のトランスジェンダー(女性移行)を9歳の娘の視点から描いた映画「パーフェクト・ノーマル・ファミリー」(マルー・ライマン監督、デンマーク、2020年)を観る。
多文化映画祭.jpgパーフェクト・ノーマル・ファミリー.jpg

とても良い映画だった。
なのに観客は私を入れて5人。
こういうご時勢とはいえ、あんまりな惨状。

で、上映後のトークライブ、お客さんは1名。
自己最低タイ記録。
急遽決まったことで、広報が不十分とはいえ、どれだけ人気がないのだ(泣)。

自己新記録(0名)を免れたのは早乙女さんのお陰。
ありがとうございました。
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