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トランスジェンダー受け入れの女子大学のその後 [現代の性(性別越境・性別移行)]

8月12日(木)

「全ての学びたい女性に開かれているのが女子大。それは、戸籍上の女性に限らないということ」(お茶の水女子大学:三浦徹副学長)

「女子大は性の問題に抑圧を感じている人にとっての避難所であり、それを組織的に研究する拠点でもある」(奈良女子大学:三成美保副学長)

「生まれた時の性別が男性で、性自認が女性のトランスジェンダーの学生の受け入れが今春、お茶の水女子大(東京)と奈良女子大の国立2大学で始まった。実際に入学したかどうかは明らかにしていない。」

「同大(お茶の水女子大学)では、受験前に申告書を出してもらい、性自認の確認や、受験時や学生生活を送る上での態勢などについて必要があれば面談をする形にした。医師の診断書は必須ではない。」

【追記】
同じ内容のツィートに12時間足らずで、「いいね」が381、リツイートが147。
トランスジェンダーの社会的排除を主張する「フェミニスト」の大反対にもかかわらず、世の中的には、支持されていると思う。
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「心は女性」、受け入れた女子大は お茶の水、医師の診断書求めず/奈良、多目的トイレを更衣室に

生まれた時の性別が男性で、性自認が女性のトランスジェンダーの学生の受け入れが今春、お茶の水女子大(東京)と奈良女子大の国立2大学で始まった。実際に入学したかどうかは明らかにしていない。来春は宮城学院女子大でも始まる。受け入れを検討する女子大が増える中、大学側に当事者を保護する取り組みを求める声もあがる。

 「全ての学びたい女性に開かれているのが女子大。それは、戸籍上の女性に限らないということ」

この4月、トランスジェンダー女性の受け入れを始めたお茶の水女子大の三浦徹副学長はそう話す。同大は2018年7月に受け入れを表明。19年4月に対応ガイドラインを制定し、準備を進めてきた。

受け入れにあたっては「性自認が女性である」ことをどう認定するかが問われた。同大では、受験前に申告書を出してもらい、性自認の確認や、受験時や学生生活を送る上での態勢などについて必要があれば面談をする形にした。医師の診断書は必須ではない。「性自認は変化する。あえて多面的にした」と同大は説明する。

受け入れを表明する前に学生に説明会を複数回開いてきた。「(トランスジェンダー女性と)どう接すればよいのか分からない」といった声も多くあったが、説明会を重ね、学生からの質問や疑問の声は今はほとんどないという。

ハード面では、多目的の「だれでもトイレ」を主要な建物に整備。個室の更衣室も設けた。三浦副学長は「トランス(ジェンダー)女性でなくても、周囲の目がある所で着替えるのは嫌だと感じる学生はいる。全ての学生にとってより過ごしやすいキャンパスにしたい」と話す。

奈良市の奈良女子大もこの4月から受け入れを始めた。出願の1カ月前に事前面談で性自認を確認。医師の診断書など、性自認を証明する書類が一つあればいいという。

同大では18年から全教員対象の研修を開いたり、学生向けの説明会をしたりして準備を進めてきた。多目的トイレを工事して更衣室にも使えるようにするなど、設備面も整えた。ジェンダー法学が専門の三成美保副学長は「女子大は性の問題に抑圧を感じている人にとっての避難所であり、それを組織的に研究する拠点でもある」と言う。

 ■学生、多様性学ぶランチ会
学生側にも動きがある。昨春、性の多様性を考えるサークル「ならてぃぶ」が発足。性的少数者の当事者会と、当事者に限らず誰でも参加できるランチ会を週1回ずつ開く。共同代表で大学院生の岡本佳奈さん(23)は「お互いのセクシュアリティーをむやみに否定しないとか、基本的なことを広めていきたい」。

私大でも、日本女子大(東京)が今年、24年度からトランスジェンダー女性を学部と大学院で受け入れると発表。仙台市の宮城学院女子大では来春から、学部で受け入れる。昨年9月には「共生のための多様性宣言」を発表。「流動的な意味も含む女性すべてを守り、それぞれが自分らしく生きられるよう背中を押すことが、本学の使命のひとつ」とした。

出願の際に医師の診断書は求めない。トランスジェンダーを装う受験生が現れる可能性は低く、WHO(世界保健機関)が昨年、性同一性障害を「精神疾患」から外すと決めたことも受け、「診断書はそぐわない」と判断したという。戸野塚厚子・副学長は「受け入れを不安に思う学生には、トランスジェンダー女性は女性であって男性ではないことを説明してきた。学生たちによる勉強会なども盛んになっている。全ての学生がその人らしくいられるキャンパスにしたい」と話す。

 ■高まる機運、当事者保護に力を
朝日新聞と河合塾が昨年行った「ひらく 日本の大学」調査によると、回答した66女子大のうち、トランスジェンダー女性について「受け入れる(時期も決めている)」「受け入れる方針」「受け入れる方向で検討中」は9校。「検討中」の30校と合わせると39校で、6割近くに上った。

トランスジェンダー男性で、東京レインボープライド共同代表理事の杉山文野さん(39)は「属性によって教育を受ける権利が奪われないことが大事。今の流れは非常に評価できる」と話す。今後の課題としてあげるのが、入学したトランスジェンダー女性へのハラスメントの防止だ。周囲の理解のなさから手術の有無や性的な話を聞かれることが少なくないという。「他人の性に関する情報を同意なく明かす『アウティング』の防止も求められる。キャンパスでともに学びながら、誰もが安心して通えるための取り組みを大学に期待したい」と話す。(山下知子、宮崎亮)

『朝日新聞』2020年8月11日 5時00分
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14583000.html?fbclid=IwAR03SlwoB5GgW1N3ThnKKAlD3Vb_oNbj3jR_ylXmM4Hh-bCdAKLt1X-IOa0
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