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男性ホルモン値高い女子の出場制限認める スポーツ仲裁裁判所 [現代の性(一般)]

5月1日(水・祝)

う~ん、難しい問題。

女子競技の公平性と選手の人権をどうバランスをとるか。

Trans-womanの女子競技参加が、男性ホルモン値で規制されている現状では、先天的に男性ホルモン値が高い「アンドロゲン過剰症」の女性にも、同様の制限を課すのは、バランス上、仕方がないと思う。
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男性ホルモン値高い女子の出場制限認める スポーツ仲裁裁判所

男性ホルモンの値が高い女子選手が、国際大会に出場することを制限する国際陸上競技連盟の規定は差別に当たるなどとして、南アフリカの女子選手が規定の無効を求めている問題で、CAS=スポーツ仲裁裁判所は選手の訴えを退け国際陸連の規定を認める裁定を下しました。

国際陸連は、男性ホルモンの一種「テストステロン」が筋肉増強など競技力向上につながるとして、このホルモンの値が高い女子選手に対して、薬を服用するなどして一定の値まで下げないかぎり、国際大会への出場や記録の承認を行わないとする規定を設けました。

これに対して生まれつき「テストステロン」の値が高い体質で、リオデジャネイロオリンピックの陸上女子800メートルの金メダリスト、南アフリカのキャスター・セメンヤ選手が、去年6月、規定は差別に当たるなどとして無効を求める訴えをCASに起こしました。

CASはセメンヤ選手や国際陸連、それに専門家などから聞き取りを行うなどして審理した結果、1日、規定は差別的ではあるものの、限られた種目の中で公平性を保つという国際陸連の目的を考えると、規定は合理的な手段だとして、セメンヤ選手の訴えを退け国際陸連の規定を認める裁定を下しました。

一方でCASは、薬などでホルモンの値をコントロールする中で意図しない違反が生じる可能性など運用面での不安を挙げ、問題が生じたときには国際陸連が適切に対応するべきだと指摘しました。

CASは裁定に不服がある場合は30日以内にスイスの連邦裁判所に異議の申し立てができるとしています。

セメンヤ選手とは
キャスター・セメンヤ選手は、南アフリカ出身の28歳。2012年のロンドンオリンピックと、2016年のリオデジャネイロオリンピックの陸上女子800メートルで金メダルを獲得したほか、世界選手権でも3回の金メダルに輝いています。

しかし、初めての金メダルを獲得した2009年の世界選手権でのレースでは、2位に大差をつけてフィニッシュしたことや、筋肉質な体格などから、性別を偽っているのではないかという疑いの目を向けられ、その後、生まれつき、男性ホルモンの一種、「テストステロン」の値が高く、一般女性のおよそ3倍あることが分かりました。

テストステロンの値が高い状態は医学的には「アンドロゲン過剰症」と呼ばれていて、リオデジャネイロ大会にはセメンヤ選手のほかにも、陸上女子100メートルの予選にこの症状があるインドの女子選手が出場しました。

裁定を受けてセメンヤ選手は、みずからのツイッターに「何も反応しないほうがいい時もある」と投稿しました。

国際陸連「合理的と認められうれしい」
国際陸上競技連盟は、CAS=スポーツ仲裁裁判所がセメンヤ選手の訴えを退けて連盟の規定を認める裁定を下したことについて、「規定が必要なもので、合理的な手段だと認められたことをうれしく思う」とコメントし、今月8日から規定の運用を始めると発表しました。

また、運用にあたってCASが指摘した不安要素については、「規定は定期的な見直しを続けるほか、選手に対しては気配りと思いやりを持って引き続き対応していく」と答えました。

国連人権委 規定に憂慮の決議
議論となった国際陸上競技連盟の規定をめぐっては、国連の人権理事会がことし3月、厳しく非難する決議案を採択していました。国連はことし3月21日にスイスのジュネーブで開いた人権理事会で、セメンヤ選手の出身国である南アフリカが中心となって提案した決議案を採択しました。

決議では、「国際陸連の規定は国際的な人権の規範や基準に沿っておらず、正当で客観的な証拠にも欠けている。この規定が今後もたらす影響についても憂慮している」として、厳しいことばで非難していました。

「NHKニュース」2019年5月1日 20時48分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190501/k10011903421000.html



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コメント 2

似た症状の通りすがり

ホルモン量だけ見て受容体の感受性を評価しないのは不公平かつ非科学的と思う
セメンヤさんみたいな症状だと先天的に男性ホルモン量が高くてもMtFほどの有利性はないように思うなあ
骨格や筋肉量をみても「鍛えた女性」の範疇に収まりそうな感じだし
彼女がMtFに負けるまではあまり真剣に考えてくれないのかも
by 似た症状の通りすがり (2019-05-04 08:53) 

三橋順子

似た症状の通りすがりさん、いらっしゃいま~せ。

たしかに、ホルモン量だけでなく、受容体も評価すべきです。
セメンヤ選手の場合、(見た限りですが)骨格・骨量は女性の範囲だと思います。
ただ、競技における圧勝の程度は「鍛えた女性」の範囲に収まっているかは、かなり微妙です。
競っている女子選手の間に、強いアンフェア―感があるのは、女子競技の公平性という観点で、国際陸連も無視できないのだと思います。
by 三橋順子 (2019-05-09 10:47) 

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