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7月11日(土)「デザイン史学研究会」第13回シンポジウム(京都女子大学) [お仕事(講義・講演)]

7月11日(土) 曇り  京都  33.7度  湿度51%(15時)

6時過ぎ、起床。
朝食は、新丸子駅前「ブーランジュリー・メチエ」のグレープフルーツ・デニッシュとコーヒー。
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シャワーを浴びて、髪と身体を洗い、髪にあんこを入れて頭頂部で結び、和装用の髪飾りをつける。
化粧と身支度。
赤と白の大きな市松模様に黒の細長い鋸歯文の木綿の着物、通崎睦美コレクションの銘仙写し(メテユンデ)。
薄いクリーム色の吸い上げ暈しの麻の半襟を付けた半襦袢。
帯は黄色基調の博多帯を文庫結び、その上に青緑に胡蝶の柄の半幅帯を巻いて片流しに結んで、珊瑚色の夏の帯締を掛ける
焼桐の台に濃紺の麻の葉柄の鼻緒をすげた右近下駄(浅草花川戸・長谷川)。
焦げ茶色のトートバッグ。
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8時50分、家を出る。
新横浜駅9時49分発の「のぞみ21号」で京都へ。
小田原~三河安城の間、居眠り。

名古屋駅を過ぎて、車中で早めの昼食。
好物の「深川めし」(950円)。
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↑ 今日はハゼが小さい。季節的なものなのだろう。

11時50分、京都駅着。
地下鉄で四条に移動。
定宿の「ヴィアイン京都四条室町」に荷物を預ける。
烏丸蛸薬師の「ローソン」に寄って、少し作業。
烏丸錦でタクシーを拾って、東山七条の京都女子大学。
運転手さんが「五条通から行きますか」と尋ねるので、「お任せします」と返事。
五条通から東山への坂道を上り右折してしばらく行くと、女子生徒がたくさん歩いているエリアへ。
正門の前で降ろしてもらい、学内案内図を見ると、ここではないらしい。
少し坂を上る。
もし下から歩いて上がったら大汗だったろう。
おっ、ここだ。
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家政学部生活造形学科の成実弘至教授(ファッション文化史)の研究室を探す。
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↑ 階段を上がった小ホールに学生さんの作品が飾られている。

13時10分、成実先生の研究室に到着。
さっそく、司会と報告者3人で簡単な打ち合わせ。

お手伝いの成実先生のゼミ生さんの1人は、卒論のテーマが「LGBTのファッション」とのことで、少しお話。
もう1人が「先生のブログ、いつも読んでます」。
思いがけないところで、「読者」に出会えてうれしい。

14時「デザイン史学研究会(DHWJ)」シンポジウム2015「スーツと着物―日本のモダン・ファッション再考」開会。
井口壽乃会長(埼玉大学)の開会あいさつ。  

続いて、司会の朝倉三枝さん(神戸大学)の趣旨説明。
「日本で西洋式の衣服、いわゆる「洋服」の着用が始まるのは、文明開化の名のもと欧米諸国の文化が積極的に取り入れられた明治期のことでした。
そのため、日本の衣服の近代化は、しばしば「西洋化」の言葉と共に説明されてきました。
しかし、日本には長い歴史の中で育まれてきた「着物」という伝統服もあり、実際には、その着物と洋服の拮抗が日本のファッションの近代化を推し進めたと考えられます。
本シンポジウムでは、スーツと着物を主題に、二人の研究者を迎え、日本における衣服の近代化について改めて問い直してみたいと思います。」

14時10分、研究報告
1  ベルトラム・ラース(埼玉大学)「日本の近代化における背広の役割―“日本の近代化を加速させた異物”から“サラリーマンの象徴”への変貌」
明治期から現代までの、日本の男性の洋装を通覧。
明治を洋服導入期、大正を変貌の始まり、昭和を変貌の完成と位置付ける。
「明治の政治家にとっては洋装が外交政策だった」という指摘や、写真や絵画でみる洋装の「変」(ミスマッチ)など、納得できる部分は多かった。
ただ、「現代においても、まだ日本人は洋服を着こなしているとはいえない」という結論は、あまりにも西欧基準・規範的で、コロニアリズム(植民地主義)の残滓すら感じた。
質義応答で、森理恵さん(日本女子大学)が「では、欧米人はちゃんと洋服を着ているのか? 正しい洋装などというものがあるというのは幻想」と鋭く指摘していたが、私もその通りだと思う。
洋装が日本を含めてグローバル化していく過程で、欧米人の衣服とはもう言えないほどの多様性をもったことをもっと重視すべきだと思う。

2  三橋順子(明治大学)「和装のモダンガールはいなかったのか?―モダン・ファッションとしての銘仙」
この段階で、15分押しだったので、持ち時間(30分)厳守を心がけて早口でしゃべったが、3分オーバーしてしまった。
内容は下記をご覧ください。
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12

3 成實弘至(京都女子大学)「洋服とは何か?―西洋と非西洋の境界線を越えて」
近代日本の「洋服イデオロギー」を論理的に整理。
洋装(健康的・実用的・合理的・民主的・科学的)と和装(非合理的・土着的・伝統的・封建的・美的)の二項対立図式・
ファッション(グローバル・現代・変化・消費)と民族衣装(ローカル・歴史・普遍・自作)という対照。
そして、西洋受容の3つのパターン(和魂洋才、和洋折衷、和洋分離)に基づいて、日本近代服飾の流れをたどる。
明治の洋服導入は「和魂洋才」、その後、何度も試みられる和装改良運動は「和洋折衷」、そして和装改良運動がほとんど失敗した結果として「和洋分離」となる。
論理的で、考えを整理するのに、とても参考になった。

16時15分からパネルディスカッション。
ここから加わった百々徹さん(京都造形芸術大学)が議論をリードする。
百々さんは「神戸ファッション美術館」の学芸員として、数々の展覧会を手掛けてこられた方で、ファッションの現場・実物をよく知っているに加えて、歴史的な知識も豊富で、私と見解が一致するところが多い。
ファッションが空間(場)よって規制されること(和装の大敵としてのドアノブ)、衣服と身体作法(和装は身体を捻らない)など、とても楽しい議論だった。
もう1時間ぐらいやり取りしていたかった。
私の報告に対する質問も2つほどあり、関心を持ってもらえたのだなぁと、うれしかった

17時15分、閉会。
とても充実した楽しいシンポジウムだった。
ファッション史なんて欠片も勉強したことがない、ほとんど素人の私を、こうした学会に呼んでくださり、話をする機会を与えてくださった成実弘至先生と「デザイン史学研究会」の皆さんに、心から感謝したい。

タクシーで、御幸町丸太に移動。
路地の奥の普通の民家風の「吉田屋料理店」で懇親会。
有名なお店らしい。
お料理もお酒もおいしかった。
青木美保子さん(京都女子大学)、平芳裕子さん(京都女子大学)、面家慎介さん(滋賀県立大学)、チャプコヴァ・ヘレナさん(早稲田大学国際教養学部)などと名刺交換。
青木さんは秩父で「銘仙館」や木村和恵さんの銘仙コレクションを見ているとのこと。
面家さんは、銘仙産地の群馬県伊勢崎市の出身とのこと。
いろいろつながって、楽しい。

成実先生、井口先生、朝倉さんと私の4人で、御幸町三条あたりのワインバーへ。
22時半、お開き。
歩いてホテルへ。
井口先生と烏丸三条までご一緒。

23時、ホテルにチェックイン。
着物を脱いで化粧を落とし髪を解いて、家猫さんに電話。
ワインの酔いで、すぐにベッドに倒れる。
就寝、0時(ヴィアイン京都四条室町)。

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