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スウェーデンとデンマーク、都市封鎖すべきか否か [世相(新型コロナ肺炎関連)]

4月25日(土)

都市封鎖をせずに「集団免疫」の獲得を目指すスウェーデンの対応を評価する人たちがいる。
それでうまくいっているのならいい。

しかし、結果として人口1023万人の国で2021人の死者を出している(人口1万人あたり1.97人)。
人口比を考慮すると日本の70倍だ。

つまり、日本の人口に直すと、死者2万5000人くらいになる。 
はたしてそれが良策だろうか?

それだけの犠牲者を出すストレスに日本社会が耐えられるだろうか?
おそらく無理だと思う。

私は、感染症対策の最終的な目的は、どうしたら死者を少なくできるか?だと思う。
逆に言えば、死者が少ない対策が上策ということだ。

一方、同じ北欧諸国でも、スウェーデンとは対照的に、厳しい都市封鎖(ロックダウン)を行ったのがデンマーク。
3月11日から始まったロックダウンは1カ月と2週間を経て、効果を上げ、徐々に解除に。

結果、デンマークの死者は394人。
人口は571万人なので、人口1万人当たりの死者数は0.69人。
スウェーデンの1.97人よりかなり良い。

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封鎖せず」独自路線 自主性尊重、「集団免疫」目指す―スウェーデン・新型コロナ

【ロンドン時事】新型コロナウイルスの感染が深刻化し、多くの国がロックダウン(都市封鎖)状態にある欧州で、封鎖をしない北欧スウェーデンの「独自路線」が注目を浴びている。ソフト対策の背景には、強制より個人の自主性を尊重する伝統が根強いほか、医療制度が充実し医療崩壊の懸念が少ないことなどがある。さらに多数が自然感染して免疫を持つことでウイルスを抑制する「集団免疫」の形成も念頭にあるとされる。

 スウェーデンの新型コロナウイルス対策をめぐっては、経済的打撃が少ないとして期待が寄せられる一方、高い致死率など感染拡大のリスクに懸念も出ている。

スウェーデンでは感染が広がる中でも小中学校は開校し、飲食店やジムも通常通りの営業を続けている。集会も50人以下なら可能。学校閉鎖や外出禁止といった厳しい規制を敷く国が多い欧州で異色の対応だ。首都ストックホルムのカフェやレストランは今も、食事や会話を楽しむ人々でにぎわいを見せる。

政府は、封鎖の代わりに国民に「責任ある行動」(ロベーン首相)を求め、他者と距離を保つ「社会的距離」の実行を呼び掛けている。これに対して大方の市民は、政府方針を許容しているようだ。

ストックホルム在住約40年のビヤネール多美子さん(85)は電話取材に「スーパーや農園に1人で出掛けたりしてる。混んでいれば地下鉄に乗らないなど、自分の判断で行動できるのがありがたい」と語る。緩い規制に不安を訴える人もいるが、「スウェーデン人は自分で決めることに慣れている」のでパニックにはならないという。

しかし、スウェーデンでは23日時点、感染者が約1万6000人なのに対し、死者は2000人近くに上る。厳格な外出規制を実施している隣国フィンランドやデンマークなどと比べ高い致死率で、封鎖しないことによるリスク増に対する懸念も強い。報道によれば、スウェーデンの研究者らは地元紙への寄稿文で「(事態悪化を防ぐ)迅速かつ抜本的な措置」が必要とし、政府に政策見直しを迫った。

一方、スウェーデン保健当局の疫学者、アンダース・テグネル博士は最近、地元メディアに「首都人口の多くが免疫を獲得し、感染抑止に効力を発揮し始めた。数理モデルは5月中(の集団免疫達成)を示している」と解説。「独自路線」が功を奏するかどうか、世界が展開を注視している。

「時事ドットコム」2020年04月24日06時53分
https://www.jiji.com/sp/article?k=2020042300702&g=int&fbclid=IwAR3_CR4ceCaggA4C3QyN6FH2viVxvnF9VHowdTPHXpKBFEJAJhRqnCUfj88
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ロックダウンから段階的解除へ向かったデンマーク。その記録と気づき

ロックダウン4-5週間の間に起こった様々な変化 in デンマーク
3月11日の夜、デンマーク国内はロックダウンが始まった。あらゆる公共施設、保育所、学校、ショッピングセンター、レストラン、美容院やマッサージ店、スポーツ施設などがこれを受けて閉鎖。医療や介護、スーパーマーケット、運送業、公共交通機関などごく一部の社会にとって重要な業務を除いて、多くの人々はテレワークとなった。

ロックダウン中は、多くのレストランやカフェは店舗を閉鎖しつつもテイクアウェイのみで営業を続け、学校はオンライン授業に切り替わった。デンマークのロックダウンが他国と少し違ったのは、人々がまだ買物や散歩に自由に行けたということがある。不特定多数の人々との接触は極力避けなければならない状況でも、常に2メートルのソーシャルディスタンスを保てば、屋外へ出ることはむしろ推奨されていた。人々は春の日差しと新鮮な空気を求めて、海や湖、森や公園へとよく出かけたようだ。郊外や田舎にサマーハウスを所持する人々は、そちらへ家族で移動し、テレワークを続けていた人も多かったそうだ。

ロックダウン中もメッテ・フレデリクセン首相の記者会見は週に1度のペースで行われ、それ以外にも保険局や厚生省による会見などが頻繁に行われている。ロックダウンが始まった時には、フレデリクセン首相が子どもたちに向けた会見を行ったことは日本でも少し話題になったようだが、その後も回を重ねるごとに、彼女への国民の信頼は大きくなっている。ロックダウン以前は39%だった支持率が、現在ではなんと79%。人々は、フレデリクセン首相の非常事態の対応にとても満足している様子だ。

ニュージーランドの首相ジャシンダ・アーダーンとも電話で連絡を取りながら対策を考慮しているともいわれているメッテ・フレデリクセン首相。女性リーダーは世界的にもその判断が迅速なだけでなく、国民への高い共感力があると述べている記事もある。

とはいっても、もちろんデンマークもコロナ禍による経済的打撃はある。政府は支援策として、給与の一部を負担する案を発表し、雇用者が従業員を解雇せずに危機を乗り切るよう求めてはいるが、それでも失業者登録者数は増加している。3月15日以降、失業登録者数は4万5千人増の17万6千人(デンマークの人口は570万人)。75%の企業が売り上げが減少したと報告している。
(後略)
「HUFFPOST」2020年04月24日 12時12分 JST | 更新 2020年04月24日 12時12分 JST
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5e9ffc76c5b69150246ad74e
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