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世界保健機関(WHO)が改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案を公表 [現代の性(性別越境・性別移行)]

6月19日(火)

世界保健機関(WHO)が18日、改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案公表した。

ゲーム依存が精神疾患となった。
一方、性同一性障害は精神疾患から外れ、「性別不合」という名称になる。

正式決定は、1年後になった(再々延期)が、世界のトランスジェンダーが長年待ち望んでいた、性別移行を望むことの脱精神疾患化がついに実現した。
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長年「性別を超えて生きることは病ではない」と主張してきた者として、WHOが「精神疾患ではない」(脱精神疾患化)と認定したことは大きな前進。
とてもうれしい。

ただ、日本には精神疾患を実質的に維持しようとする動きもあり、今後、性別移行の脱精神疾患化を着実に現実のものにしていくことが課題になる。

今回の改訂では、残念ながら、世界のトランスジェンダーの多くが望んでいる性別移行の脱病理化は達成できなかった。
それは次の改訂(ICD-12、10~20年後?)に先送りになった。
もう私は生きていないだろうから、その成否は次の世代に委ねる。
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ゲーム依存は精神疾患 WHO認定、 性同一性障害は除外

スマートフォンなどのゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたすゲーム依存症が「ゲーム障害」として国際的に疾患として認められた。世界保健機関(WHO)が18日、公表した、改訂版国際疾病分類「ICD―11」の最終案に明記された。来年5月のWHO総会で正式決定される。

ICDは日本をはじめ多くの国が死因や患者の統計、医療保険の支払いなどに使う病気やけがの分類。

厚生労働省の調査では、成人約421万人、中高生約52万人がゲームなどのネット依存の恐れがあると推計されているが、政府は依存を防いだり依存傾向のある人を早期発見したりするための対策をほとんどとっていない。ゲーム障害が国際的に疾患として認められたことで、予防対策や適切な治療を求める声が強まるとみられる。

ゲーム障害は、依存性のある行動で日常生活に障害をきたす精神疾患の一種とされた。日常生活に支障が出てもゲームを優先する状態が12カ月以上みられる場合で、症状が重い場合はより短期で診断できるとした。ただし、飲酒同様、ゲームをする行為自体が問題とされたわけではない。

国内で初めて専門外来を開いた、国立病院機構久里浜医療センターの樋口進院長は「公式な疾患になることで、ゲーム障害は本人の意志が弱いからではなく、治療が必要な病気だと理解してもらえるようになって欲しい」と話す。

日本企業も加盟する米国のゲーム業界団体など20カ国以上のゲーム業界団体がゲームに依存性はないと反対している。WHO担当者は「科学的な根拠に基づき疾患に加えた。各国は予防や治療態勢の計画を立てるべきだ」と反論する。

さらに改訂版には、漢方医学など古代中国に起源をもつ日本、中国、韓国独自の医学が初めて「伝統医学」として加わった。「気虚」といった患者の状態を表す用語が、漢方の診断「証」として列挙された。

慶応大の渡辺賢治教授(漢方医学)は「東洋医学が民間療法ではなく、医療の一つとして国際的に認知された意味は大きい。診断や鍼灸(しんきゅう)や漢方薬などの効果の科学的な研究が進むだろう」と話す。

また、性同一性障害(GID)は「性別不合」という名称になり、精神疾患から外れた。ジェンダーの多様性は病気ではなく、個人の状態だという考え方を反映した。「国内でも今後、学会の名称も含めて呼称について議論したい」とGID学会理事長の中塚幹也岡山大教授は言う。(大岩ゆり)
『朝日新聞』2018年6月19日
https://digital.asahi.com/articles/ASL6K741TL6KULBJ009.html?_requesturl=articles%2FASL6K741TL6KULBJ009.html&rm=676
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