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「SOGI」についての針間克己先生の指摘 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

4月16日(月)

GWに「SOGI」と題する大きなシンポジウムが開催されるようだが、ちょっと気になること。
それは、精神科医の針間克己先生が最近『Oriijin』という雑誌やブログで「SOGI」について指摘している内容。
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20180404

要約すると、
① 日本語wikiには出てくるが、英語wikiにはない。
 日本語wikiの「SOGI」の参考文献はすべて日本語。
 https://en.wikipedia.org/wiki/Sōgi
② 英語辞書等でもさっぱり出てこない。
 英語では言葉として存在しないかのよう。
③ ようやく人権系の会議等のサイトで「Sexual Orientation & Gender Identity(SOGI)」といった形で出てくる。
④ 思うにSOGIは、人権系の国際会議等で発表の時などの時、Sexual Orientation & Gender Identityというのは面倒なので、会議中に一部専門家が「SOGI」と使うことはあっても、一般用語としては、全然使われていないのではないか。
⑤ 「LGBTではなく、これからはSOGIと呼ぶのが国際的な常識である」という認識は間違い。

私が調査したわけではないので断言はできないが、針間先生の指摘の通りなら、日本人は英語圏で必ずしも使われていない言葉を広めようとしているという変なことをしていることになる。

シンポジウム「SOGI」の主催者は、針間先生の指摘にどう答えるのだろうか?

私が思うのは、「LGBT」もそうだったが、自分たちが使おうとしている外来略語の起源や使われ方をもっとちゃんと認識した方がいいということ。
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コメント 2

三土明笑

英単語を仮に借用して新しい略語を作る際に「本家本元の英米圏で使われている語を輸入したものか否か」で正統かどうかを判定するということ自体、あんまり意味がないのではないでしょうか。LGBTという言葉は英語圏で始まり、「これこそ国際的な性的少数者の呼称だ」との触れ込みで2012年ごろから日本でも使うようになったけれど、4つの頭文字のうち3つまでが性的指向に着眼してのセクシュアリティーの分類であることに、わたしなど、大いに違和感をもちます。同性愛を罪深いものとみなす性規範が長年支配的で、それに対する異議申し立て運動がようやく実を結びつつあるという欧米社会の事情が、過度に言葉作りに反映されている観があります。トランスジェンダーの者からみれば、性的指向でそんなに分類を細かくするのなら、トランスジェンダーも「MTF」とか「FTM」とか分ければいいじゃないか(LとGなんて、Homosexualの中の下位分類にすぎず、分ける必要は別にない)と、不満のひとつも言いたくなります。戦前の日本海軍は、連合艦隊をつづめて言うときGFと言っていたそうですが、別に英米からお墨付きをもらってつけた名称ではなかったでしょう。それでいいじゃありませんか。
by 三土明笑 (2019-09-18 07:28) 

三橋順子

三土明笑さん、いらっしゃいま~せ。

ご存知のように、LGBTの4つで切っちゃう使い方は、日本特有で、欧米では、少なくともLGBTI、だいたいはLGBTIQ、さらにはLGBTIQQAです。

こうした略語が、性的指向優先であるのも、おっしゃる通りですが、国際会議・学会などのことを考えると、英語の略語はできるだけ欧米のそれに合わせておいた方が便利というのが現実です。

by 三橋順子 (2019-10-03 12:40) 

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