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『風俗科学』掲載の同性愛、女装・男装関係記事(加筆・再掲) [性社会史研究(性風俗雑誌)]

『風俗科学』掲載の同性愛、女装・男装関係記事

1953年(昭和28)8月に創刊された1955年3月まで刊行されたと推定される性風俗雑誌『 風俗科学』の全19冊(推定)の収集が完了したので、ようやく、同誌掲載の同性愛、女装・男装関係記事のリストを完成することができた。
将来的には、全記事目録を作成するつもりだが、とりあえずということで・・・。

◎ 昭和28年(1953)8月号(1巻1号)
特集「男色時代-今や男色は全国を風靡している-」
「ドイツを震撼させた男色裁判」(森 藤一郎)
「かくて男色は流行する」(柏倉幸蔵)
「男色閑談」(宮園三四郎)
「(小説)男色閨怨」(遠藤松喜)

◎ 昭和28年(1953)10月号
「フランスに於ける二形(ふたなり)事件-男女両性の神秘-」(都築武次郎)
「男色者とその性的特質ー前月号の柏倉氏所論に駁すー」(扇屋亜夫)
「美少年録」(神原貞二)
「蔭間茶屋考」(草刈透一)

◎ 昭和28年(1953)11月号(1巻3号)
「男色輪廻-男色者の悩み-」(扇屋亜夫)

◎ 昭和28年(1953)12月号(1巻4号)
「欧米に於ける男色の流行」(瀬沼整一郎)
「同性愛の史上人物」(土井耕作)
「男色クラブ探訪記」(河野光治)
「(小説)男色遍路」(扇屋亜夫)
「女になった男の手記-乳房がなくとも性愛は満点-」(六七木八枝)

◎ 昭和29年(1954)1月号(2巻1号)
特集「ソドミイの頁」
「(グラビア)ソドミアの生態アルバム」
「元禄野郎考」(上原俊郎)
「ソドミイの五つの変型」(かびや・かずひこ)
「(小説)ソドミイの淵」(河野光治)
「(小説)肉体への反逆」(扇屋亜夫)
「同性愛に悩む友へ」(坂田春人)
「東京におけるソドミアの実態調査報告」(高畑益朗)

「半男半女の実相」(藤原隆三)
「女性の同性愛」(仁科順三)

◎ 昭和29年(1954)2月号(2巻2号)
特集「女性の異常性風俗」
「レスビアニズム雑考」(宮川好子)
特集「ソドミアの生態」
「アメリカの同性愛ブーム」(ウヰリアム・マクナイン)
「芸能人の同性愛をさぐる」(大野木俊)
「そどみあは貴方の隣にいる!」(扇屋亜夫)
「戒律と肉体とー僧院の蔭に咲く男色秘話ー」(河野光治)
「(対談)同性愛と男根羨望について」(比企雄三・扇屋亜夫)

「そどみあ通信」
「(小説)レスポス騒動(『情園』完結編)」(武野藤介)

◎ 昭和29年(1954)3月号(2巻3号)
特集「同性愛の花」
「お姉さまの鞭の下」(鳴嶋八重子)
「そどみあは貴方の隣にいる!(2)」(古田春夫)
「男の肌ぞ美しき-女装マニアの手紙-」(扇屋亜夫)
「憎しみは泡沫の如く」(秩父甚次郎)
「(小説)鶏色する花々」(かびや・かずひこ)
「そどみあ通信」
「『風俗科学研究会』(F・K・K)のお便り」(西條道夫)

◎ 昭和29年(1954)4月号(2巻4号)
特集「あぶの手記集」
「れすぼすの記」(宮内由美)
特集「そどみやの国」
「そどみやの世界」(読者)
「十代の少年同性愛」(鹿火屋一彦)
「(小説)白い色の情慾(かなしみ)」(扇屋亜夫)

◎ 昭和29年(1954)5月号(2巻5号)
特集「そどみあの花園」
「みにや・からば」(並木三策)
「わが男色履歴書」(木内義則ほか)
「ある男色者」(青木十郎)
「男色に代用された女性群」(橋本徹也)
「(小説)素朴なる活火山」(扇屋亜夫)

◎ 昭和29年(1954)6月号
「同性愛と性の転換-ホモ医学(1)-」(太田典礼)
「ドイツの美少年カフェ」(刈谷 健)
「ホモの花束(1)―同性愛の百科事典(1)―」(かびや・かずひこ)
「(小説)ママという男」(南条哲夫)
「(小説)紅いベレエ」(扇屋亜夫)
「そどみやの花園」(ON生ほか)
「女性のパトロンを求める女」(長谷川しづ子)
「性風俗解剖室・男装マニヤ」

◎ 昭和29年(1954)7月号(2巻7号)
「戦後の男色同性愛」(上村八郎)
「性医学の部屋:性の転換を願う人―男から女へ肉体手術は流行する―」(太田典礼)
「わが半生の記」(永井明子)
「ホモの花束(2)-同性愛の百科辞典-」(かびや・かずひこ)
「そどみあの花園」(ON生ほか)
「(小説)そどみあは行く」(扇屋亜夫)
「(小説)友愛讃歌」(東 栄一)

◎ 昭和29年(1954)8月号(2巻8号)
「ホモの花束(3)-同性愛の百科事典-」(かびや・かずひこ)
「(小説)薔薇盗人-そどみあは行く・その2-」(扇屋亜夫)

◎ 昭和29年(1954)9月号(2巻9号)
「女性の同性愛について」(OR生)
「最近に於ける同性愛の動向-調査第一回中間報告-」(太田典礼)
「F・K・Kだより―風俗科学研究会のことども―」(扇屋亜夫)
「男娼学校の生態」
「アメリカに於ける同性愛」(青山悠一郎)
「ホモの花束(4)-同性愛の百科事典-」(かびや・かずひこ)
「(小説)磐梯のホルムス-そどみあは行く・その3-」(扇屋亜夫)
「江戸でかめろん」(南条哲夫)

◎ 昭和29年(1954)10月号(2巻10号)
「男色に関する十二章」(西条道夫)
「変態売笑罷り通る」(内田俊之)
「(小説)偽れる肢体-ある男体秘密記-」(宮原弓夫)
「あるソドミアの落書」(露地志野)
「(小説)彷徨える出発-そどみあは行く・その4-」(扇屋亜夫)

◎ 昭和29年(1954)11月号(2巻11号)
「話題になった性の転向者たち」(江上文平)
「(小説)ヘラクレースへの幻想」(東 栄一)
「花弟」(卯野四緑)
「太鼓腹への妄執」(須渾 朔)
「同性愛の親睦クラブ御案内」
「(小説)ひと夜の情熱-そどみあは行く・その5-」(扇屋亜夫)

◎ 昭和29年(1954)12月号(2巻12号)
「女性の同性愛が欲しい」(東京 あざみ子)
「(小説)蛇装の淫楽」(久我春之助)
「FKKのお便り」
「ホモの会の記録―FKK秋季大会記―」(西條生)
「(小説)雁来紅の家-そどみあは行く・その6-」(扇屋亜夫)

◎ 昭和30年(1955)1月号(3巻1号)
「男子禁制の悶えー異常風俗の解剖ー」(上田成年)
「女装マニアの手紙」(N・N生)
「(小説)港の見える丘-そどみあは行く・その7-」(扇屋亜夫)
「同性愛親睦クラブへの御招待」(扇屋亜夫)

◎ 昭和30年(1955)2月号(3巻2号)
「ホモの殿堂『少女歌劇』の世界」(古川映介)
「男色喫茶店・酒場の東京地図ーそどみあご案内ー」(XYZ)
「(小説)偽りの季節ーそどみや小説ー」(児玉茂樹)
「私のページ」(扇屋亜夫)
「ホモの頁」

◎ 昭和30年(1955)3月号(3巻3号)
「理想的な男娼はこうして造られる!」(青島千秋)
「新東京男色団」(川合十郎)
「私は女装の麗人ですーある女装マニヤの手記ー」(椎名敏江)
「(座談会)女性のホモ罷り通る」(扇谷亜夫・上島つぎ・三輪洋子・河上聖子・西條道夫:司会)
「男色の性典」(みね・はるさわ)
「(小説)無頼漢と美少年」(美山玻璃子)

※ 2010年11月26日初稿、2011年2月20日・6月16日・22日、2015年5月23日資料追加・改訂

なお、『風俗科学』の書誌については下記を参照ください。
http://zoku-tasogare-sei.blog.so-net.ne.jp/2012-09-19-2
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スクルー

姐さん、これは素晴らしいですね。目次見てるだけでワクワクしますよ。
>「(座談会)女性のホモ罷り通る」(扇谷亜夫・上島つぎ・三輪洋子・河上聖子・西條道夫:司会)
>「(小説)無頼漢と美少年」(美山玻璃子)
この辺りは、ヤオイ初期系ですかね(オコゲというそうですが)。
ペニバンつけて少年とホモのようにしたいという願望の女性はかなりいるみたいで、そうした同人誌は今もコミケでかなりの部数が出てますね。そうした企画とも思えます。
この頃でも同性愛と少年愛は別のカテゴリーだったんでしょうか?
「性欲の研究」シリーズで、アドニスやJUNEと纏めて少年愛の同性愛における位置付けみたいな論考を期待してます。
by スクルー (2015-05-24 10:02) 

三橋順子

スクルーさん、いらっしゃいま~せ。

あ、すいません、たぶん勘違いしてます。
この時期「女性のホモ」というのは女性同性愛(レズビアン)のことです。
「ホモ」を字義通り「ホモセクシュアル」(同性愛)の意味で使っています。
ご指摘の座談会のほかにも昭和30年(1955)2月号の「ホモの殿堂『少女歌劇』の世界」(古川映介)も同じ用法で、少女歌劇の世界における女性同性愛の話です。
このように1950年代と現代とでは、言葉の意味そのものが変化しているわけで、そこに歴史があるわけです。

同性愛と少年愛の問題ですが、私の「男色文化の4類型」では、年齢階梯制が濃厚な少年愛は第2類型(年齢階梯制を伴い、女装を伴わない男色文化)、現代の「二丁目」のような大人の男性同士の性愛は第4類型(年齢階梯制を伴わず、女装も伴わない男色文化)になります。
by 三橋順子 (2015-05-24 11:49) 

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