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2月14日(金)大雪の東京から常夏のバンコクへ-「WPATH 2014 Symposium in Bangkok」参加記(1日目) [現代の性(WPATH 2014)]

2月14日(水)  曇り  バンコク  32.4度
5時、起床。
お風呂に入って身体を温め、髪にあんこを入れて頭頂部で結わえてシュシュを巻く。
化粧と身支度。
グレーの地に黒の唐草模様のチュニック(長袖)、、黒のブーツカットパンツ、黒網の膝下ストッキング、黒のサンダル、黒のトートバッグ、黒のボア襟のポンチョ。
靴はショートブーツだと荷物になるので、濡れて寒いのは承知でサンダルに。
7時、家を出る(東京の7時の気温0.9度)。
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雪が本降りになる前に家を出たかったのだが、すでに積もり始めている状態。
駅までの20分間にどんどん本降りになる。
左手に傘を差し、右手に重い旅行バッグを曳いて道中、難渋。
さらに駅構内の移動が通常より早い出足のラッシュに遭遇して渋滞。
なんと、通常25分で着くはずの道のりに40分もかかってしまい、結局、予定していた7時40分発の「成田EX」を目の前で乗り過ごす。
次の「(快速)成田エアポート」でも間に合う(忙しいけど)ことはわかっていたけども、問題は雪の状態。
都心の降り方では、成田空港から飛行機が離陸できないのではないか?と心配になる。
幸い千葉市あたりから、雪が小止みになり、積雪もほとんどなくなったので、まあ大丈夫だろうと判断。
9時40分、成田空港に到着。
キャリーバッグの預け、ぎりぎりでセーフ。
ふ~、間に合った。
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搭乗口前の待合室で、今回、ご一緒する佐々木掌子さん(立教女学院短期大学専任講師:臨床心理学)と合流。
ANA10時50分発バンコク行き(NH953)に搭乗(飛行機はB767-300)。

今回のバンコク行きは、14日夜から18日まで、タイ・バンコクで開催される「WPATH(トランスジェンダーの健康のための世界専門職協会)2014 Symposium in Bangkok」に参加するため。
「WPATH 2014」は、「World Professional Association for Transgender Health(WPATHトランスジェンダーの健康のための世界専門職協会)」の2年に1度の世界大会で、23回目の今回は初めて欧米圏以外、アジアでの開催となる。
1年ほど前、何かの折に、東優子さん(大阪府立大学教授:社会学)に「順子さんをWPATHに連れていきたい」と誘っていただき、「バンコクなら(比較的近いから腰痛があっても)行けるかな?好きな街だし・・・」と、その気になった。
東さんとセックスワーカーの健康と福祉の活動家リリィさんは関西空港から深夜便で先発し、東京組はいろいろあって佐々木さんと私の2人だけ。
11時02分、離陸。
太平洋岸に大雪をもたらす発達中の低気圧の雲の上を飛んでいるので、下はずっと厚い雲。
しかも3400フィート(10363m)を飛んでいるのに、気流が悪く、ときどきかなり揺れる。
九州に差し掛かってやっと安定。
12時45分、鹿児島市上空を通過、対地速度は765km/s。
気流が安定したので昼食。
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洋食がカレーだったので(これから毎日食べるので)和食にしたのだが、なぜ「三元豚の焼肉重」にお蕎麦と饅頭がつくのか疑問。
13時35分、沖縄本島西北海上を通過。
少し雲に隙間ができてきた。
14時40分、台湾の最南端の鵝鑾鼻(がらんび)付近を通過して、バシー海峡から南シナ海に入る。
15時30分頃、やっと雲が切れて、青い海面が見えるようになった。
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ところが、インドシナ半島に近づくと、また雲がびっしり。
16時35分、ベトナムのダナン南方からインドシナ半島に入る。
16時45分、くっきした雲の境界(南北)を通過し、インドシナ半島の赤い大地が見えてきた。
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バンコク行きは3度目だが、いつもこの赤い土(ラテライト)を見ると、熱帯に来たことを実感する。
飛行機は東西の幅が無いべトナムを横切り、カンボジア北部をかすめるように通過して、タイ領内に入る。
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↑ 湖が見えたが人口湖(ダム湖)のようだ。
17時58分(日本時間)、バンコク・スワンナブーム国際空港に着陸。
フライト時間は6時間56分。
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ここで、時差(-2時間)を修正して、時計の針を2時間戻す(18時→16時)。
空港からホテルまでの交通機関は、タクシーか、鉄道(エアポートリンク)と高架鉄道(BMT)を乗り継ぐか。
2010年10月に開通したエアポートリンクには乗ったことがなかったのでちょっと惹かれたが、2人とも荷物が重いことを考えてタクシーを選択。
タクシーとなると、一般のタクシーか、リムジンか。
料金は3倍近く違うが、安全を考えてリムジンタクシーにする(1400バーツ、1バーツ≒3円)。
ところが、これが裏目。
「20分、待ってください」(え~、すぐ乗れないの?)
出口近くのベンチに腰掛けていると、外気が入ってくるので暑い。
夏仕様の服に着替えたいが、席を離れている間に車の準備ができるとまずいので、長袖のチュニックを腕まくりしただけで我慢。
結局、30分以上待たされて係員がやってきた。
外に出ると暑い! 一気に汗腺が開く感じ。
雪の東京とは気温差30度。
身体が対応できるだろうか?
16時50分、やっと乗車。
スワンナブーム空港はバンコクの東郊約25kmにある。
それに対して、ホテルはバンコクの西南部にあるので、都心を挟んで真反対。
リムジンなので言わなくても高速道路に乗ってくれて、その間は快適だったが、下道に降りてから夕方の渋滞につかまってしまった。
バンコクの道路渋滞はかなり深刻で、日本だと1970年代の状況に近いと思う。
渋滞した車の隙間をバイクがスラロームして行き、歩行者が無理やり横断するので事態がさらに悪化する。

18時30分、やっとRamada Menam Riverside Hotelに到着。
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チェックインしようとしたら、私の予約がややこしいことになっている。
パスポートの名義と通称名が違っているので、ダブルブッキング状態になっていた。
掌子さんが交渉して処理してくれたが、また10分ほどロス。
掌子さんが4階で、私が11階の部屋のカードキーを渡される。
ん?なんでそんなに離れる?

19時、お部屋に入る。
おおっ!
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デラックス・ツインではないですか。
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枕元の壁には大きな昔のバンコクの風景を描いた大きな壁画(模造)。
あとで、掌子さんが部屋を見に来て、「あたしの部屋はベッドは大きいけどシングルですよ。あたしが予約したのに! あっ、シャワースペースが別になってるぅ!」
掌子さんをなだめながら、125ドル(=12500円=37500バーツ)でこんな良い部屋でいいのか?と不安になる。

大急ぎで和装に着替え。
紺地に白と青緑で大きな芙蓉の花を染め出した綿絽(紫織庵)。
薄いクリーム色の吸い上げ暈しの麻の半襟を付けた半襦袢。
赤黒の半幅帯を文庫に結び、草色の夏の帯締を掛ける
柾目を浮き出した台に濃紺の麻の葉柄の鼻緒をすげた右近下駄(伊香保神社前・吉堅屋)。
赤地に手毬模様の手提げ袋。

19時半、ロビーで掌子さんと待ち合わせ。
「WPATH2014 Symposium in Bangkok」の会場のAnantara Bangkok Riverside Resort & Spaは、私たちが泊まっているRamada Menam Riverside Hotelからは、チャオプラヤー川(昔はメナム川と言っていた)を挟んだ下流の対岸にある。
(参加者が予定を上回り、会場のホテルに宿泊できなかった)
ホテルから会場へ行く舟があると聞いていたのだが、掌子さんがフロントに尋ねてくれるが、どうも要領を得ない。
やっと、20時に舟が出る(無料)らしいことがわかる。
で、どこから?
ボーイさんに場所を尋ねたが、肝心な所の英語が聞き取れない。
西欧の植民地支配を受けなかったタイ人は日本人と同様に英語は上手でない。
結局、親切なボーイさんが船着き場まで案内してくれる。
でも、上流の方を指さしてる。
私たちが行きたいのは下流なのに。
どうも直行便はなく、一度、上流に行って乗り継ぐらしい。
20時になっても舟は来ない。
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↑ ちょっと不安な日本娘。
10分遅れで舟が来た。。
「定時に来ると思っちゃあいけないのね」
「そうそう、ここは日本じゃなくタイなのよ」
10分足らず上流に遡り、舟着き場に着いた。
ここでやっとわかった。
リバーサイドにいくつもあるホテルの舟は、それぞれのホテルとこの渡し場(高架鉄道BMTシーロム線のサパーン・タクシン駅に連絡している)の間を往復しているのだ。
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で、私たちの目的地のAnantaraの舟は?
係員のおじさんに掌子さんが(以下、略)尋ねると「2分後に来るから、ここで待て」という返事。
長周期で揺れる浮桟橋なので、船酔いの兆候を感じ、岸壁に避難。
別の係員のおじさんに「Anantaraの舟はまだ?」尋ねると「20分後に来るよ」という返事。
結局、この舟着き場で20分以上待たされ、Anantaraの舟に乗り継げた。
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今度は下流に向かって10分ほど乗る。
20時50分、ようやくAnantara Bangkok Riverside Resort & Spa のリバーサイド・テラスで開催中の「WPATH2014」のWelcome Reception会場に到着(家を出てから16時間)。
お待たせしまった東さんに「やっと着きました」とハグ。
すぐに、東さんの浴衣の帯結びを直す。
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レセプションで浴衣を着るという東さんに「着いたら、着付けのお手伝いしますから」と安請け合いをしてしまった上に、遅れてしまい着付けを手伝えなかったのが、とても気になっていた。
思っていたより、ちゃんと着ていたので、良かったけど。
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やっと、ご飯にありつく。
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13時に機内食を食べた後、何も食べてなかったのでお腹ぺこぺこ。
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レセプション会場にいたのは1時間ほどだったけども、同じテーブルの方たちと挨拶。
疲れたけども、ともかく無事にバンコクに着けて、よかった。
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明日の本番、頑張ろう。
帰路は、会場で知り合ったあきこさんと3人でタクシー。
23時、Ramada Menam Riverside Hotelに戻る。
着物を脱いで、化粧を落として髪を崩し、ベッドに倒れる。
就寝、0時過ぎ。

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堀口貞夫

佐々木掌子さんのFBで紹介されていたので、拝見しました。
バンコックまでそんなに(6時間56分も)かかるんでしたっけ?マニラほどは暑くないのではないかな。

でもご苦労様でした。学会報告を楽しみにしてます。
by 堀口貞夫 (2014-03-02 00:18) 

三橋順子

堀内貞夫さん、いらっしゃいま~せ。
ご無沙汰しております、お元気でなによりです。
ブログ、読んでいただいてうれしいです。
学会の報告、5日間の内、まだ3日目までしか書いていませんが、少しずつ書き続けています。
WPATHに出席して思ったことは、日本のGID学会のようなスタイルでは、まったく時代遅れだ、ということです。
性別の移行だけが医療の役割ではなく、QOLを高めながら健康にそれなりに長生きすることを目指す、広い意味でのトランスジェンダーの健康と福祉を考える学会でないと駄目だと思いました。
by 三橋順子 (2014-03-02 18:49) 

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