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「手術要件」についての家事審判の見立て [現代の性(性別越境・性別移行)]

8月26日(土)

9月27日に最高裁で弁論が行われる「性同一性障害特例法」の「手術要件」の是非をめぐる家事審判。

一部で、違憲判決が出る可能性が高い、という風評が流れているが、まったく根拠はない。

以前にも書いたが、現在の最高裁大法廷の判事15人の構成は、保守11:リベラル4くらいが基本。
そのままなら、合憲11:違憲4の判断が予想される。
(少数意見として「違憲」がつくのはほぼ確実)

そこから、どれだけ、合憲が減り、違憲が増えるかがポイント。

合憲10:違憲5なら健闘。
もしも合憲9:違憲6なら、次に期待がもてる大健闘。

この問題、国際的な人権規範(生殖権の尊重)に照らせば、あきらかに不当だが、日本の裁判所は、国際的人権規範を必ずしも認めない。

また、もし、違憲とした場合の社会的影響も大きい。
日本の裁判所は、そうしたインパクトがある判断は避けるのが通例。

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「脱・性化」現象 [現代の性(同性愛・L/G/B/T)]

8月26日(土)

井上章一さん(国際日本文化研究センター所長)が、『朝日新聞』8月22日朝刊のロングインタビュー「やっぱり「京都ぎらい」」で、京都が新たな観光客として女性を受け入れる過程で、街全体が「デオドラント(脱臭化)」≒「脱・性化」=性的な臭いが消されていったことを指摘している。

その通りだと思う。
ただし、その現象は、日本のほぼすべての観光地で進行したものdせ、とりわけ京都で顕著だったと言うこと。

ところで、「脱・性化」という現象は、2010年代後半以降の「LGBT」業界でも顕著に進行した(している)。
自分たちの存在と主張を、より多くの人々に受け入れてもらうため、性的なことを語らなくなった。

セクシュアル・マイノリティがセクシュアリティを語らないというのは、私からすると、とても奇妙な現象に思えるが、多くのLGBT「活動家」は、それに疑問を抱かないようだ。

こうした「脱・性化」現象は、00年代の「性同一性障害」流行期に、すでに見られた。

「性同一性障害者は、元の身体に戻る(SRS=性別再指定手術で望みの身体を獲得する)までセックスなんかしません! セックスなんかする人は偽物です!」という主張がまじめに語られた。

このパターンが踏襲されるならば、「LGBTの人権が回復されるまで、同性とセックスなんかしません! 同性とセックスするのは、LGBTの偽物です!」という「活動家」が現われても、不思議ではない。


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性別移行を望む受診者に、医師はなにを診察するのか? [現代の性(性別越境・性別移行)]

8月26日(土)

以前にも書いたことだが・・・・

精神科医も臨床心理士も、受診者が主張するgender identityの妥当性を診断することはできないし、しない。
医師が受診者のgender identityが男性か、女性かを判定しているというのは、誤り。

診察に際して行うことは、受診者主張するgender identityが、一定期間(最低1年)、安定しているかどうかの確認(継時性と安定度)。

だから、受診者に「ライフヒストリー」を提出してもらい、その点を確認する。

戸籍の性別の変更に際しての意見書(診断書)においては、RLE(Real Life Experience)の達成度の判断が(現行法では)医師に委ねられているので、実査の診断の場で、望みの性での社会的適応度も観察するが、それはあくまで、副次的なもの。

医師にそうした社会的な gate keeper の役割を委ねるべきかは、議論があるところ。
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