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私の基本的な立場 [現代の性(性別越境・性別移行)]

9月1日(木)

久しぶりに、私の基本的な立場を記しておきます。

日本のトランスジェンダリズムは、
① 社会的性別(ジェンダー)と性的身体の自己選択、自己決定。
② その尊重と社会的承認。
の2点が基本です。

併せれば、生まれた時に指定された性別と異なるジェンダーで暮らしている人の生活と人権が尊重されることです。

2003年以来、20年間、トランスジェンダリズムの旗を掲げ続けた者として、トランスジェンダーの尊厳と人権、そして生活を損なう策謀には、断固反対し、徹底的に抵抗します。それは、私たちの身を守るための自衛行動です。

自分のアイデンティティを示す記号として、現代日本で流通しているカテゴリーの中ではいちばん近い「トランスジェンダー」を名乗っていますが、正直に言えば、欧米由来の男女二元論ベースの「トランスジェンダー」より、土着的でより多元論的な「サードジェンダー」の方にシンパシィを感じます。

だから「#トランス女性は女性です」というハッシュタグには、「う~ん、微妙」と思ってしまいます(だから、ほとんど使わない)。
ジェンダー二元論的には「トランス女性は(あえてどちらかと言えば)女性です」なのだが、本音の部分で「トランス女性はトランス女性です」と言いたいです。

他者に対して「私は女性です」とは言いません。
「私はトランスジェンダーです」「私はTrans-womanです」と言います。
それで、尊厳と人権、そして生活が守られるべきだと思います。

以下、個別の問題について。

① いわゆる「LGBT理解増進法案」には反対です。「性自認」の定義など、法案の基幹的な部分に問題があります。

② WHO(世界保健機関)など国連5機関による「強制・強要された、または不本意な断種手術の廃絶を求める共同声明」(2014年5月30日)を尊重するGID学会の決定を、会員として支持します。

③ 事実上の「届け出制」(俗にアルゼンチン方式)による新・性別変更法(日本学術会議の提言)には反対です。新・性別移行法は、家庭裁判所の審判を残し、より厳格なリアルライフ・エクスペリエンスを求めるべきだと考えます(三橋私案)。

④ 「性自認至上主義」には、明確に反対します。ジェンダー・アイデンティティはトランスジェンダーにとって重要なものではありますが、社会における性別認識においては万能ではありません。

⑤ 民法改正による「婚姻平等」の早期実現(同性婚の法制化)に賛成です。ただし、婚姻平等達成後、憲法第24条の条文を改正し、成文法としての整合性を取るべきだと思います。

⑥ トランスジェンダーのトイレ、公衆浴場・温泉の利用は、基本的に現状のまま、現行法規遵守の立場です。ただし、トイレについては多目的トイレの増設、温泉については「貸切風呂」の低料金化を要望します。

⑦ Trans-womanの女子競技への参加には、女子競技の公平性の維持を第1に考え、その上でTrans-womanが競技から排除されない方法を国際競技機関が工夫すべきだと考えます。

⑧ 未成年のトランスジェンダーに対する、あらゆる不可逆的治療に反対します。受容的見守り以外にないと思います。思春期抑制剤の使用についても慎重であるべきと思います(反対はしません)。

⑨ 子宮移植の推進には懐疑的な立場です。とくにドナーにTrans-manの摘出子宮を使うことには強く反対します。

⑩ 代理母出産の合法化には、母体保護、母体の尊厳の見地から反対します。

⑪ いかなる「転換療法(Conversion therapy)」に明確かつ強く反対します。LGBTに対する「転換療法」は「治療」に名を借りた拷問にほかなりません。

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