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東京の私娼街の歴史 [性社会史研究(遊廓・赤線・街娼)]

4月11日(日)

館一平「夜の歴史は女が作る」(『千一夜』3巻7号、1950年7月)
1950年(昭和25)の古老(おそらく明治生まれ)の語り。
わずか1頁の記事で、東京の私娼街の歴史を簡潔に語っている
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①東京における私娼街の起源説。
明治5年(1872)4月5日の吉原大火で焼け出された女性たちが、浅草、向島、上野、両国方面に仮小屋を設けて営業を始めた。
その末裔が、浅草観音裏、浅草並木町~松葉町、上野山下~湯島天神下、両国橋~薬研堀、芝神明あたりの私娼になり、さらに浅草六区~千束町の「十二階下」の私娼街に結集する。

②東京における私娼街の規制と移転
大正5年(1916)、警視庁の丸山鶴吉保安課長が「銘酒屋」街(実態は私娼街)の一掃に乗り出す。
警察と業者の攻防のさなか、大正12年(1923)9月1日の関東大震災で、「十二階下」の私娼街は壊滅。
私娼街の業者は、拠点を隅田川の東の玉の井、亀戸に移動。
「エロ・グロ」全盛の世相に乗り、昭和4,5年~10年頃(1929~35)「蜘蛛の巣の如き魔境」はその爛熟期を迎える。

③ 壊滅と再生
昭和20年(1945)3月10日の東京下町大空襲で、新吉原も玉の井、亀戸も壊滅し焼け野原と化す。
その中から、「見るも華麗な幻想の天国(パラダイス)『鳩の街』」が出現する。
「街や巣に颯爽として艶姿を現はす天使(エンゼル)達は、みな悉く昭和生まれの彼女ばかりとなった。」

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