SSブログ

大正末期(1925年頃)の「女性男子」の写真 [性社会史研究(性別越境・同性愛)]

9月1日(火)

中村古峡『変態性格者雑考』(1928年)に掲載された「女性男子」の写真。
変態性格雑考(中村古峡) コピー (7).JPG
この時期の女装者の立ち姿写真(全身像)は珍しい。

1904年(明治37)、愛媛県の生まれで、幼少のころから女児のようで、1924年(大正13)頃から髪を伸ばし、1尺ほどになった時、「大正髷」に結い、「身辺ことごとく若き女装を凝らして」、広島県広島市の料理屋に「北田テル子(18歳)」と名乗り、仲居(女給)となった。

その後、客の会社員の男性(33歳)が本物の女性だと思い恋慕され、店に通い詰めた挙句についに店外(旅館)に連れ出された。
遊興の後、同衾を迫られ、進退窮まり、男に入浴させ、その隙に男の財布から12円を盗み、大阪に逃亡しようとした。
途中、鳥打帽を買い、解いた髪をその中に入れ、服装も男姿に改めたが、広島駅で張り込んでいた警官に逮捕された。

しかし、初犯であったことと、動機も酌量の余地があり、起訴猶予になった。


同僚の女給たち5,6人は、いっしょに生活していたにもかかわらず、「テル子」が男性だとは、誰も気づかなかった。
また、「テル子」も、同僚の女性たちに性的興奮を感じたことはなかったと告白している。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。