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日文研トップ、「妖怪」の先生から『パンツが見える。』の先生へバトンタッチ [世相]

3月9日(月)

「妖怪」の先生から『パンツが見える。』の先生へバトンタッチ。
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「京都ぎらい」でも日文研トップに 井上章一氏にバトン

日本文化を国際的な視野から探究している国際日本文化研究センター(京都市西京区)の小松和彦所長(72)と井上章一次期所長(65)が4日、同センターで対談した。「国際日本研究とこれからの日文研」をテーマとした特別企画で、小松さんは井上さんに「がんばって」と所長のバトンを託した。日文研は4月から新体制に入る。
妖怪の研究で知られる文化人類学者で民俗学者の小松さんは、大阪大教授などを経て2012年4月、日文研の第6代所長に就任し、8年にわたって日文研を率いてきた。3月末で退任する。
井上さんは風俗史や建築史が専門で、ベストセラー「京都ぎらい」の著者としても知られる。1987年の日文研創立当時からのメンバーで、4月に第7代所長に就く。
小松さんは所長としての8年を振り返り、「日文研にとって厳しい時代だった。著名な学者がいて、本も出しているが、組織として何をしているのかが見えないと言われた」と述べた。そして「組織としての成果が問われる中で、時代にどう対応するかを考えていかねばならない」と強調した。
さらに「時間をかけた熟成した研究も必要だが、日文研は海外の研究者による日本研究も知った上で、広い視点から新しい日本研究を紹介する使命がある」と指摘した。
井上さんは、徳川5代将軍・綱吉の「生類(しょうるい)憐(あわれ)みの令」などを例に、外国の日本文化研究者から学ぶ大切さを説いた。井上さんによれば「生類憐みの令」はこれまで、将軍の突拍子もない愚かな政策のようにいわれてきたが、動物愛護の観点から評価する海外の研究者によって、見直しが進んでいるという。
このほか井上さんは海外の研究者からケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダース人形は日本でしか見かけないと指摘されたことや、日本の薬局の店先にはなぜカエルやウサギやゾウなどの人形が置いてあるのかと問われたことが研究のテーマにつながったと振り返った。
「私は京大の学生時代、宮崎市定(いちさだ)さん(京大教授を務めた東洋史学者)の『科挙』(中国で続けられた官吏登用試験)という本に感心し、歴史って面白いと思った。自分が受験勉強をしてきて関心を持ったという面もあるが、工学部建築学科で学んでいた私が宮崎さんの仕事に誘惑された。われわれの学問は若い人を誘惑することができているだろうか」と問題提起した井上さん。
「若い人に面白いな、やってみたいなと思わせる何かを絶やさないようにしたい」と意気込みを語った。(大村治郎)
『朝日新聞』2020年3月9日 14時00分
https://digital.asahi.com/articles/ASN377D5JN34PLZB011.html?pn=4&fbclid=IwAR2tHd4NJNUXJzBZDfzNk_PcY8vyFd6aziH_JO_LJhQFw7bZGXJQpRxDgx0
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