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性別問わないトイレ、広がる 多様性を尊重 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月4日(水)

日本女性学会の代表幹事の大学教授が何を書こうと、世の中は、おおむね真っ当な方向に進んでいく。
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(Dear Girls)性別問わないトイレ、広がる 多様性を尊重、性的少数者にも配慮

ヘルシンキ中央図書館のトイレ.jpg
ヘルシンキ中央図書館のトイレ。中央の手洗い場の周りに男女共用の個室がずらりと並ぶ=フィンランド・ヘルシンキ

多様性を尊重し、性別に関係なく入れるトイレが企業や東京五輪・パラリンピックの競技施設、学校などに広がりつつある。生まれた時の性別とは違う性別で生きるトランスジェンダーや、発達障害・知的障害があって異性の家族などから介助を受ける人らが使いやすくする工夫だ。企業に性的少数者への対応を呼びかける経団連の提言の中でも具体策の一つに挙げられており、今後も増えそうだ。(佐藤達弥)

 ■「安心の職場に」
東京・初台のNTT東日本の本社17階。木製の案内板に「だれでもトイレ どなたでもご利用いただけます」とある。元々あった男女別のトイレを改修し、2018年10月に設けた性別不問のトイレだ。

奥には個室四つが並ぶ。この階には全部署共用の会議室や休憩コーナーがあり、ほかに男女別トイレもないため、大勢の社員や顧客がこのトイレに入る。「使う人が好奇の目で見られないため」と同社ダイバーシティ推進室担当課長の上村雄亮さん(45)は説明する。今後は同社のビルの約40カ所に同様のトイレを設けるという。「新たなビジネスをつくるには、多様な人材が安心して働ける環境が必要です」

経団連は17年5月、「ダイバーシティ・インクルージョン(多様性・包摂)社会の実現に向けて」と題した提言を出し、性別不問のトイレ設置を具体策の一つに挙げた。性的少数者への対応を実施または検討している178の企業・団体のうち、39・3%がこうしたトイレなど職場環境の整備に取り組んでいるという。

 ■国立競技場にも
公共施設での性別不問トイレの原形は、1970年代以降に整備が進んだ車いす対応トイレだ。発達障害や知的障害があって異性の介助を受けている人や、トランスジェンダーも使うことがある。近年では親子連れが使うことも多く、車いす利用者の順番待ちが問題になった。

解決を図った一例が、東京五輪・パラリンピックの主会場となる国立競技場(東京)だ。性別や障害などに関わらず利用できる「アクセシブルトイレ」93カ所のうち、16カ所を異性の介助者との利用やトランスジェンダーを想定した個室とした。残りは車いす利用者向けのより広い個室で、利用者を分散させて混雑を減らす。

欧米では性別不問のトイレ設置が進む。米ニュースサイト「ザ・ハフィントン・ポスト」によると、2014年時点で全米150カ所以上の大学にある。英国やカナダでも、学校や公共施設に設置を求める自治体が出てきている。

18年末にフィンランドの首都ヘルシンキに完成した中央図書館では、3カ所あるトイレがすべて性別不問だ。設計に関わった職員のサム・エーベさん(32)は「トランスジェンダーだけでなく、異性の子どもに付き添いたい親たちからも要望があった。性犯罪を心配する声もあったが、警備員を巡回させており、問題は起きていない」と話す。

 ■「自分に合う、選択肢増やして」
性的少数者の就職支援などに取り組むNPO法人ReBitの薬師実芳(みか)代表理事(30)は「トイレに行きづらい環境に置かれ、職場で漏らしてしまったり、膀胱(ぼうこう)炎になったりする人もいる」と話す。薬師さんも女性の体で生まれ、男性として生きるトランスジェンダー。「トイレ利用は人権に関わります」と訴える。

住宅設備大手のLIXILと間仕切り大手のコマニー(石川県小松市)、金沢大の岩本健良准教授(ジェンダー学)が実施した調査でも、トランスジェンダーの約4割が希望するトイレを利用できていなかった。

岩本准教授は性別不問のトイレについて「異性の介助を受ける人も増えると考えられるし、親子連れにも便利」と話す。ただ、女性の間では女性用トイレのニーズが強く、「男性が使った後に入りたくない」との声もある。「自分に合ったトイレを使えるよう選択肢を増やすことが大事だ」

『朝日新聞』2020年3月3日 16時30分
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14388471.html

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