兵庫県「洲本５人殺し」

３月９日（月）
昼過ぎ起きて来て、寝惚け眼でTwitterをチェックすると、フォローしている高名な犯罪心理学の先生が「＜連続殺傷＞５人刺され死亡」と書いている。
「ん？　いつ起こった事件のことかな？記憶がないな？」
と思ったら、今朝、起こったばかりの事件だった。

ナイフ１本で５人殺害はかなりすごい。
戦前の「津山30人殺し」（1938年、30人）は別格として、銃器の規制が厳しくなった戦後の日本では、大量殺人は放火（大阪個室ビデオ店放火事件 、2008年、16人）、毒殺（帝銀事件、1948年、12人 ）、猟銃（青森・新知村一家8人殺害事件、1953年、8人）などが多い。
刃物だけを使った例では「附属池田小事件」（2001年）などの８人が最も多い殺害数。
「池田小事件」ような相手が無抵抗な子供ならともかく、大の大人に立て続けに５人も致命傷を負わせるのは、実はかなり難しい。
襲われた側は逃げるし、命がけで抵抗するし、殺す側にも体力や心理抵抗の問題もあるから。
あの凶悪な「秋葉原連続殺傷事件」（2008年）ですら殺害は７人だった。

今回、いったいどういう状況で５人も殺してしまったのだろうか。
現在までの報道では、どうも早朝、まだ眠っているところを襲ったようだ。
しかも、殺害されたのは高齢者や女性がほとんどで、逃げたり抵抗できなかったと思われる。
犯人（容疑者）は、典型的な無職「引き籠り」中年のようだ。

事件現場は、淡路島の中部の農村でかなりの「田舎」。
以前から言われている大都会よりも実は田舎の方が危ない「田舎の闇」のケースのように思う。
テレビ・リポーターが「こんな凶悪な事件が起こるとは思えないのどかな景色」と言っているが、日本の「田舎」は根っこの部分（共同体）で確実に腐ってきているのだ。
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民家２軒で５人刺され死亡　近所の男を逮捕　兵庫・洲本

９日午前７時１５分ごろ、兵庫県洲本市中川原町中川原の民家で家族が刺された、という１１０番通報が女性（３２）からあった。県警によると、６０歳くらいと８０歳くらいの女性２人が家の中で、６０歳くらいの男性１人が敷地内でそれぞれ倒れており、救急搬送したが、まもなく３人全員の死亡が確認された。いずれも刃物のようなもので刺されたとみられるという。

また、約１００メートル南へ離れた別の民家では、血を流した８０歳くらいの男女２人の遺体が見つかった。遺体の状況から刺されて死亡したとみられ、県警は関連を調べるとともに、５人の身元の確認を急いでいる。

県警は、通報があった現場近くの路上に立っていた近くの自称・無職平野達彦容疑者（４０）の服に血がついており、刺したことを認めたため、通報された民家で見つかった３人への殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。容疑を殺人に切り替えて調べる。逮捕後は「弁護士が来たら話す」と供述しているという。凶器はまだ見つかっていないという。

平野容疑者の自宅は、８０歳くらいの男女２人の遺体が見つかった民家の東隣にある。

県警は平野容疑者と被害者との間に何らかのトラブルがあった可能性もあるとみて、詳しい経緯や動機を調べる方針。

この近所に住む女性（７０）によると、平野容疑者は父と祖母と３人で暮らしており、中学校を卒業した頃から自宅に引きこもるようになった。数年前からインターネット上に書き込みを始め、今年１月ごろには、近所の人々の悪口を書いているとうわさになったという。

現場は洲本市役所がある中心街から北西へ約３キロの山間部。田や畑が広がり、民家が点在している。約１キロ北西には市立中川原小学校がある。
『朝日新聞』2015年3月9日12時34分

コメント 2

こんばんは。
三橋さんの‘実は田舎の方が’にはわたしも同感です。

田舎での家族の支え合いとか地域の助け合いは対人関係能力があってこそなので、
引きこもりの場合は近所の目とか世間体とかの田舎の要素が負の方に出ることもあります。

わたしが住む集落も血縁が地縁となっていて同じ名字の人が多く、
引きこもりの特性が出ている人もいるので、
わたしのほうは働かないわけにもいかない流れになっています。

もっともわたしのほうは‘電磁波って何？’ぐらいなので
息苦しさが電磁波犯罪に転ずるような妄想は出来ないのですが。
by みれい (2015-03-16 22:22) 

みれいさん、いらっしゃいま～せ。

＞引きこもりの場合は近所の目とか世間体とかの田舎の要素が負の方に出ることもあります

なるほど、たしかに「人の目」は、田舎の方が密度が高いと思います。
私は、それが嫌で、東京に出て来てしまったので、よくわかります。
by 三橋順子 (2015-03-19 23:28)