SSブログ
現代の性(性別越境・性別移行) ブログトップ
前の10件 | 次の10件

性別変更「手術要件の単純削除案」に慎重論 自民党議連 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月9日(土)

具体的にどんな新要件を付け加えるのか?
おかしな(人権制約的な)要件を加えたら、それがまた「違憲」になりかねない。

ちなみに、新・三橋私案は、
①成人、②非婚に加えて、③性別不合の診断、④1年間のRLE(移行を望む性での実生活経験)。
---------------------------------------
性別変更「手術要件の単純削除案」に慎重論 自民党議連

性同一性障害特例法の改正を巡り議論する自民党の議員連盟(27日、党本部)
自民党の議員連盟は27日、戸籍上の性別変更を巡る最高裁判所の判断を受け、性同一性障害特例法の改正について議論した。生殖機能をなくす手術を求める要件を削除するだけの改正案に慎重な意見が出た。新たな要件や性同一性障害の法律上の定義の変更が必要かどうかを検討する。

「全ての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性等を守る議員連盟」が国会内で会合を開いた。2003年に成立した特例法の制定議論にかかわった医師らから制定時の議論などを聞き取った。

特例法は①18歳以上②婚姻していない③未成年の子どもがいない④生殖腺がないか生殖機能を永続的に欠く状態(生殖不能要件)⑤変更後の性別の性器に近い外観を備える(外観要件)――を性別変更の5要件に定める。

最高裁は④の生殖不能要件を違憲とした。⑤の外観要件に関しては高裁に審理を差し戻したものの、一部の裁判官が「違憲とすべきだ」との反対意見を記した。

この2要件は「手術要件」とも呼ばれる。手術が必要とされ、悪意をもって性別変更をよそおう「なりすまし」の防止になるとの見方がある。

片山さつき共同代表は会合後、記者団に「何もせず生殖不能要件だけを外すのはだめだという論拠は強い」と語った。現在の5要件に代わる新要件を検討する必要性を指摘しつつ、代替案は「非常に難しく肝になるところだ」とも述べた。

手術要件の2つが違憲判断となった場合を想定し、特例法が規定する性同一性障害の定義を再考する案にも触れた。3月にも議連としての考えをまとめ、党性的マイノリティ特命委員会(高階恵美子委員長)に提出する方針だ。
『日本経済新聞』2024年2月27日 12:58
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA271QY0X20C24A2000000

nice!(0)  コメント(0) 

「予後不明」 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月6日(水)

性別移行の医療は、当初(1930年代のリリー・エルベの手術)から「人体実験」的な要素が多分にある。
やってみないと結果はわからないけど、それでもやるというパターン。

医療では、治療の結果(予後)の判定が重視される。「予後良好」とか「予後不良」とか。

ところが、性別移行医療では、その点があいまいで、ほとんどの治療が、学問的に十分なデータが得られず(治療後の追跡が難しい)、実は「予後不明」なのだ。

そんな治療がなぜ行われるかと言えば「患者が望むから」にほかならない。

一応、医療倫理を学んだ私が、性別移行医療に、根本的なところで懐疑的なのは、「予後不明」であることが、大きな理由。

せっかく望みがかなってSRSしたのに自死してしまったとか、デ・トランスしたとか、そういう人が出るのは、そもそも予後が不明な治療だから、としか言い様がない。

その点で、厳密に言えば、確立した治療とは言えないのだから。



nice!(0)  コメント(0) 

7~8割でも大きな前進 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月4日(月)

性同一性障害の診断を受けている人と、トランスジェンダーを名乗る人が、かなり大きく重なっているのは、実態なのに、「活動家」もヘイターも、そこを見ようとせず、両者がまったく違う集団であるように主張する点で共通している。

ある意味、興味深い現象だが、実態から遊離している点でも同様。

トランスジェンダーを「誕生時に指定された性別とは異なる性別(ジェンダー)で生活している人」と定義するなら、実態として、おそらく7~8割の人は、性同一性障害の診断を受けていると思われる。

つまり、司法の場で、性同一性障害(将来的には性別不合)の診断を受けている人の権利(法益)が認められれば、それは、トランスジェンダーの7~8割の法益になるということ。

「それでは駄目だ! 10割でなければ駄目だ!」という「活動家」が多いのは承知しているが、私は7~8割でも、現実的に大きな前進だと思う。

だから、私は嫌われる(笑)



nice!(0)  コメント(0) 

法的に定義されない存在に、法的な措置が規定されることはあり得ない [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月3日(日)

2023年10月25日の「GID特例法」生殖機能喪失要件を違憲とする最高裁判断をはじめ、昨今の司法の判断はすべて性同一性障害者(性同一性障害の確定診断を受けている人)に対するもので、トランスジェンダーに対するものではない。

この点、「活動家」もアンチも誤解している人が多い。

トランスジェンダーという存在は、日本の法律では定義されていないし、今後も定義されない(定義困難)と思う。

法論理として、法的に定義されない存在に、法的な措置(権利の保障、刑罰)が規定されることはあり得ない。

ただし、性的指向およびジェンダーアイデンティティにが尊重され、差別されない権利は、2023年6月成立の「SOGI理解増進法」で、すべての国民に認められている。
そこには当然、トランスジェンダーも含まれる。

性同一性障害という病理(疾病)概念は、WHOなど国際的にはすでに消滅していて、近い将来、WHO加盟国である日本でも消えることは確定的。
したがって、昨今、司法で認められた性同一性障害者の権利がどう継承されるかが問題になる。

常識的に考えれば、「性同一性障害」の実質的な(厳密に言えば違いのだが)後継概念である「性別不
合」の診断を受けた人たちになると思う。
法的に定義されないトランスジェンダーではない。

このあたり、もっと精緻に、論理的に考えなければならないが、「活動家」にしても、アンチの連中にしても、能(脳)力的に無理があるようようだ。






nice!(0)  コメント(0) 

「GID特例法」改正の方向性 [現代の性(性別越境・性別移行)]

3月1日(金)

【メモ】
① 最高裁が「違憲」と判断した法律条文は、即時に効力を失う。

② 国会は、最高裁の判断に反する法律を作ることや、法改正をすることはできない。

③ 国会が、最高裁が「違憲」とした条文を改正することなく長期間放置した事例はある。
 刑法200条の「尊属殺人」の規定。
 1973年に「違憲」判断、1995年条文削除。

④ 日本国憲法は(実際はともかく、建前上は)「男女同権」であり、女性の権利のみを認める法律は作りにくい。
 「女性スペース」だけを守る法律は難しい。
 「女性スペース」を守る法律を作るなら同時に「男性スペース」も、法律で守らなければならない。

⑤ 戸籍上の性別=法律上の性別という大原則を崩し、たとえば、男性を「男性1種」・「男性2種」に、女性を「女性1種」・「女性2種」に分け、法的な権利に差異を設けることは、憲法に定められた「法の下の平等」からも、また実際の運用からしても、かなり困難。 

⑥ WHOのICD-11の施行(2022年1月)により、既に存在しなくなった病名や診断基準に基づいて法改正をすることは、法理的にありえない。
 日本はWHOの加盟国、かつICD-11の採択に賛成している

⑦ 特定の属性の人(トランスジェンダー、さらにTrans-woman)だけをターゲットにし、その人権を制約するような法律は、日本国憲法の「法の下の平等」や国際的な人権規範に照らして、さらにはG7諸国との「価値観の共有」という点でも、あり得ない。

こうやって、一つ一つ確認していけば、「GID特例法」改正の方向性は、おのずから見えてくる。
nice!(0)  コメント(0) 

アジアから捉え直すべきもの [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月24日(土)

昨年11月に「アジアにおける《多様な性》」プロジェクト研究会で話した内容を、少しリニューアルして、昨日、国際基督教大学のゲスト講義「サードジェンダー:多元的ジェンダー観から考える」でお話した。

アジアからの視点でジェンダー&セクシュアリティの枠組み(理論構造)を捉え直すという、現代の日本の学界では、まず確実に黙殺される異端の学説なので、文章化して、どこかに残しておかなければ、と思う。

とりあえずは、自分のブログかな、
でも、このブログも私が死ねば亡くなっちゃうのだけど。

具体的に何を捉え直すべきか。
① 男女二元のジェンダー観をベースにしたトランスジェンダー観。
② (バイセクシュアルを介在するにしても)ホモセクシュアルとヘテロセクシュアルの二項対立的なセクシュアリティ観。
③ 身体本質主義的でジェンダー表現を軽視する性別観。

早い話、ジェンダーが(二元的でなく)多元的であるならば、そこに立脚するセクシュアリティが二項対置構造に収まるはずはないということ。

nice!(0)  コメント(0) 

「性同一性障害特例法」第3条1項4号についての最高裁判所決定(2023年10月25日)の概要 [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月19日(月)

「性同一性障害特例法」第3条1項4号についての最高裁判所決定(2023年10月25日)の概要

【前提】
「自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由が、人格的生存に関わる重要な権利として、憲法13条によって保障されていることは明らかである」

【違憲判断のポイント】
「治療としては生殖腺除去手術を要しない性同一性障害者に対し、身体への侵襲を受けない自由を放棄して強度な身体的侵襲である生殖腺除去手術を受けることを甘受するか、又は性自認に従った法令上の性別の取扱いを受けるという重要な法的利益を放棄して性別変更審判を受けることを断念するかという過酷な二者択一を迫るもの」

【違憲判断の理由】
「性同一性障害特例法」第3条1項4号が、上記のような「二者択一」的構造になっている点が、憲法13条に違反すると判断。

【広島高裁・差し戻し審のポイント】
① 「自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由が、人格的生存に関わる重要な権利」と認定。
② 性同一性障害者にとって「性自認に従った法令上の性別の取扱いを受ける」ことが「重要な法的利益」と認定。

【①についての私見】
4号要件についての手術(睾丸摘出手術)と5号要件についての手術(外性器女性化手術)を比較した場合、ペニスの解体、尿道口の付け替え、外陰部の女性化形成をともなう後者の方が「侵襲」が大きいと、一般的には考えられる。
つまり、広島高裁が①を否定するのは困難。

【②についての私見】
性同一性障害者にとって「重要な法的利益」である「性自認に従った法令上の性別の取扱いを受ける」ことと、それを認めたことによって生じる公共的な不利益との比較。
どちらを重くみるか?

後者を重くみて、男性→女性の場合のみ、5号要件を維持した場合、5号要件が空文化している女性→男性の場合との「重要な法的利益」のアンバランスをどう考えるか?
「男女平等」という法制上の大原則に反しないか?




nice!(0)  コメント(0) 

experienced gender [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月19日(月)

「性自認」に過剰にこだわる「活動家」も、そのアンチの人たちも、はっきり言って時代遅れだと思う。

ICD-11のgender incongruenceも、DSM-5-TRのgender dysphoriaも、すでにgender identityを使っていない。
assigned sexと対比されるのはexperienced gender。

gender identityを使わなくなったのは、やはり定義として不安定さがあるからだと思う。

experienced genderは、経験されてきたジェンダー、補えば、社会生活の中で経験されてきたジェンダー。
知識は、リニューアルしていかなければならない。



nice!(0)  コメント(0) 

「性自認」を法制度に組み込むのは難しい [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月19日(月)

私が「性自認」は基本的に「自称」と言っているのは、性同一性障害の精神的医療の第一人者・針間克己先生の受け売り。

当事者が自称(自訴)してきた「性自認」の継時性・安定性を診察するのが、性同一性障害診断の第一歩。

そもそもアイデンティティなのだから「自称」なのは当然ではないか。

性同一性障害の診断を受けた人は、自訴してきた「性自認」の継時性と安定性が精神科医の診察によって確認されたことになる。
だから、性同一性障害の診断が下りる。

逆に、診察を受けていない人の「性自認」は、継時性と安定性の確認がなされていなく、自訴・自称のまま。

そうした継時性・安定性が確認されていない「性自認」を、そのまま法制度に組み入れるのは、かなり危ういし、社会の安定性という観点からも、すべきではないと思う。

その点、「活動家」の主張と私の考えは、はっきり異なる。1189

法制度に組み込むなら、最低限、精神科医によって継時性と安定性が確認された「性自認」にすべき。
私はそれより、生活の実態(社会の中で経験してきたジェンダー)を重視すべきだと考えている。
まあ、その証明もなかなか難しいのだが。
nice!(0)  コメント(0) 

トランスジェンダーの人数推計 [現代の性(性別越境・性別移行)]

2月12日(月・休)

もう何度も書いているが、トランスジェンダーの人数推計。

トランスジェンダーを「誕生時に指定された性別とは異なる性別(ジェンダー)で生活している人」と定義するなら、その全人口比は推定0.1~0.2%。

つまり、日本の人口を1億2500万人とすると、12~25万人。

そのうち、12000人が戸籍の性別を変更済み(ほぼ確定値)。
変更率は5~10%(10~20人に1人)。

性比はおよそ2:1なので、戸籍変更済みのTrans-womanは約4000人、Trans-manは約8000人。

確実なデータはないが、推測値として大きな誤り(桁が違うような)はないはず。

それにしても思うのは、「活動家」はなぜトランスジェンダーの人数を多めに推計するのだろう?
そんなことしても意味はないのに。

nice!(0)  コメント(0) 
前の10件 | 次の10件 現代の性(性別越境・性別移行) ブログトップ