Trans-womanのオリンピック出場が実現へ [現代の性(性別越境・性別移行)]
6月13日(日)
Trans-womanのオリンピック出場が実現しそうだ。
それ自体は喜ばしいことだが、同時に女子競技の公平性の確保という観点で難しい問題が生じてくる。
ローレル・ハバード選手、ランキング7位で出場権獲得ということは、順当ならメダルはともかく入賞ライン(8位)には入ってきそうだ。
この選手は、既存のルールを遵守して出場資格を獲得したわけで、ルール違反をしているわけではない。
むしろ、オリンピックの直前になってルールを変更して排除(出場不可に)するのは、アンフェアーだ。
ただし、前にも書いたが、Trans-womanの女子競技出場についてのIOCの現行の基準(血中テストステロン値の継続的抑制)は、やや甘いと思う。
オリンピック開催の直前になってルールを変えるわけにはいかないが、女子競技の公平性の維持という観点からして、東京オリンピックの状況をみて改訂されるべきだろう。
たとえ話をすると、私が町内ボーリング大会・高齢女性の部に出場して、たまたま調子が良く3位に入り、台所洗剤2本の賞品をもらうことになったら、やはり辞退する。
女性ホルモン投与ではほとんど変わらない、身体(体格)の大きさ、とりわけ骨格の優位さなどアンフェアーな要素があることを自覚していたら、賞品もらうわけにはいかない。
競技スポーツにおける公平性って、なにより重要なものだと思う。
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トランスジェンダー選手、五輪へ
国際重量挙げ連盟(IWF)は11日、東京五輪の出場権獲得選手を発表し、女子87キロ超級で、性別適合手術で男子から女子に性別を転換したローレル・ハバード(ニュージーランド)が入った。トランスジェンダーの選手が五輪に出場するのは初めてとなる。
43歳のハバードは、2013年に性別適合手術を受けるまでは男子として競技をしていた。今後、ニュージーランド・オリンピック委員会が、付与された出場権の行使を確認するなどの手続きを経て正式決定となる。
ライバルとなる一部選手からは、同選手の身体的優位性を指摘し「競技が公平でなくなる」といった不満も出ている。(共同)
『朝日新聞』2021年6月12日 23時36分
https://www.asahi.com/articles/GCO2021061201000882.html
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<解説>「自分らしく」広がる議論 重量挙げNZ女子選手、五輪へ
重量挙げ女子87キロ超級のローレル・ハバード(ニュージーランド)が、性別の変更を公表したアスリートとして史上初めて五輪出場権を獲得した。ジェンダー平等の意味や自分らしく生きることの価値について議論が広がりそうだ。▼社会面参照
ニュージーランド五輪委員会などが支援する一方、ハバードは国内外から批判を受けている。ニュージーランドは性的少数者が社会的に認められた国だが、女性の権利を主張する団体は、ハバードが女子で競技することを非難している。
ニュージーランドの公共放送の取材にハバードは「自分は自分。他人の意見を変えるつもりはない」と語ったことがある。2019年世界選手権で朝日新聞社の取材に「東京五輪に出たい」と話したが、性別変更については口を閉ざした。
重量挙げニュージーランド代表のコーチは「男子が女子になれば勝てるという単純な話ではない」。ホルモン治療を受けたトランスジェンダー女性が競技上有利という科学的根拠は、既存の研究を網羅した分析で見つかっておらず、IOCをはじめスポーツ科学の権威は、身長や筋肉の量など外見の違いを「個人差」とみなしている。(忠鉢信一)
『朝日新聞』2021年6月13日 5時00分
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14938181.html?pn=2
Trans-womanのオリンピック出場が実現しそうだ。
それ自体は喜ばしいことだが、同時に女子競技の公平性の確保という観点で難しい問題が生じてくる。
ローレル・ハバード選手、ランキング7位で出場権獲得ということは、順当ならメダルはともかく入賞ライン(8位)には入ってきそうだ。
この選手は、既存のルールを遵守して出場資格を獲得したわけで、ルール違反をしているわけではない。
むしろ、オリンピックの直前になってルールを変更して排除(出場不可に)するのは、アンフェアーだ。
ただし、前にも書いたが、Trans-womanの女子競技出場についてのIOCの現行の基準(血中テストステロン値の継続的抑制)は、やや甘いと思う。
オリンピック開催の直前になってルールを変えるわけにはいかないが、女子競技の公平性の維持という観点からして、東京オリンピックの状況をみて改訂されるべきだろう。
たとえ話をすると、私が町内ボーリング大会・高齢女性の部に出場して、たまたま調子が良く3位に入り、台所洗剤2本の賞品をもらうことになったら、やはり辞退する。
女性ホルモン投与ではほとんど変わらない、身体(体格)の大きさ、とりわけ骨格の優位さなどアンフェアーな要素があることを自覚していたら、賞品もらうわけにはいかない。
競技スポーツにおける公平性って、なにより重要なものだと思う。
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トランスジェンダー選手、五輪へ
国際重量挙げ連盟(IWF)は11日、東京五輪の出場権獲得選手を発表し、女子87キロ超級で、性別適合手術で男子から女子に性別を転換したローレル・ハバード(ニュージーランド)が入った。トランスジェンダーの選手が五輪に出場するのは初めてとなる。
43歳のハバードは、2013年に性別適合手術を受けるまでは男子として競技をしていた。今後、ニュージーランド・オリンピック委員会が、付与された出場権の行使を確認するなどの手続きを経て正式決定となる。
ライバルとなる一部選手からは、同選手の身体的優位性を指摘し「競技が公平でなくなる」といった不満も出ている。(共同)
『朝日新聞』2021年6月12日 23時36分
https://www.asahi.com/articles/GCO2021061201000882.html
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<解説>「自分らしく」広がる議論 重量挙げNZ女子選手、五輪へ
重量挙げ女子87キロ超級のローレル・ハバード(ニュージーランド)が、性別の変更を公表したアスリートとして史上初めて五輪出場権を獲得した。ジェンダー平等の意味や自分らしく生きることの価値について議論が広がりそうだ。▼社会面参照
ニュージーランド五輪委員会などが支援する一方、ハバードは国内外から批判を受けている。ニュージーランドは性的少数者が社会的に認められた国だが、女性の権利を主張する団体は、ハバードが女子で競技することを非難している。
ニュージーランドの公共放送の取材にハバードは「自分は自分。他人の意見を変えるつもりはない」と語ったことがある。2019年世界選手権で朝日新聞社の取材に「東京五輪に出たい」と話したが、性別変更については口を閉ざした。
重量挙げニュージーランド代表のコーチは「男子が女子になれば勝てるという単純な話ではない」。ホルモン治療を受けたトランスジェンダー女性が競技上有利という科学的根拠は、既存の研究を網羅した分析で見つかっておらず、IOCをはじめスポーツ科学の権威は、身長や筋肉の量など外見の違いを「個人差」とみなしている。(忠鉢信一)
『朝日新聞』2021年6月13日 5時00分
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14938181.html?pn=2
2021-06-14 15:27
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