北関東の闇はまだ晴れない [事件・事故]
６月３日（火）
2005年12月に栃木県今市市で起こった幼女誘拐殺人事件が、事件発生から９年にして、ようやく容疑者が逮捕された。
被害者のご両親の無念が晴れるわけではないが、地域社会には安堵感があるだろう。
しかし、北関東（栃木県・群馬県）には、まだ数多くの未解決の幼女殺人・行方不明事件が残されている。
（１） 1979年 福島万弥ちゃん（5歳）殺害事件
8月3日、栃木県足利市八雲神社で失踪、同9日、渡良瀬川河川敷で遺体発見
（２） 1984年 長谷部有美ちゃん（5歳）殺害事件
11月17日、足利市内のパチンコ店で失踪 、1986年3月7日、足利市内の畑で白骨遺体発見
（３） 1987年 大沢朋子ちゃん（8歳）殺害事件
9月15日 、群馬県尾島町で失踪、 88年11月27日、利根川河川敷で白骨遺体発見
（４） 1990年 松田真美ちゃん（4歳）殺害事件（「足利事件」）
5月12日、足利市内のパチンコ店で失踪、 翌日、渡良瀬川河川敷から遺体発見
1991年12月2日、Ｋ家Ｔ和さんを殺人容疑で逮捕
1993年7月7日、宇都宮地方裁判所で無期懲役判決
1996年5月9日、東京高等裁判所が控訴棄却
2000年7月17日、最高裁判所で第一審の無期懲役判決が確定。Ｋ家さんは千葉刑務所に服役
2009年5月8日、再鑑定でＫ家さんと犯人のDNA型の不一致が判明
同6月4日、Ｋ家さん、千葉刑務所より釈放
2010年3月26日、宇都宮地裁でＫ家さんの再審無罪が確定
（５） 1996年 横山ゆかりちゃん（4歳）行方不明事件
7月7日、太田市内のパチンコ店から失踪
（１）～（４）は、幼女を誘拐して殺害し、遺体を川原などに遺棄する手口から、同一犯人による連続殺人事件の可能性が強く指摘されている。
（５）は、いまだに行方不明だが、パチンコ店で誘拐された点が（２）（４）と同様で、（１）～（４）と一連であつ可能性が高い。
年表にしてみると、1991年12月のＫ家さんの誤認逮捕が（１）～（４）の真犯人捜査の大きな妨げになったことがわかる。
さらに（５）の捜査にも大きな影響を与えたことも間違いない。
最初の事件からすでに35年の歳月が流れている。
なんの罪もない幼女を（おそらく）５人も無惨に殺害した犯人が野放しになっている現状、なんとかならないものなのだろうか。
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栃木・今市の女児殺害事件、３２歳男を殺人容疑で逮捕
栃木県今市市（現日光市）で２００５年、市立大沢小学１年の吉田有希（ゆき）さん（当時７）が下校途中に連れ去られて刺殺された事件で、栃木、茨城両県警の合同捜査本部は３日、栃木県鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉容疑者（３２）を殺人容疑で逮捕し、発表した。「殺したことは間違いありません」と容疑を認めている、と両県警は説明している。
発表によると、勝又容疑者は０５年１２月１日午後２時４０分ごろ、同級生と別れて１人になった下校途中の有希さんを車で連れ去り、翌２日午後２時までの間に、有希さんの胸をナイフのような刃物で十数回刺し、殺害した疑いが持たれている。遺体は同日午後、約６５キロ離れた茨城県常陸大宮市の山林で見つかった。
捜査関係者によると、勝又容疑者の自宅から押収したビデオ画像の中に、連れ去ってから遺体を遺棄するまでの間に撮影されたとみられる有希さんの姿が映っていたという。
捜査本部によると、勝又容疑者は有希さんを連れ去って殺害、遺棄したことを認めたうえで、「今言えることは、有希さんにごめんなさいという気持ちです」と供述しているという。
有希さんと面識はなかったが、有希さんと同じ大沢小を卒業しており、幼少期に連れ去り現場の近くに住むなど、土地勘があった。事件当時は連れ去り現場から数キロ離れた鹿沼市内に１人で住んでいたという。
捜査関係者の話では、勝又容疑者は事件後まもなく、「不審者」として捜査線上に浮上していたが、目撃情報や物的証拠が少なく、捜査は難航。今年１月２９日、偽ブランド品を販売目的で持っていたとして、商標法違反の疑いで栃木県警が現行犯逮捕した。
その後、宇都宮地裁に起訴されて勾留中の２月中旬ごろ、県警の事情聴取に対していったん、有希さん殺害をほのめかす供述をした。ただ、凶器や有希さんの衣服やランドセルなどについて、勝又容疑者は「捨てた」などと話し、見つかっていない。
一方、勝又容疑者宅の家宅捜索で、栃木県警は所持が禁じられている刃物を押収。勝又容疑者は銃刀法違反の罪でも追起訴された。捜索では、幼児性愛に関するものや猟奇的なものが映った画像や本も見つかったという。捜査本部は押収した刃物について「凶器ではない」と説明している。
勝又容疑者の弁護士は３日夜、朝日新聞の取材に対して、「いまのところコメントできない」と答えた。
『朝日新聞』2014年6月3日21時31分
2005年12月に栃木県今市市で起こった幼女誘拐殺人事件が、事件発生から９年にして、ようやく容疑者が逮捕された。
被害者のご両親の無念が晴れるわけではないが、地域社会には安堵感があるだろう。
しかし、北関東（栃木県・群馬県）には、まだ数多くの未解決の幼女殺人・行方不明事件が残されている。
（１） 1979年 福島万弥ちゃん（5歳）殺害事件
8月3日、栃木県足利市八雲神社で失踪、同9日、渡良瀬川河川敷で遺体発見
（２） 1984年 長谷部有美ちゃん（5歳）殺害事件
11月17日、足利市内のパチンコ店で失踪 、1986年3月7日、足利市内の畑で白骨遺体発見
（３） 1987年 大沢朋子ちゃん（8歳）殺害事件
9月15日 、群馬県尾島町で失踪、 88年11月27日、利根川河川敷で白骨遺体発見
（４） 1990年 松田真美ちゃん（4歳）殺害事件（「足利事件」）
5月12日、足利市内のパチンコ店で失踪、 翌日、渡良瀬川河川敷から遺体発見
1991年12月2日、Ｋ家Ｔ和さんを殺人容疑で逮捕
1993年7月7日、宇都宮地方裁判所で無期懲役判決
1996年5月9日、東京高等裁判所が控訴棄却
2000年7月17日、最高裁判所で第一審の無期懲役判決が確定。Ｋ家さんは千葉刑務所に服役
2009年5月8日、再鑑定でＫ家さんと犯人のDNA型の不一致が判明
同6月4日、Ｋ家さん、千葉刑務所より釈放
2010年3月26日、宇都宮地裁でＫ家さんの再審無罪が確定
（５） 1996年 横山ゆかりちゃん（4歳）行方不明事件
7月7日、太田市内のパチンコ店から失踪
（１）～（４）は、幼女を誘拐して殺害し、遺体を川原などに遺棄する手口から、同一犯人による連続殺人事件の可能性が強く指摘されている。
（５）は、いまだに行方不明だが、パチンコ店で誘拐された点が（２）（４）と同様で、（１）～（４）と一連であつ可能性が高い。
年表にしてみると、1991年12月のＫ家さんの誤認逮捕が（１）～（４）の真犯人捜査の大きな妨げになったことがわかる。
さらに（５）の捜査にも大きな影響を与えたことも間違いない。
最初の事件からすでに35年の歳月が流れている。
なんの罪もない幼女を（おそらく）５人も無惨に殺害した犯人が野放しになっている現状、なんとかならないものなのだろうか。
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栃木・今市の女児殺害事件、３２歳男を殺人容疑で逮捕
栃木県今市市（現日光市）で２００５年、市立大沢小学１年の吉田有希（ゆき）さん（当時７）が下校途中に連れ去られて刺殺された事件で、栃木、茨城両県警の合同捜査本部は３日、栃木県鹿沼市西沢町、無職勝又拓哉容疑者（３２）を殺人容疑で逮捕し、発表した。「殺したことは間違いありません」と容疑を認めている、と両県警は説明している。
発表によると、勝又容疑者は０５年１２月１日午後２時４０分ごろ、同級生と別れて１人になった下校途中の有希さんを車で連れ去り、翌２日午後２時までの間に、有希さんの胸をナイフのような刃物で十数回刺し、殺害した疑いが持たれている。遺体は同日午後、約６５キロ離れた茨城県常陸大宮市の山林で見つかった。
捜査関係者によると、勝又容疑者の自宅から押収したビデオ画像の中に、連れ去ってから遺体を遺棄するまでの間に撮影されたとみられる有希さんの姿が映っていたという。
捜査本部によると、勝又容疑者は有希さんを連れ去って殺害、遺棄したことを認めたうえで、「今言えることは、有希さんにごめんなさいという気持ちです」と供述しているという。
有希さんと面識はなかったが、有希さんと同じ大沢小を卒業しており、幼少期に連れ去り現場の近くに住むなど、土地勘があった。事件当時は連れ去り現場から数キロ離れた鹿沼市内に１人で住んでいたという。
捜査関係者の話では、勝又容疑者は事件後まもなく、「不審者」として捜査線上に浮上していたが、目撃情報や物的証拠が少なく、捜査は難航。今年１月２９日、偽ブランド品を販売目的で持っていたとして、商標法違反の疑いで栃木県警が現行犯逮捕した。
その後、宇都宮地裁に起訴されて勾留中の２月中旬ごろ、県警の事情聴取に対していったん、有希さん殺害をほのめかす供述をした。ただ、凶器や有希さんの衣服やランドセルなどについて、勝又容疑者は「捨てた」などと話し、見つかっていない。
一方、勝又容疑者宅の家宅捜索で、栃木県警は所持が禁じられている刃物を押収。勝又容疑者は銃刀法違反の罪でも追起訴された。捜索では、幼児性愛に関するものや猟奇的なものが映った画像や本も見つかったという。捜査本部は押収した刃物について「凶器ではない」と説明している。
勝又容疑者の弁護士は３日夜、朝日新聞の取材に対して、「いまのところコメントできない」と答えた。
『朝日新聞』2014年6月3日21時31分
2014-06-03 21:49
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