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8月3日(土)「水商売研究会」旗上げ研究報告会・準備会 [お勉強(研究会)]

8月3日(土) 曇り  東京  30.8度  湿度53%(15時)
10時、起床。
朝食は、グレープフルーツデニッシュとコーヒー。
シャワーを浴びて、髪と身体を洗う。
髪をよくブローして、あんこを入れて頭頂部で結んでシュシュを巻く。
化粧と身支度。
黒地に茶色と白の草花紋のワンピース(2分袖)、黒のサンダル、大きな籠バッグ。
12時少し前、家を出る。
自宅最寄り駅から東急東横線で武蔵小杉駅へ、JR横須賀線に乗り換えて東京駅へ。
武蔵小杉~東京駅はわずか18分、
13時、東京駅北側(丸の内1丁目)の超高層ビル「サピアタワー」(地上35階、地下4階)へ。
このビル、11~26階はオフィス、27~34階には「メトロポリタンホテル東京」が入っているが、9~10階は地方大学のサテライト・オフィスが、まるで大学マンションのようにたくさん(12大学も)入居している。
そのうちのひとつ、10階の北海道大学・東京オフィスで、10月に開催する小さな研究会の打ち合わせ。
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同日、慶應義塾大学三田キャンパスで開催される第86回日本社会学会大会の並行プログラム「オルタナ日本社会学会」の中で「『水商売研究会』旗上げ研究報告会」を開催する予定。
【テーマ】「水商売ワーカーが見た『性』と『恋愛』」
【日時】2013年10月12日(土) 午後(時間未定)。
【会場】「三田の家」(東京都港区芝5-23-2、JR田町駅、都営地下鉄三田駅より、徒歩約5分)
http://mita.inter-c.org/?page_id=3
【報告者】
① 三橋順子「女装系スナックの恋愛と性の構造的特質」
② 中田梓音「スナックママの恋愛リスクマネジメント」
③ 松田さおり「銀座ホステスたちの『シスターフッド』」
④ 鹿野由行「出会い系テクノロジーがゲイコミュニティに与えた影響」
⑤ 川畑智子「恋愛の商品化と性の自己管理-―ホステスワークを振り返る―」
報告終了後、合同討論。

会場のキャパシティが小さいので、参加希望者の方は先着15名様まで。
なお「スナック水研」を併設予定。
ビール、各種水割、飲めます(高学歴ホステスがお相手します)。
カンパお願いします。

三橋の報告は「女装系酒場における『恋愛』と『性』の構造的特質」(仮題)。
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打ち合わせしながら、いろいろ話が流れる。
日本のセックスワーカーの状況改善を妨げている最大の障害は「売春防止法」であるという「諸悪の根源としての『売春防止法』」という見解で一致。
話が合う人(めったにいない)との学問的おしゃべりは楽しい。
予定を大幅にオーバーして、17時45分、辞去。

18時45分、自宅最寄り駅でパートナーと子供と待ち合わせ。
子供の希望で駅前の回転寿司へ。
私とパートナーは6皿、子供は12皿。
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20時前、帰宅。
なぜか疲労感が強く、2時間ほど仮眠。
それでも体調、回復せず、仕事にならない。
就寝、3時。

6月30日(日)京都芸術センター(旧・明倫小学校)/「水研」打ち合わせ [お勉強(研究会)]

6月30日(日)  曇り   京都  29.7度  湿度54%(15時)
7時半、起床(ヴィアイン京都四条室町)。
朝食は、アップル・デニッシュとコーヒー。
シャワーを浴びて、身体と髪を洗い、髪はよくブローして、あんこを入れて頭頂部で結びシュシュを巻く。
のんびり化粧と身支度。
黒地に茶色と白で植物柄のチュニック(3分袖)、黒のレギンス(5分)、黒のサンダル、黒のトートバッグ。
10時、チェックアウト。
地下鉄で京都駅へ。コインロッカーに荷物を預ける。
地下街の「イノダコーヒー」でコーヒーを飲みながら、明治大学「ジェンダー論」のコメント票を読む。
『朝日新聞』の書評欄に『性欲の研究』の紹介が載っているのに気付く。
これで少しは売れるかな?

11時半、四条に戻り、室町通蛸薬師下ルの「京都芸術センター」へ。
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ここは1869年(明治2)開校の京都市立明倫小学校が1993年に廃校になった後、建物をほとんどそのまま利用している。
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主な建物は、1931年(昭和6)建造のモダン建築で、2008年に国の登録有形文化財に指定された。
少し時間があったのであちこち見学。
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↑ 前庭にある二宮金次郎先生の石像。
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↑ 玄関の三角屋根の端が微妙に反っているいるところなど絶妙。
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↑ 玄関は擬似アーチと三角構造の組み合わせ。
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↑ 玄関ポーチのステンドグラス。
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↑ 講堂の入口。アーチ型の装飾が優美。
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↑ 最上層に並ぶ丸窓。
京都の定宿の「ヴィアイン」のすぐ道向なので、前は何度も通っているが、中に入るのは初めて。
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↑ 階段の手すりの支柱。小学校とは思えない贅沢な装飾。
バリアフリー化が施され、トイレはきれいに改装されているが、廊下は当時のままでかなり傷んでいる。
ギシギシ鳴るし、私のような重い人が歩くと床板がたわむのがわかる。
いずれ改装しないともたないだろう。
12時過ぎ、旧教室をそのまま利用した「カフェ・マエダ」(前田珈琲・明倫店)で昼食。
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↑ トマト・スパゲッティ+ポテトサラダ(800円)。
建物に合わせているのか、見かけも味もかなりレトロ。

食事をしながら、松田さおりさん(宇都宮共和大学専任講師)、中田梓音さん(総合研究大学院大学院生)と今秋立ち上げ予定の「(表向き)ホスピタリティー文化研究会=(実は)『水商売』研究会(略称:水研)」について、簡単な打ち合わせ。
「水研旗揚げミニ・シンポジウム」は10月12日(土)か13日(日)のどちらかに東京の三田で開催。
シンポジウムのテーマは、「水商売従業者の恋愛と性」(仮題)。
私も報告(内容的には漫談)をする予定。
(続く)

5月25日(土)関西出張(2日目の2:ビューティ・サイエンス学会) [お勉強(研究会)]

5月25日(土)  晴れ  奈良  28.8度  湿度 46%(15時)
(続き)
奈良女子大学に来たのは「2013年度ビューティ・サイエンス学会:歴史のなかの男性美とジェンダー」に参加するため。
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受付をしたら、「これから総会なので、大会は14時半からですので、その時刻にまたおいでください」とのこと。
実は、この「ビューティ・サイエンス学会」、ネットで調べても、どういう学会なのかよくわからなかった。
なにしろ今回の「大会」のサイトすらない。
「総会」を陪聴して情報収集をしようと思っていたのだが、非会員は入れてくれないのでは仕方がない。
でも1時間40分、どうやって時間を潰そう?
まず、生協を見学。
昼ご飯はもう食べたので学食の試食もできない。
仕方なく、風が通る学食のベランダで本を読むことにする。
しばらくして・・・、
「三橋さん、ですよね」
顔を上げると、え~と・・・。
「ずいぶん前にA川さん母子とご一緒した佐藤です。今は辻と言います」
ああ、そうだ、あの時の・・・。
彼女も学会の受付をした後、時間が空いてしまったらしい。
これは救いの神、ということで、東向北商店街の紅茶専門店「ANNE-MARIE CAFE(あんぬ・まりーかふぇ)」に連れて行ってもらう。
1時間少しおしゃべり。
今、彼女は奈良女子大学の博士課程に在学し、法律事務所でアルバイトをしているとのこと。
辻晶子「今東光『稚児』と『弘児聖教秘伝私』」(奈良女子大学『叙説』38号、2011年)という論文抜刷をいただく。
また昨年、結婚して姓が変わったとのこと。
それは、おめでとう。
若い知人が人生も勉学も充実している様子に接して、うれしかった。

辻さんと奈良女に戻って、学会会場へ。
武田佐知子さんにご挨拶。
14時30分、開会。
【講演1】浅野秀剛(大和文華館館長)「近世絵画にみる男性美―浮世絵を中心に―」
最後に見せてくださった男色春画(男性と歌舞伎の女形・若衆方)の画帖が興味深かった。

【講演2】武田佐知子(大阪大学教授)「日本古代における異性装の位相―衣服のかたちと愛のかたち 男性美と女性美の相似性にFocusして―」
武田さんの講演を聞くのが今回の私の目的。
『とりかえばや物語』、『源氏物語』、『落窪物語』などを引用しながら、平安時代の衣服、とりわけ下着の男女相似性を論証。
単+緋色の下袴という下着の形態に男女同形で性差がなかった。
逆に言えば、男女間で互換性がある(下着女装は成り立たない)。
したがって、下着姿の場合、男性を女性に見立てることも比較的容易(ただし、男性は被り物=烏帽子を常時着けているが)。
異性装(女装、男装)が成り立つには、男女の服装差が明瞭で、性別指標が明確であることが前提になるが、平安時代の下着の場合、その前提が成り立たないということ。

【研究報告1】山辺規子(奈良女子大学教授)「中世ヨーロッパの男性ファッション」
14世紀中頃の騎士の鎧の変化(鎖帷子→鋼鉄板鎧)が、新しい男性服の出現につながった。
コッドピース(codpiece=ペニス袋、股袋)は鎧にもあったのだ。

【研究報告2】鈴木康史(奈良女子大学准教授)「大正元年の『男性美』論―笹川臨風『男性美』を中心に―」
笹川臨風『男性美』(1912年)の紹介と分析。
「男性美」の内容はほとんど精神論で、容姿についてはまったく触れられていない。
明治末年段階で「男は顔ではない、心だ」という言説が成立していた資料として使える。

17時半過ぎ、閉会。
18時半、小西町の「Bistro Le Petit Paris( ビストロ プティ パリ)」で懇親会。
「フランスの食堂」と名乗っている、わりと気軽に入れそうなフレンチ。
今日はコース料理+飲み放題で、テーブル席に着いて自分で料理を取りに行く形式。
肉料理中心で、なかなかおいしかった。ただ、エスカルゴはイマイチ。
それと、パンももうワンランクアップしてほしい。
武田さん、そして奈良女の先生方(近世医学史の鈴木則子教授、ジェンダー法学の三成美保教授、西洋中世史の山辺規子教授)と、話に花が咲き、料理を取りに行くタイミングが難しかった。

2次会は、武田さん、鈴木則子さん、三成さん、鈴木康史さん、社会学の小川伸彦教授、それに私の6人で、角振町の「COCK−TAIL」というバーへ。
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また、いろいろおしゃべりしているうちにそろそろ終電の時間に。
電車で帰る三成さん、鈴木康史さんが離脱。
ホテル泊りの武田さん、鈴木則子さん、私が残り、小川さんが付き合ってくださる。
0時、これでお開きかなと思ったら、もう1軒ということになる。
店を出て、ふと路上を見ると、武田さんのバッグがだけがあり、ご本人は少し先を千鳥足。
仕方なく、私が引いていく(まあ、最初からお供のつもりだから)。

3次会は近鉄奈良駅近くのビルの地階にあるワインバー「カーヴ・ド・ムスタッシュ (Cave de Moustasche)」。
素人でもワインの品揃えがすばらしいことがわかる。
オーナーも気さくで素敵な方(もう閉店の支度をしていたのに入れてくださった)。
かなりボルドーのずっしり重い赤ワインをいただき、私も酔っぱらう。
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閉店時間(2時)になったので、オーナーに目配せして、私が率先して腰を上げる。

近鉄奈良駅前に出ても、東京と違って、この時間の奈良はタクシーがいない。
小川さんが、電話してタクシーを呼んでくださった(ほんとうにお世話になりました)。
私は距離的には歩いて帰れたが、知らない街の夜中の1人歩きは止めたほうがいいので、武田さん・鈴木さんのタクシーに便乗。

ホテル帰還は2時半。
呼び鈴を鳴らしても、フロント係がなかなか出てこない
かなり大きな声で呼んでやっと出てきた。
居眠りしていた様子がありあり。

部屋に入って、化粧だけ落として倒れるようにベッドへ。
就寝、3時。

品川プリンスホテル・Nタワーで… [お勉強(研究会)]

4月4日(木)
(続き)
15時過ぎ、品川駅に到着。
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高輪口に降りるのは超久しぶり(20年ぶりくらい?)、目的地の「品川プリンスホテル」は見えているのだけど、どう行ったらいいのかしばらく迷う。
15時半、「品川プリンスホテル・Nタワー」に宿泊中の東優子さん(大阪府立大学教授)と待ち合わせ。
3月29日オープンしたばかりの17階のビジネスラウンジへ。
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こんな感じで、広く快適なラウンジ。
使用料は宿泊者「2時間無料」。
一度出てまた入ればOKなので実質「ずっと無料」。
宿泊客のゲストは1時間800円(現在はキャンペーン中で500円)。
コーヒーなど飲み放題なので、普通の喫茶店と同レベルの料金。
で、エプソンと提携しているので高性能プリンターは使用料がかからない。
エプソンから派遣されている?きれいなお姐さん(女性アシスタント)が3人いて、いろいろお世話してくれる。
東京のシティホテルは、海外からのビジネス客をターゲットに、ビジネスルームの充実に力を入れていると聞いてはいたが、日頃は縁のない世界なので「なるほど~ぉ」と思ってしまった。

少し遅れて、新任の勤務先から佐々木掌子さんが駆けつけてる。
東さんが中心になって進めているWPATH(World Professional Association for Transgender Health=世界トランスジェンダー健康専門協会。旧:ハリーベンジャミン国際性別違和協会)の「Standards of Care, 7th Version」(SOC-7、「性別違和への対処に関する指針・第7版」)の日本語訳の検討会。
http://www.wpath.org/publications_standards.cfm
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英語が全然できない私が、なぜそんな場にいるのか不思議なのだが・・・。

言葉は難しい。
たとえば、英語のSex Reassignment Surgery (SRS)を、現在、日本では「性別適合手術」と翻訳しているが、これは誤訳とは言わないが、かなりの「曲訳」である。
直訳すれば「性別再割り当て手術」であり、原語のニュアンスを反映させる訳語としては、一時期使われていた「性別再指定手術」の方が明かに適訳だと思う。
逆に日本語の「性別適合手術」を英訳したら(Sex conformable Surgery?)、海外では通用しない。

言葉を翻訳するときには、できるだけ原議に忠実に、そして日本語として不自然でない訳語にすべきで、学界政治的な思惑や一部の当事者(この言葉も政治的で問題が多い言葉だ)へのおもねりなどで、ねじ曲げるべきではない。

2時間ほどあれこれ議論して、作業はあまり進まなかったが、言葉ひとつひとつ、ちゃんと考えていかなければいけないということを再認識した有意義な時間だった。

17時半、散会。
東さんは銀座で大学時代の同窓会へ、佐々木さんと隣駅の大崎までごいっしょして、私は恵比寿駅へ。
(続く)

3月28日(木)多摩ジェンダー教育ネットワーク例会 [お勉強(研究会)]

3月28日(木)  曇り  東京  20.1度  湿度58%

10時、起床。
朝食は、アップルデニッシュとコーヒー。
シャワーを浴びて、髪にあんこを入れて頭頂部でまとめてシュシュを巻く。

駒沢女子大学・日本文化研究所『日本文化研究』に掲載予定の「(講演録)『男の娘(おとこのこ)』なるもの―その今と昔・性別認識を考える―」の初校ゲラをもう一度チェックして、加筆箇所のファイルを作る。

13時、化粧と身支度。
黒地に紫とグレーで花柄のチュニック(8分袖)、裾にラインストーンが入った黒のレギンス(6分)、黒網のストッキング、黒のショートブーツ、黒のトートバッグ。
黒のカシミアのショール。

14時20分、家を出る。
今日は暖かい。
20分ほど歩いて武蔵小杉駅へ。
駅構内の「讃岐うどん」で昼食。
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14時58分発のJR南武線立川行きに乗り、分倍河原駅へ。
分倍河原駅の南武線ホームから跨線橋を上がると目の前が京王本線の八王子方面行ホームでとても便利。
15時36分の特急に乗って、15時39分、聖蹟桜ヶ丘駅に到着。

ぜんぜん知らない駅なので、改札口の手前にある案内板を見ていたら、「三橋さん」という声。
振り向くと旧知の恵泉女学園大学の稲本万里子先生。
ご無沙汰のご挨拶をしながら、二人して聖蹟桜ヶ丘駅前の「ヴィータ・コミューネ」という「それってどこの国の施設?」と言いたくなるような集合施設を探す。
エレベーターで大妻女子大学の石川照子先生と出会い、7階の「TAMA女性センター」に到着。

16時、「第14回多摩ジェンダー教育ネットワーク会合」に出席。
この会、以前はほとんど毎回出席していたが、ちょっと気持ちが傷つくことがあって、足が遠のいていた。
2011年3月7日(第7回)以来なので2年ぶり、ほんとうに久しぶりの参加。

今回は、近日『女子プロレスラーの身体とジェンダー -規範的「女らしさ」を超えて』(明石書店)を刊行される合場敬子明治学院大学教授(ジェンダー論)が「身体とジェンダーの関係をどう教えるか」というテーマでお話される。

私もジェンダー論の講義で「身体とジェンダーの関係」をどう理解し、学生に伝えるかに苦心しているので、お話をうかがいに出掛けた。

いろいろ興味深いお話だったが、とくに興味を引かれたのは、スポーツとジェンダーの問題。
合場さんは「スポーツの中でも、自分の身体を使って、相手の身体に対して攻撃する要素があるスポーツを闘争的スポーツと呼ぶ」。
そして、「この闘争的スポーツは、日本において、女性に奨励されていない」、したがって「身体接触を経験したり、攻撃性を発露することから女性が排除されている」と指摘する。
その結果「闘争的スポーツを経験していない、多くの女性たちは、他人の身体への慣れや、攻撃や防御の技術を身につけられないし、暴力を振るわれたときに対抗する手段や意識を発達させることができない」とする。
(合場敬子「闘う技能と自己防衛:女子プロレスラーの身体とジェンダー」『ジェンダー&セクシュアリティ』3、2008年)

全体傾向としては、確かにその通りだろう。
そこで、自分の体験を考えてしまう。

20年近く前、ゴールデン街で遊んで帰ろうとした夜中、花園神社裏の路上で酔っ払いオヤジに絡まれ、無視して歩いていたら、いきなり後ろから右腕を掴まれたことがあった。
「何するのよ!」と言いながら、引っ張られた勢いそのままに腰を相手に密着して、同時に肩にかかった手を外して掴んで引きながら体を左足後回りでさばく。
すると柔道の浮腰のような形になり、オヤジは路面に横転。
私もハイヒールだったのでよろけて、ついオヤジの股間を踏んづけてしまった(けっして、わざとではありません)。

あるいは、17年ほど前、当時、お手伝いホステスをしていた新宿歌舞伎町の「ジュネ」で、ボックス席の端の丸椅子に座っていたら、トイレから戻ってきた自称野獣系の酔っ払いオヤジがいきなり「うぉー」と言いながら圧し掛かってきた。
反射的に相手に正対して両脚を体に引きつけ圧し掛かかるオヤジの下腹に充てて相手の勢いを利用して跳ねあげ、同時にYシャツの袖を掴んで強く引いていた。
オヤジの体がフワッと浮いたところで、「いかん、ここは店の中だ、相手はお客さんだ」と気づいて力を緩めた。
後で、その客に「お前、あの時、俺を投げようとしただろう」と言われ、「いやだ~ぁ、そんなことできるわけないでしょう。ものの弾みですよ~ぉ」と誤魔化したが、力を緩めなかったらきれいな巴投げが決まっていたと思う。

こういう時って、こうしようと思ってしているわけではない。
反射的に身体が動くのだ。

だから、痴漢に対しても、電車の中でお尻をぎゅっと掴まれたら、間髪入れず肘打ちを入れる(もしかすると誤爆してたかもしれない)。
後ろから手が回ってきてお乳を掴まれた時には、脇を締めて腕を固めて、相手の小指を思い切り捻じ曲げていた(変な音がした)。

子供の頃から、喧嘩に次ぐ喧嘩、相撲にプロレスごっこ、それにアマレスの講習会、高校時代の体育で柔道にラグビーと、合場さんが言う、「女子には奨励されない『闘争的スポーツ』」のトレーニングをたっぷりしてきた。

だから、女の恰好をしていても、こうきたらこうすると考えるまでもなく身体が反応してしまう。
今では寄る年波で身体そのものがガタガタで、女性ホルモンの継続投与で筋力もめっきり落ちているので、とても昔のようには動けないが、それでも同世代のオヤジなら(よほど鍛えている人は別として)、十分に相手はできる。

ただこれは、男の子として育ったから誰もがとっさにかと言うとそうではない。
私の同世代にも、そうした行動がとれない男の子はいたし、現代ではそうした男の子がもっとずっと増えていると思う。

逆に、「闘争的スポーツ」の訓練を受けていなくても、しっかり防御的な行動を取れる女性もいる(現場仕込み)。
あるいはFtM(Female to Male 女から男へ)の人でも、「闘争的スポーツ」の経験が少ないと、ちゃんと男の喧嘩ができない。
(私に「男の喧嘩というものは…」と説教されるはめになる)

そうした現実を踏まえずに、男性は暴力に対して防御的行動をできる、女性はできないと、してしまうことには、私はかなり抵抗を覚えた。
要は、訓練(トレーニング)の問題なのだ。

そもそも、なぜ男性は暴力をふるう側、女性は暴力をふるわれる側という規定をしてしまうのだろうか?
そうした規定に立つのがジェンダー論だと言われてしまえばそれまでだが、たしかに全体傾向(多数的)にはそうなのだろうが、逆の場合も十分にありうる。
単に暴力をふるう側、ふるわれる側ではなぜいけないのか?
男女を問わず、すべての人間にとって、暴力をふるわれることは忌むべきことであり、その防御法が必要なのだから。
こうした点で、私は既存のジェンダー論に懐疑をもってしまう。

また、巨大な筋肉を持ち力を攻撃的に使うアメリカン・フットボールの選手を男性身体(身体における男性の優位性)の典型とし、男性の脇で応援するチアリーダーを脆弱な女性身体(男性の性的対象としての身体)として対置するのは、確かに解りやすい対比だが、現代日本の若い男性・女性にとってはたしてどれだけ現実性があるだろう?

たとえば、スポーツやジムで身体を鍛えている健康志向の女性と、自宅でパソコンにかじりついて趣味の世界に没頭するオタク的男性と、はたしてどちらの身体が優位か?と考えたとき、話はそう簡単ではないだろう。

合場さんのお話は論理的で、わかりやすいのだが、現代、とりわけ2010年代の日本社会の現実と少なからず落差があるように思った。
18時過ぎ、閉会。

19時、近くの居酒屋で懇親会。
思いついたことのいくつかを、合場先生にお伝えする。
21時過ぎ、お開き。
帰路は、JR南武線で稲本先生、合場先生と一緒。
いろいろ知的刺激が多く、たくさんおしゃべりできて、楽しい夜だった。

22時半、帰宅。
就寝、1時。

3月7日(木)早稲田大学ジェンダー研究所定例研究会 [お勉強(研究会)]

3月7日(木)  晴れ  東京  18.7度  湿度 43%

10時、起床。
朝食は、アップルデニッシュとコーヒー。
お風呂を沸かし直して温まり、髪を洗って、よくブローして頭頂部でまとめてシュシュを巻く。

化粧と身支度。
ジラフ柄のロング・チュニック(長袖)、裾にラインストーンが入った黒のレギンズ(6分)、黒網のストッキング、焦茶のショートブーツ、黒のトートバッグ。
菜の花色のケープ。

12時半過ぎ、家を出る。
今日は最高気温度18度の予想なので、ケープはいらないかなと思ったけど、風が冷たいので羽織って行く。
東急東横線で渋谷へ。
駅構内の「しぶそば」で昼食。
冷やしちくわ天蕎麦(480円)。
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JR山手線で高田馬場駅へ。
学バス02系に乗り馬場下町停留所で下車。
早稲田大学文学部(戸山キャンパス)へ。

13時、早稲田大学ジェンダー研究所の定例研究会に出席。
ある出来事で、すっかり敷居が高くなり、2年ぶり?の出席。

3本の研究報告のうち、私の目当ては、Tricia Okadaさん「日本におけるトランスジェンダーのフィリピン人エンターテイナー」。
フィンリピンから日本に出稼ぎに来るMtFトランスジェンダー(Transpinay)芸能者の研究。

日本におけるトランスジェンダー芸能については私の論文がある。
(「トランスジェンダーと興行-戦後日本を中心に-」『現代風俗2004 興行』 新宿書房 2005年2月)
また、フィリピン人出稼ぎ女性の研究やレポートもある。
しかし、Transpinayについての専論的研究はなかった

Tricia Okadaさんの研究は、日本とフィリピン(マニラ)における4年間に及ぶフィールドワーク(インタビュー調査)をベースに、Transpinayの来日前、日本での活動、帰国後を丹念に追っている。
エスニシティとジェンダー&セクシュアリティが交叉するテーマに焦点をあてた、他に例がない貴重な研究だと思う。
ただ、ご本人の日本語能力の問題なのか、日本語の論文をまったく参照していないのは残念。
そこを補った上で、ぜひ、研究論文としてまとめてほしい(できれば日本語で)。

私としては、こうした境界領域に着目したオリジナリティの高い研究を、日本の学界はもっと評価しバックアップすべきだと思う。
しかし、境界領域であり、かつ独自性が高い故に、研究の価値を理解できる研究者が少ないのが現状。
今日も、残念ながら参加者の理解が十分だったとは言えなかった。

花粉症で体調不十分だったが、この報告を聞けたので、出席してよかった。
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18時半、帰宅。
夕食は、鶏もも肉とエリンギの炒め物を作る。
それと、パートナーが買ってきた蒸し餃子。
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明日からの旅行の準備。
お風呂に入って、温まる。
「日記」を書く。
就寝、3時。

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