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「漢詩の会」 [テレビ批評(光る君へ)]

2月11日(日・祝)

「光る君へ」第6回「二人の才女」

藤原道隆(道長の兄)邸での「漢詩の会」。
講師(評価担当)として招かれた父・藤原為時に随行した「まひろ」(左端)。
作文の会.jpg
そこに、「漢詩が苦手で」不参加の予定だった道長が現れる。

で、道長が提出した詩。
賜酒盈杯 誰共持(賜酒、杯に盈れど,誰と共にか持せん)
宮花満把 独相思(宮花、把に満ちて、独り相い思う)
相思 只傍花辺立(相い思いて 只だ花辺に傍いて立ち)
尽日 吟君咏菊詩(尽日、君が菊を詠ぜし詩を吟ず)
道長の監視.jpg
あれ? 菊の季節じゃないのに??
(「漢詩の会」の設定は4月27日以降7月18日以前。道隆の庭に藤が咲いているので、おそらく夏)
それに、これ白楽天の「禁中九日 対菊花酒憶元九」ではないか!

盗作だ、盗作だぁ!

と思ったら、同席の藤原斉信や藤原行成も、白居易(楽天)の詩を提出している。
斉信が『花下自勸酒』(白居易)。
行成が『獨酌憶微之』(白居易)。

この「漢詩の会」、どうも自作の詩でなく、好きな(他人の)詩でいいらしい。

そんな「漢詩の会」聞いたことない。
漢詩を作ることは、平安時代の上級貴族にとっては、基礎教養の一つ。
得手・不得手はあっただろうが・・・。

史実として、藤原道長は、少なくとも和歌より漢詩が得意で、残されている作品のレベルはなかなかのもの。

ドラマで、ただ一人、自作を提出し、一等の評価を得た藤原公任の漢詩。

一時過境無俗物
莫道醺々漫酔吟

聖明治迩何相改
貞観遺風触眼看
公任の漢詩.jpg
同時代の漢詩文集『本朝麗藻』に入っている公任の作品の、別々の2首の句をつなぎ合わせたもの。
『夏日同賦未飽風月思』の7・8句と、『冬日陪菸飛香舍、聽第一皇子始讀御注孝經、應教詩』の
の3・4句の合成。
韻が同じなので、それらしく読める。
公任は,朗詠に適した漢詩・漢文・和歌を集めた『和漢朗詠集』を編纂したほどの才人なので、レベルが違う。

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