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5月18日(水)弥生美術館「谷崎潤一郎文学の着物を見る」展 [着物]

5月18日(水)  晴れ  27.6度  湿度32%(15時)

本郷の「弥生美術館」へ。
「谷崎潤一郎文学の着物を見る」展を見学。
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昭和17年から執筆された『細雪』に描写された着物と、『痴人の愛』など大正期の作品群に出てくる着物とでは、かなりデザインが異なること。
そして、関西と関東のデザインの好みの違いは、昭和戦前期でもかなり大きいことなど、いろいろ勉強になった。

近代文学を読み解く際に、作品に出てくる着物の描写の理解が不可欠なことは、10年以上前から私が言ってきたことで、某大学の近代文学の講義にゲスト講義で招かれた時に、樋口一葉の作品に出てくる着物の描写の解説を試みたことがあった。

しかし、谷崎潤一郎の小説、とりわけ『細雪』の着物は、地域(関西)と階層(富裕な商家)の2つの点で私の着物理解の範囲を越えていて手に負えなかった(私の着物理解は関東の中産階層のそれ)。

そもそも、文章で描写されている着物を、着物に対する感性が失われつつある現代に目に見える形で実体として再現することは、とても難しいこと。
『細雪』の時代は、幸い当時の着物がアンティークとして残っていたので実現できたが、これが明治時代の作品となるとさらに困難だと思う。

谷崎潤一郎文学の着物という難題に挑まれた大野らふさん(ponia-pon店主)と中村圭子さん(弥生博物館学芸員)は、とても良いお仕事をされたと思う。


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