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近畿地方における地下水温の変化 [地震・火山・地質]

11月27日(金)

地震の予知は難しい。
研究者の中には「予知は不可能」と言う人もいる。
それでも、なんとか前兆をつかんで予知に役立てたいと思う人は多い。
地震雲のように科学的にまったく駄目なものもあるが、何かをつかんでいると思われるものもある。
私は、地磁気の変化を電離層の変化によって観測する方法、地下水中のラドン濃度を測定する方法などは、ある程度、前兆をつかめる可能性があると思っている(ただし、現状では確度が良くない)。
この記事の、地下水水温の変化も、だいたい同じレベルのような気がする。
つまり、前兆をつかんでいるのかもしれないが確度が良くない、ということ。
 
ただし、近畿地方については、1年半ほど前から「嫌な感じ」を持っている。
http://junko-mitsuhashi.blog.so-net.ne.jp/2014-06-11-2

近畿地方に直下型大地震をもたらす断層として、京都・伏見付近の有馬~高槻断層帯、と六甲・淡路島断層帯が知られている。
この内、六甲・淡路島断層帯は1995年の兵庫県南部地震(M7.3)で動いたが、北側の有馬~高槻断層帯は、もう長いこと動いていない。
この断層帯が最後に動いたのは1596年(文禄5)の慶長伏見地震(M7.0 ~7.1)。
謹慎中の身の加藤清正が崩壊した伏見城に真っ先に駆けつけて、太閤秀吉を感激させたという話(歌舞伎「地震加藤」)で知られるの地震だが、伏見城のほか天龍寺、二尊院、東寺などの建物が倒壊し、京を中心に死者1000人の大被害を出している。
以来、約420年近く、地震エネルギーが蓄積している可能性がある。
関西在住の方は、そんなことも頭に置いて、この記事を読んでほしい。
脅かすわけじゃあないけれど・・・。
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地震のサインは意外なところに?…地下水温の変化ポイント 近畿、NPO法人調査

大規模地震の前兆とみられる「地下水温の上下降の変化」が、近年、近畿地方各地で観測されていることが、元東大地震研究所准教授、佃為成氏の調査で分かった。佃氏は「地震が起きる条件が整いつつある可能性がある」とし、26日にNPO法人を立ち上げ、継続的な調査に乗り出した。

岩盤に何らかの動き?

佃氏によると、地下水温は岩盤同士が押し合う圧力によって変化。直下型地震は地下の岩盤に大きな力が加わることで発生するとされ、地下水温の変化は、岩盤に何らかの動きがあったことを示している。

佃氏は平成7年の阪神大震災から12府県約30カ所の井戸や湧き水にセンサーを設置し、地下水温の観測を開始。近畿地方では14年ごろから、岩盤がゆがむ速度の増加が観測され、地下水温の変化も現れている。

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兵庫県淡路市の観測点では、年間0・017度で下降を続けていた地下水温が25年4月に起きたマグニチュード(M)6・3の地震を機に上昇に転じた。上昇は現在も継続し「注視が必要だ」(佃氏)という

25年には、年間0・31度で下降を続けていた兵庫県西宮市の観測点の地下水温が上昇に転じ、京都府亀岡市では12年以降、上昇していた地下水温が22年を境に下降を始めている。

地下水やガスの吹き上がり

さらに、岩盤に何らかの動きが生じたとみられる地下水やガスの吹き上がりが原因とみられる現象も各地で観測されている。

亀岡市では18年以降、2カ所で井戸水の濁りがみられた。また、21年から26年にかけ、滋賀県の琵琶湖北部の広範囲で、以前は見られなかった湖底の土砂の吹き上がりが確認された。

兵庫県から新潟県にかけては「新潟-神戸ひずみ集中帯」と呼ばれる幅約200キロのひずみの「帯」が存在しており、佃氏は「一帯で大規模地震の準備過程が進んでいる可能性がある。M8クラスの地震も起こりうる」とみている。

佃氏は26日、静岡県浜松市を拠点とする「地下からのサイン測ろうかい」を設立。近畿での変化を始めとした、こうした前兆現象の調査に乗り出した。今後、解析結果を公表するなどし、防災や減災につなげたいとしている。
『産経ニュースWEST』2015.11.27 05:30
http://www.sankei.com/west/news/151127/wst1511270012-n1.html
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コメント 1

ひろ

先生、またまたお邪魔します。
私も、地磁気の変化を電離層の変化によって観測する方法、については大変興味を持っています。
阪神淡路大地震の際も、テレビが随分はっきり見えたという話を聞きました。
私も多少の電気的知識があるのですが、電子機器のアース(接地)は非常に興味深い問題です。
地面の電位はゼロと規定されているのですが、実際は動いているのではないかと思われます。
その変化から、地震の予兆を掴むことが出来ないかと長年考えているのですが。
by ひろ (2015-11-28 01:23) 

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