SSブログ

「火砕流」の定義 [地震・火山・地質]

9月28日(日)
昨夜からの御嶽山の噴火のテレビ報道で、あきらかに火砕流なのに、「火砕流」と言わず、「噴煙」とか「噴流」とか言って場面が多く、気になっていた。

私の感覚では、火口から噴出した物(火山噴出物)が上(垂直方向)に上がって行ったのが「噴煙」で、上に上がらず地面に沿って横に流れるのものを「火砕流」と言うのだと思う。
昨日の噴火の画像や写真には明らかに地面を這うように広がるものが写っていて、「あっ、火砕流だ」と思った。
御嶽山5.jpg
火砕流には、500度以上の高温のものも、それほどでもないものもあるが、温度に関係なくどちらも「火砕流」なのだ。
今回の「火砕流」は低温タイプ(だったと思われる。
それでも「喉を焼かれた」という人がいるので、100度くらいはあったはず。
たとえ低温タイプの火砕流であっても、直撃されれば、呼吸困難を起こしてかなりの確率で命はない。

どうもマスコミは、そこらへんの認識が甘いというか、ないような気がする。
高温のものだけが火砕流だと思っているようだ。
(どうやら、記者会見した気象庁の偉い人=宮下誠火山防災官が「火砕流」という言葉を使いたがらず、マスコミはそれに影響されているようだ)

インタビューで「噴煙に巻かれた」と言っている人は、たまたま火砕流の端っこに位置して、直撃されなかっただけなのだ。
ということは、不幸にも火砕流に直撃された人がいると考えないといけない。

今朝になって、火山学者の早川由紀夫先生(群馬大学)がツイッターで、火砕流の定義を書いているのを見つけた。
マグマが噴出することを噴火という。マグマがそのまま出れば溶岩だ。爆発して引きちぎれれば火山灰や軽石だ。火山灰や軽石は高温のため周囲の空気を暖めて上昇する。噴煙の柱をつくる。これに失敗して、大気中を上昇できない火山灰や軽石がある。それは地表をはって流れる。これが火砕流だ。」
温度は火砕流の条件ではない。」

私の「火砕流」認識は間違っていなかった。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0