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『朝日新聞』の「男の娘」記事 [現代の性(性別越境・性別移行)]

9月20日(土)
『朝日新聞』の「『男の娘』になってみる? カジュアル女装、裾野広がる」という記事、この手の記事、女性記者が取材していることが多いのだけど、珍しく男性記者だなぁ、と思いながら読んでいくと・・・。
「むっ!」
後ろから2つめの段落、私の『女装と日本人』(講談社現代新書)を明らかに参照している。
しかも、記なし。
こういうのって、どうなのだろう。

問題部分は以下の記述。
「古来、日本は異性装に対しておおらかな国柄だったと言われる。古事記にはヤマトタケルが女装して敵を討つ場面があるし、歌舞伎の女形は江戸時代の大スターだった。明治期以降、西洋的な価値観の流入で女装への抑圧が強まったが、戦後の混乱を経て復活。女装に寛容な風土のもと、ビジュアル系をはじめとする独特の文化が育まれてきた。」

私の本や論考をよんでくださっている人には、私が常々言っていることと、ほとんど同じだということ、容易にわかると思う。
個々の事象を結び付けて、日本における女装文化を体系化したのは『女装と日本人』が最初だ。

この記事と同じ記者がデジタル版に「9年ぶりにあごひげそって… 記者も女装に挑戦した」という記事を書いている。
http://digital.asahi.com/articles/ASG9N22DXG9NUCVL001.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG9N22DXG9NUCVL001
こちらでは、
「性社会史の専門家で女装者でもある三橋順子さんの著書『女装と日本人』(講談社現代新書)には、こんな一節がある。
 《首と背筋をしっかり伸ばし左右の肩甲骨を近づけるように意識すること。女装者は高い身長や広い肩幅を気にして肩をすぼめた猫背になりがちなのですが、逆に首を伸ばし、顎(あご)をひき、胸を張ることで「肩が落ちる」形、つまり、なで肩のイメージになるのです》」
という形で、ちゃんと引用している。

つまり、紙面掲載の方の記事も、『女装と日本人』を読んだ上で書いたと思う
だったら、参照の注記をするのが常識だと思うが、『朝日新聞』の流儀は違うのだろうか?

問題の記事を書いた神庭亮介記者は、「朝日新聞文化くらし報道部記者(放送・読書・遊軍担当)」で31歳。「映画・音楽・マンガ・サブカルチャーなどに関心」だそうだが、面識はない。

私は、朝日新聞の記者に何人も知人はいるし、記事にコメントしてるから社内のデータベースを検索すればすぐに連絡はつけられると思う。
メールなり電話なりで確認取材をすれば済むことなのに、その手間を惜しむのは記者として怠慢だと思う。

それとも、もう故人だと思われたのか・・・。



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コメント 2

京子

朝日新聞はほかの報道でも物議を醸しているし・・・社内の綱紀が緩んでしまっているのでは?とも考えてしまいますが、報道陣としては最低限の常識の範囲のこととおもいます。
by 京子 (2014-09-20 21:27) 

Komatsu

別に朝日の肩をもつわけではありませんが、残念ながらこうした引用は他紙および週刊誌などでは当たり前のように行われていると思います。

それでも、やはり担当記者は順子さんに掲載前に連絡するべきです。
by Komatsu (2014-09-20 21:51) 

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