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脱法ハーブ事故、なぜ男性ばかり [事件・事故]

7月12日(土)
最近「大流行」の脱法ハーブ吸って車を運転して事故るって、なぜか男性ばかり。

6月24日、東京豊島区池袋で乗用車が暴走、1人死亡、7人怪我(37歳男性)
7月5日、東京北区赤羽の交差点で乗用車が暴走、2人怪我(38歳男性)
7月8日、東京板橋区の首都高速道でダンプカーが蛇行運転、接触事故(23歳男性)
7月10日 東京立川市の住宅街を乗用車が暴走、電柱に激突、運転者死亡(30代男性)
7月11日 東京都新宿区原町、軽ワゴン車が赤信号で停車中のタクシーに軽ワゴン車が追突(30代男性)
(追加)
7月12日 大阪市大正区で自動車が自転車の女性をはねて怪我を負わせる(22歳男性)

覚醒剤常用者には、けっこう女性もいるように思うが、脱法ハーブで報道されるのは男性が顕著に多い。
これも、ある種のジェンダー現象なのだろうか?

台風の余波で波が高い海にわざわざ入って溺死する(※)のと同じで、欲望とリスクを天秤に掛けられない、つまりリスク管理ができない男性の特性なのだろうか?

男性の方が強い社会的ストレスにさらされている、だから脱法ハーブに逃避するという理由づけも可能かもしれないが、どうもそれだけではないような気がする。

※ 7月10日、台風8号の通過後、波浪注意報が出ている宮古島で横須賀市から来た3人の男性が海に入り2人溺死。
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脱法ハーブ、弱い抵抗感 専門家「国内で最も危険な薬物」
脱法ハーブが原因とみられる事故が後を絶たない。覚醒剤や大麻と似た作用があるにもかかわらず、入手しやすい。「違法ではない」という触れ込みもあり、若者を中心にまたたく間に広まった。行政も警察も取り締まりを本格化させたが、課題は少なくない。

7月上旬、東京・新宿。50代の男性会社員が仕事帰りにハーブ販売店に足を向けた。「使っても逮捕されないでしょう。だから手が出しやすい。店もインターネットに案内を出しているくらいだし」

2年ほど前から使い始め、仕事で車を運転するときにもよく吸った。「長時間の運転で眠くなったり、疲れたりしたときに使うと、ぐわっと目が覚める。高揚感で楽しい気持ちになる。吸う量を抑えれば大丈夫」と笑う。

約2週間前、東京・池袋では8人が死傷する車の暴走事故があった。「運転していた男が使う量を間違えたのか、吸い込みすぎたんじゃないですか」。深刻に受け止めていなかった。男性自身、半年前から運転前の吸引はやめたが、「疲れたときは今も家で吸っている」。この日も1万5千円分のハーブを買い込んだ。

ハーブが絡む車の暴走事故は2年ほど前から目立ち始めた。警察庁によると、昨年1年間に全国で起きた脱法ドラッグ絡みの交通事件で逮捕・送検されたのは40人。2012年の19人から倍増している。

池袋の暴走事故で、運転していた名倉佳司容疑者(37)は「運転直前にハーブをたばこに詰めて吸った。途中から記憶がない」と供述。車内から押収されたハーブ片に、薬事法で使用や譲渡、販売が禁止される「指定薬物」は含まれていなかった。

 薬物事件に詳しい小森栄弁護士は「指定薬物ではないのに今回のような大きな事故を起こした場合、製品名や入っている成分を早く公表すべきだ」と提案する。覚醒剤や大麻と違ってそのネーミングもあって抵抗感が弱く、買った直後にその場で使う人も多いという。

 埼玉県立精神医療センターの成瀬暢也副病院長によると、ハーブには大きく分けて覚醒剤に似た興奮を引き起こすものと、大麻のように気分を沈み込ませるものがあるという。規制を強めるたびにより粗悪で危険な商品が登場するといい、「ハーブには何が含まれているかわからないものも多く、国内では最も危険な薬物だ」と指摘する。

■対策追いつかず
国はこれまでも対策を打ち出してきた。

厚生労働省は脱法ハーブに含まれる幻覚作用などがある化学物質を指定薬物として販売や製造を禁止。しかし、主に規制対象が業者だけだったため、今年4月に改正薬事法を施行。自分で使う目的で所持したり、使ったりした場合も摘発対象にした。

ハーブ販売店68店が集まる東京都は今月1日、改正薬物乱用防止条例を施行。薬事法の指定薬物とは別に「知事指定薬物」の使用や所持を禁じた。警視庁も10日に総合対策推進本部を立ち上げ、本格的な取り締まりに乗り出した。

だが、体に悪影響がある薬物を次々と規制しても、化学構造の一部を変えた新種がすぐに出回り、規制がおいつかない。東京・渋谷にある販売店の従業員は「3カ月で全商品を入れ替える。指定薬物に引っかからないようにチェックしてますから」と明かす。

捜査も難しい。さまざまな化学物質を組み合わせたハーブは、覚醒剤や大麻と違い、違法成分の有無を調べる簡易検査方法がない。本鑑定は1カ月以上かかる。利用者が所持や使用の違法性を知っていたことの立証も求められる。警視庁が5月に所持容疑で逮捕した男性は「違法な薬物とは知らなかった」と否認し、最終的に不起訴となった。

■一斉立ち入り
東京都と警視庁、厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部は10日夕、都内全域で脱法ドラッグ販売店44店への一斉立ち入り調査をした。薬事法などに基づき、指定薬物が含まれている可能性のある商品については販売を自粛するよう警告書を手渡し、池袋の事故で逮捕された男が吸ったとされる脱法ハーブと同じ商品を置いていた店には任意提出を求めた。
『朝日新聞』2014年7月11日05時00分
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11235680.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11235680
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丁子屋

こんばんは

 30年も前だろうか、フォーションのアップルティーでトリップできるという噂があった。私が在籍していた学校界隈だけのローカルな噂なのか、首都圏全体の学校に流れた噂なのか、若い人に流れた噂なのか その辺は不明。
 フォーションのアップルティーはブランド嗜好品なのでえらい高い。吸引のための「パイプ」「煙管」をにアメ横に行って買ってきたりした。
 ともかく 合法的「トリップ」に向ける努力は半端なかった。 
 一言で言って 「ばか」である。
 
 そんな 「ばか」があちこちにいたんだろうと思う。学校出て社会人になっても努力した人たちはいたと思う。そんな努力が「マジックマッシュルーム」とか「ラッシュ」に結実したんじゃないだろうか?
 30年前 わかいしだった人が いまは50過ぎのおっさんだからなぁ。
 脱法ドラッグをビジネス化した人になっても不思議はないよね

すいません 詰まんないこと書いて
by 丁子屋 (2014-07-12 20:03) 

Gen

若い頃毎週遊んでいたクラブでは「クスリ」が出回っていたらしいです。でも自分や周りの友達には興味がなかったので「ふうん」で済ませていました。
学生時代は真面目だったので社会人になってから不良してるのが楽しく、そういう危ない人もいるようなところで遊んでいるというスリルもあったのだと思います。
同じ空間にいても友人関係で変わるのか、そこでは一度も危ない目に合ったことはありませんでした。週末そこで会って楽しく踊って、「また来週ね」と明け方解散する、という非常に健全な遊び方をしていました。
その後「手入れ」があったと聞きましたが、あのころの皆はどうしているだろうか、とちょっと昔を思い出してしまいました。
人生で「クスリ」の存在がちらとでもよぎったのはあの時だけでした。
たぶん、ああいうの売る人って、つまんなそうな、不幸そうな子に声をかけるのでしょう。私の周りはみんな社会人で、仕事終わってから週末騒ぐのが大好きっていう健康そのものの連中だったから縁がなく終わったのかもしれません。よそのクラブはスカした連中がすまして踊っててちっとも面白くなかったけど、あそこは変ないい方ですけど健康的でした。
昔話をすると自分が年寄りであることを思い出しますね・・・。

リスク管理が出来ない男性←た、確かにその通りですね。
リスクをスリルと感じるのでしょう。
昔は男の子は大きくなったら家族を守るために戦わねばならない、という意味合いがあったから、チャレンジ精神が推奨されたのかもしれませんが、線引きが難しいところですよね。
男社会は戦わない、チャレンジしないと「腰抜け」「チキン野郎」などと仲間に罵倒されますから、あの雰囲気に負けないためにはよほどの変わり者か、ものすごく頭がいいかでないと「自分を試す」方に行きがちです。勇気があることを示す必要は他の場面でもいいのですが、なぜか無謀な所で試してそれで人生も終わり、という結果は少なくないですよね。
しかし男は「バカだなぁ」ということをなぜかやりたがります。いつまでも子供なのです。自分を試し続けていないと人生終わった気になるらしいです。私はそういうところが可愛いと思う反面、やはり「バカだなぁ」と困惑してしまうのです。それが破滅につながるような大きなものでなければ黙ってみててやります。そこが彼らの魅力の一つでもあると私には感じられるので・・・。

by Gen (2014-07-12 23:45) 

三橋順子

丁子屋さん、いらっしゃいま~せ。
なるほど合法ドラッグの伝統が連綿としてあるのですね。
音楽とか芸術的なインスピレーションを必要とする人たちにドラッグの受容があるのは、よくわかります。
まあ、薬の助けを借りなければならない才能は、所詮その程度のものなのですが。
ラッシュは性感が高まるとか言って、1990年代半ばにずいぶん流行ってました。
私的には、「薬を使わないと性感が高まらないなんて、かわいそうだなぁ」と思ってました。
おっしゃる通り、30年前(1980年半ば)に若者だった人は、現在50歳代です。
ただ、現在の脱法ドラッグ使用の中心は、それより若い男性(30歳代中心)ですね。
そこらへん、をどう考えるべきか?です。

by 三橋順子 (2014-07-13 11:24) 

丁子屋

おはようございます

 50代は 「若気の至り」の経験者として若い者を導く立場というのでしょうか? 「環境」をつくり「ドラッグ」を供給する側に至ったと考えています。つまり みずからは「使わない」のです。
 でも、若い者が欲しがるモノ 手に入れようと傾ける情熱を熟知していますから、「脱法ドラッグ」の商品化に成功したと考えています。
さらに むかしのまがい物と違って 効果もあるという違いがあります

 で そんな環境の中 若い者が、購入使用しているということでしょう。
by 丁子屋 (2014-07-14 05:18) 

三橋順子

Genさん、いらっしゃいま~せ。
「昔話」ありがとうございます。
私のような「近過去」を対象とする歴史研究者にとっては、「昔話」は貴重な資料ですので。
おっしゃる通り、盛り場で遊んでいると、「薬(ドラッグ)」は意外に近くにあります。
私がいた世界も、なにしろ歌舞伎町ですから、覚醒剤もマリファナもすぐ近くにありました。
ただ、それに手を出すかどうかは、その人の自覚と意志なんですね。

リスク管理ができないない男性というのは、たぶん間違いないことだと思います。
リスク管理という点では、男はかなり「バカ」です。
少年時代の自分がそれをやってきたから、よくわかります。

それが今までは「男らしさ」と読み替えられて、許容されていました。
中には、男がリスクを負ったからこそ、偉大な発見がなされ、人類の発展につながったと肯定する人もいます。
たしかに、コロンブスやマゼランについては、そうも言えるでしょう。
しかし、深夜、橋の上から暗い川に飛び込んだり、意味もなく急流を渡たろうとしたり、台風の海で泳ごうとするのは、人類の進歩にはつながりません。
単なる「バカ」だと思います。
それを「男らしさ」で包むのはもう止めるべきと思うのです。
でも、止めないのだろうな、「バカ」だから。

by 三橋順子 (2014-07-15 01:57) 

三橋順子

丁子屋さん、いらっしゃいま~せ。
なるほど、50代は販売側ですか・・・。
今後、脱法ドラッグ販売で逮捕される人の年齢に注目してみましょう。

by 三橋順子 (2014-07-15 01:59) 

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