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専修大学商学部(2部)「総合科目Ⅳ」ゲスト講義 [お仕事(講義・講演)]

5月31日(土)
(続き)
16時前、専修大学(神田校舎)の教員控室へ。
「総合科目Ⅳ」のゲスト講義にお招きいただいた久米晶文講師にご挨拶。
久米先生は『酒井勝軍 「異端」の伝道者」(学研パブリッシング 2012年)などの著書がある哲学者で、近代の心霊主義、新宗教などの日本思想史を研究されている。
私は久米先生が紹介された「(翻刻) 和漢奇事変生男子之説 ―日本初の「両性具有文献集」―」(『神田外国語大学日本研究所紀要』3 2002年)でだいぶ以前から、お名前は存じ上げていた。
http://ci.nii.ac.jp/els/110000482454.pdf?id=ART0000870918&type=pdf&lang=jp&host=cinii&order_no=&ppv_type=0&lang_sw=&no=1401701179&cp=
この「総合科目Ⅳ」では、「両性具有論 性の多様性について考える」というテーマで、牧村朝子さん(レズビアン・タレント)、吉井奈々さん(トランスセクシュアルの大学講師)、インドのヒジュラを撮り続けている写真家の石川武志さんなど多彩な外部講師を招いている。

私は今まで専修大学とはまったくご縁がなく、今回が初ゲスト講義。
打ち合わせの後、教室で機材のセッティング。

16時35分、専修大学商学部(2部)「総合科目Ⅳ」のゲスト講義開始。
久米先生の要望は「研究の話だけでなく、ライフヒストリーも」ということだった。
正直、自分のライフヒストリーは人前であまりしゃべりたくない。
自分の講義でも初回のガイダンスの時に、「講師の自己紹介」ということで15分ほど話すだけだ。
理由は、単純で恥ずかしいから。
なぜ恥ずかしいかと言えば、自分の歩んできた道は、人様に胸を張ってお話できるようなものではない、という自覚があるから。
それに自分はトランスジェンダーの研究者であろうとしているので(なかなかそう認めてもらえないのだが)、ライフヒストリーのような主観的な話をしても、それは学問(研究)ではない、という意識があるから。
今回も、なんとかあまり話さないで済むように画策した結果、1コマ(90分)ではなく、半コマ(45分)をライフヒストリーに充てることでご承諾いただいた。

ということで、まず「私の軌跡-新宿歌舞伎町の女装ホステスからトランスジェンダー研究者へ-」と題して、パワーポイントで画像を見せながら、お話しする。
(0) 子ども時代
(1) 性別違和感の自覚と女装技術の習得(1990~94年)
(2) より広い世界を求めて -外出を始める-(1993年~ )
(3) 「Club Fake Lady(CFL)」(1995~2000年)
(4) ネオンの似合う「女」になる(1995~2001年)
(5) トランスジェンダーの当事者として語る(1995~1998年)
(6) 「女性」研究者として再スタート(1999年~ )
(7) 「女性」教員として大学の教壇に立つ(2000年~ )
(8) 海外に視野を広げる(2003年~ )
(9) 着物の世界へ(2000年~ )
(10) 社会的性別の「女性」への移行(2008年~ )
(11) トランスジェンダー研究者として
予定通り、45分で終了。

続いて「性別越境の文化-「双性原理」を考える-」に入る。
1 トランスジェンダーの基本定義
2 「第三の性」(Third Gender)の存在
3 日本におけるトランスジェンダーの存在―その職能を中心に―
 (1)トランスジェンダーの職能
 ※女装を伴う祭礼
 (2)トランスジェンダーの職能の展開
4 「双性原理」について
 (1)「双性原理」とは何か
 (2)「双性原理」と「聖」・「賤」

これはいつも講義でやっている「トランスジェンダーと社会」とほぼ同じ構成なので、話慣れている。
ただ、通常2コマの分量を1コマ半で話すので、少し駆け足。
1コマ目の残りの時間で、世界各地のトランスジェンダーの画像を見せて、地域的にトランスジェンダーが普遍的存在であることを知ってもらう。
休み時間を挟んで、2コマ目では、日本の歴史の中にトランスジェンダー的存在をたどることで、時代的に普遍的存在であり、かつ社会の中で一定の役割(職能)を果たしてきたことを理解してもらう。
その上で、トランスジェンダーの社会の関係を考える理論仮説としての「双性原理」についてお話した。
駆け足し過ぎて、少し時間が余ったので、「はとバスのニューハーフショー」と「女装バレエ団」の話を補足。

質問も2つ3つ出てまずまず。
講義後に質問に来た学生さんも数人いた。

ただ、やはり2部の講義ということで、講義中の人の出入りがけっこう多い。
受講生は入れ替わりがあって120人くらいだろうか?
明治大学文学部に比べて、就学環境的には、やはり厳しいものがあると感じた。
19時45分、終了。

コメント票をざっと見せていただく。
まあまあ、言いたいことは伝わったように思う。
でも、「『伝説の女装者』のお話が聞けるとは思わなかった」ってなんだ?
まだ、死んでないぞ。

講義後、久米先生に靖国通り(神保町交差点北西)の「新世界菜館」に連れて行っていただく。
P1090883 (2).JPG
海鮮上海焼きそばをいただく。
P1090882 (2).JPG
21時05分、辞去。
久しぶりの2コマ連続講義で、やっぱり疲れた。
若い頃は、3コマ連続講義を毎週やれたのにな・・・。
P1090884 (4).jpg
神保町駅から都営地下鉄三田線→東急目黒線で帰路へ。
22時過ぎ、帰宅。
お風呂に入る。
就寝、1時半。

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