警視庁、歌舞伎町などで売春目的の女24人一斉検挙 [現代の性(性犯罪・セクハラ)]
12月3日(火)
私が夜の六本木や新宿で遊び始めた1990年代中頃、まだ街娼(ストリートガール)という売春形態はまだ残っていた。
ネオンが明るい大通りからちょっと暗い路地に入ると、ポツン、ポツンとお姐さんが立っていた。
立っているのは、日本人の女性はもう少なく、外国人の女性か、日本人の女装男娼が多かった。
そうした路地を毎晩2~3回、自転車に乗った男が巡ってくる。
ショバ代(「ケツ持ち」も兼ねている)を集めて回るやくざの兄さんだ。
1995~6年頃、新宿のショバ代は1晩5000円だったと記憶している。
※ ショバ代----場所代のこと、「ショバ」は「バショ」の転倒語。
※ ケツ持ち----用心棒のこと。客と娼婦の間にトラブルが発生した場合、駆けつけることになっている。 (たいてい間に合わないのだが)
こうした古典的な売春形態は、携帯電話の普及、さらにはインターネットの発達によって、やがて駆逐されていく。
インターネットが広まる以前、NTTの「伝言ダイヤル」というシステムがあった。
週末の夜、「伝言ダイヤル」に、甘い誘いの言葉と場所、電話番号を入れておけば、携帯電話(あるいはPSH)が鳴るまでそう時間はかからなかった。
なにも木枯らしが吹く路上に長時間立っていなくても、暖かい喫茶店でコーヒーを飲みながら、電話が鳴るのを待っていれば、お商売(個人売春)ができるようになったのだ。
実際、歌舞伎町の深夜営業の某喫茶店には、その手の客待ちのお姐さんが何人もいた。
つまり、携帯電話の普及が、街娼と言う売春形態を過去のものにしたのだ。
新宿の街角に立つ女たちの数が減っていったのは98~00年の世紀末だった。
00年代も半ばになると、かなり「珍しい」状況になっていく。
最後まで路上に残ったのは、日本語が不自由で電話でのコミュニケーションが難しいタイ、フィリピン、南米、ロシアなどの外国人娼婦だった。
その彼女たちも営業に必要な最低限の日本語ができるようになると、路上には立たなくなる(国ごとに彼女たちの溜まり場があるらしい)。
その後の経緯は、「伝言ダイヤル」がインターネットの掲示板に代わり、携帯電話にメール機能が付き、さらにスマートフォンになっても基本システムは変わらない。
今どき、お商売(個人売春)をするのに、寒い冬の路上に立って客を引くという効率が悪く、リスクの多い売春スタイルをとるプロはまずいない。
だから、日本人街娼は、一時期、ほぼ絶滅危惧種状態になった。
逆に言えば、今それをするというのは、よほど何か事情があると考えるべきだ。
事情というのは、お金に詰まっていて携帯電話すら持てないとか、住む家がなく実質ホームレス状態とか、借金返済や遊興費のためにともかく急いでお金(日銭)がいるとか、さらには、前述のようなシステムを駆使する知能がないとか・・・。
まあ、はっきり言って、娼婦としての質(容姿・技量・衛生状態)はろくなものではない。
したがって、料金も安い。
今回逮捕された女性はショートで15000円が相場だそうだが、90年代の歌舞伎町の街娼でショート20000円以下という料金設定はまず有り得なかった。
女性は25000円が相場で、女装男娼はだいたいその2割引き(20000円)だったと思う。
状況によって、そこから5000円を引いたサービス価格になる。
買う男の方も、ホテル代を入れて「大3枚」(30000円)は覚悟していたはずだ。
90年代に比べて4割ほど安くなっている。
街娼もデフレーションである。
面白いのは、やくざのショバ代も、女たちの料金に見合う形で安くなっていて、テレビ・ニュースによると1人1晩2000円とのこと。
デフレは、こういうところにまで及んでいるのだ。
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警視庁、歌舞伎町などで売春目的の女24人一斉検挙
東京・新宿の歌舞伎町などの路上で売春目的で立っている女らについて、警視庁は一斉取り締まりを行い24人を逮捕しました。
歌舞伎町の路上にたたずむ1人の女。女のもとに男性が近寄ります。2人はそのまま歩き、ホテルの前で立ち止まったところで、捜査員が一斉に取り囲みます。警視庁によりますと、女は30歳の無職で歌舞伎町の路上で、売春する目的で客待ちをしたとして現行犯逮捕されました。女は、「ホストクラブに行く金が欲しかった」と供述しているということです。
警視庁は先月、売春目的で路上に立つ女らの一斉取締りを行い、18歳から60歳までの24人の女を売春防止法違反の疑いで逮捕しました。
女らは、平均して1万5000円で売春をしていて、このうちの1人は、取り調べに対し、「歩いている男性を見ると顔が福沢諭吉に見えた」と供述しているということです。
「TBSニュース」2013年12月03日11:24
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売春の少女から「みかじめ料」受領の疑い、2人逮捕
新宿・歌舞伎町で売春をしていた少女から、『みかじめ料』を受け取っていたとして、38歳の男らが警視庁に逮捕されました。
無職の日暮龍一容疑者(38)ら2人は、今年9月、歌舞伎町で売春をするため、路上で客待ちをしていた無職の少女(18)から、警察の取り締まりを免れるなどの見張り役として金を受け取った疑いが持たれています。
少女はホストクラブからの借金を返すために、歌舞伎町で売春をしていて、日暮容疑者らは、一日、あわせて7000円を受け取っていたということです。
「TBSニュース」2013年11月27日11:38
私が夜の六本木や新宿で遊び始めた1990年代中頃、まだ街娼(ストリートガール)という売春形態はまだ残っていた。
ネオンが明るい大通りからちょっと暗い路地に入ると、ポツン、ポツンとお姐さんが立っていた。
立っているのは、日本人の女性はもう少なく、外国人の女性か、日本人の女装男娼が多かった。
そうした路地を毎晩2~3回、自転車に乗った男が巡ってくる。
ショバ代(「ケツ持ち」も兼ねている)を集めて回るやくざの兄さんだ。
1995~6年頃、新宿のショバ代は1晩5000円だったと記憶している。
※ ショバ代----場所代のこと、「ショバ」は「バショ」の転倒語。
※ ケツ持ち----用心棒のこと。客と娼婦の間にトラブルが発生した場合、駆けつけることになっている。 (たいてい間に合わないのだが)
こうした古典的な売春形態は、携帯電話の普及、さらにはインターネットの発達によって、やがて駆逐されていく。
インターネットが広まる以前、NTTの「伝言ダイヤル」というシステムがあった。
週末の夜、「伝言ダイヤル」に、甘い誘いの言葉と場所、電話番号を入れておけば、携帯電話(あるいはPSH)が鳴るまでそう時間はかからなかった。
なにも木枯らしが吹く路上に長時間立っていなくても、暖かい喫茶店でコーヒーを飲みながら、電話が鳴るのを待っていれば、お商売(個人売春)ができるようになったのだ。
実際、歌舞伎町の深夜営業の某喫茶店には、その手の客待ちのお姐さんが何人もいた。
つまり、携帯電話の普及が、街娼と言う売春形態を過去のものにしたのだ。
新宿の街角に立つ女たちの数が減っていったのは98~00年の世紀末だった。
00年代も半ばになると、かなり「珍しい」状況になっていく。
最後まで路上に残ったのは、日本語が不自由で電話でのコミュニケーションが難しいタイ、フィリピン、南米、ロシアなどの外国人娼婦だった。
その彼女たちも営業に必要な最低限の日本語ができるようになると、路上には立たなくなる(国ごとに彼女たちの溜まり場があるらしい)。
その後の経緯は、「伝言ダイヤル」がインターネットの掲示板に代わり、携帯電話にメール機能が付き、さらにスマートフォンになっても基本システムは変わらない。
今どき、お商売(個人売春)をするのに、寒い冬の路上に立って客を引くという効率が悪く、リスクの多い売春スタイルをとるプロはまずいない。
だから、日本人街娼は、一時期、ほぼ絶滅危惧種状態になった。
逆に言えば、今それをするというのは、よほど何か事情があると考えるべきだ。
事情というのは、お金に詰まっていて携帯電話すら持てないとか、住む家がなく実質ホームレス状態とか、借金返済や遊興費のためにともかく急いでお金(日銭)がいるとか、さらには、前述のようなシステムを駆使する知能がないとか・・・。
まあ、はっきり言って、娼婦としての質(容姿・技量・衛生状態)はろくなものではない。
したがって、料金も安い。
今回逮捕された女性はショートで15000円が相場だそうだが、90年代の歌舞伎町の街娼でショート20000円以下という料金設定はまず有り得なかった。
女性は25000円が相場で、女装男娼はだいたいその2割引き(20000円)だったと思う。
状況によって、そこから5000円を引いたサービス価格になる。
買う男の方も、ホテル代を入れて「大3枚」(30000円)は覚悟していたはずだ。
90年代に比べて4割ほど安くなっている。
街娼もデフレーションである。
面白いのは、やくざのショバ代も、女たちの料金に見合う形で安くなっていて、テレビ・ニュースによると1人1晩2000円とのこと。
デフレは、こういうところにまで及んでいるのだ。
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警視庁、歌舞伎町などで売春目的の女24人一斉検挙
東京・新宿の歌舞伎町などの路上で売春目的で立っている女らについて、警視庁は一斉取り締まりを行い24人を逮捕しました。
歌舞伎町の路上にたたずむ1人の女。女のもとに男性が近寄ります。2人はそのまま歩き、ホテルの前で立ち止まったところで、捜査員が一斉に取り囲みます。警視庁によりますと、女は30歳の無職で歌舞伎町の路上で、売春する目的で客待ちをしたとして現行犯逮捕されました。女は、「ホストクラブに行く金が欲しかった」と供述しているということです。
警視庁は先月、売春目的で路上に立つ女らの一斉取締りを行い、18歳から60歳までの24人の女を売春防止法違反の疑いで逮捕しました。
女らは、平均して1万5000円で売春をしていて、このうちの1人は、取り調べに対し、「歩いている男性を見ると顔が福沢諭吉に見えた」と供述しているということです。
「TBSニュース」2013年12月03日11:24
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売春の少女から「みかじめ料」受領の疑い、2人逮捕
新宿・歌舞伎町で売春をしていた少女から、『みかじめ料』を受け取っていたとして、38歳の男らが警視庁に逮捕されました。
無職の日暮龍一容疑者(38)ら2人は、今年9月、歌舞伎町で売春をするため、路上で客待ちをしていた無職の少女(18)から、警察の取り締まりを免れるなどの見張り役として金を受け取った疑いが持たれています。
少女はホストクラブからの借金を返すために、歌舞伎町で売春をしていて、日暮容疑者らは、一日、あわせて7000円を受け取っていたということです。
「TBSニュース」2013年11月27日11:38
2013-12-04 00:35
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おはようございます
20年ほど前若気の至りで 数回タチンボを利用したことあります。
なんとなく 街娼 ストリートガールにロマンを感じたものでして。
おっしゃるとおり 費用対効果 の悪さから早々に打ち切り。
夜明けまで待って格安ソープの早朝割引で 1~2万円になりました。
でもなぁ このニュース。。。。1万5千円ということは 総額2万円のお遊び? 格安ソープ行けるんじゃないか?
ホスト遊びの金目的ということ。つまり金使わないと相手してもらえないような女? で そんな女を買う男がいるということか?
大自然の生態系 食物連鎖の絵をイメージするのは不謹慎かしら?
by 丁字屋 (2013-12-04 06:10)
丁字屋さん、いらっしゃいま~せ。
>なんとなく 街娼 ストリートガールにロマンを感じたものでして
その気持ち、わかります。
ロマンとスリルの表裏一体という感じでしょうか。
ただ、現実は・・・。
日本人街娼の場合、かなり早い時期(1960年代)から、屋内の施設(トルコ風呂→ソープランド)への囲い込みが始まりますので、路上に立っている女性はいろいろな意味で「訳アリ」が多いのです。
それに対して、女装男娼や外国人娼婦は、屋内施設への囲い込みが送れたので、街娼形態が1990年代まで残っていました。
>金使わないと相手してもらえないような女? で そんな女を買う男がいるということか?
はい、そういうことです。
買売春の世界も、2000年代になると格差化が急速に進みます。
天下の新宿歌舞伎町でこの状態ですから、地方都市の買売春の底辺層の状況が想像できますね。
料金、万の桁ではなく千の桁です。
そうじゃないと売れない。
8000円、7000円の世界のようです。
by 三橋順子 (2013-12-05 03:46)
おはようございます。
ロマンを感じたのは、「パンパン」が出てくるような 小説 漫画 映画 エッセイの影響ですね。
かいこうけん(漢字忘れた) 野坂昭如 藤本義一 団鬼六 その他焼け跡 闇市な小説。 上村一夫の漫画。肉体の門みたいな「パンパン」が出てくる映画。今から考えると 時代が変わったとか 創作と現実との見境がなかった。そんな未熟な青年だったのでしょうなぁ。
千円単位の売買春ですか 夜遊びネットワーク(?)というのか スナック キャバクラ テレクラあたりで遭遇しますね。モグリの直曳きというやつ。
いろいろ理由があるようですが、「携帯止められた」が多かった。
一言で言うと 無計画 行き当たりばったりの方々が多い
向こうから連絡してきて 了解すれば 飛んできます。
スーパーで見かける買い物中の女性みたいな格好で来ます。
by 丁字屋 (2013-12-05 07:11)
丁字屋さん、いらっしゃいま~せ。
戦後の社会的混乱期には、安定した世の中なら「売春などするはずもない」レベル(容姿・性格・身分)の女性が街角に立っていたのは事実です(少数ではありますが)。そういう「稀な」出会いを描いた作品に影響されてロマンを感じるのも、仕方がないですね。
でも、現実は・・・。
現状は、通信ツールの発達で「モグリの直曳き」が横行し、それがどんどんデフレ化しているということでしょう。
まさに「安かろう、悪かろう」なのですが、それが低所得層の男性の需要に応じているのだと思います。
by 三橋順子 (2013-12-06 12:40)