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大学生が高原の湖で心中と思ったら… [事件・事故]

5月3日(金・祝)
帰宅して9時のNHKニュースで、この件を聞いた時、私もパートナーもてっきり「心中」だと思った。
高原の湖で愛し合う男女がボートから抱き合いながら春の冷たい湖(水温3~5度)に飛び込む。
若い身空でなにもそこまで思いつめることはなかろうに…、とかわいそうに思ったが、実態はぜ~んぜん違った。

若者が無鉄砲、つまりリスク管理が下手なのは、昔も今も変わりがないが、それにしても、このリスク感覚の無さ、馬鹿さ加減はいったい何なのだろう?
大学の吹奏楽部の合宿中のことらしいが、人が冷たい水にいきなり飛びこむとどうなるか? 着衣のまま水に落ちると、どれだけ泳ぎにくいか?
そういうことは、若者とはいえ、当然知っているべきことで、大学教育で教えることではない。

同じ時間帯のニュースで、和歌山県白浜の「本州でいちばん早い海開き」が今年は水温19.5度で、参加した人が「寒い!」と震えていた。
それを考えたら、水温3~5度の水に飛び込むことの無謀さがわかる。
でも、今の若者たちは危険に対する感覚が希薄になっているのかも。
ゲームの画面上で水に落ちてもまったく冷たくないもんな。

記事によると、湖に飛び込むことが駒澤大学吹奏楽部の「恒例行事」らしい。
部の「恒例行事」ということは、湖に飛び込むことが部長による命令だったのか? そこまではっきりしなくても上級生たちによる半強制だとしたら・・・。
さらに考えると、新人の女子部員が自ら進んで湖に飛び込むだろうか?
もし、上級生が突き落としたりしていたら、それはもう事故ではなく事件だ。
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駒大の男女2人死亡…水温5度の野尻湖で水遊び

3日午後5時15分頃、長野県信濃町の野尻湖で、水遊びをしていた駒沢大3年の矢田拓也さん(20)と、同大1年の野呂千賀子さん(18)が溺れ、搬送先の病院で死亡が確認された。

長野中央署の発表などによると、2人は同大吹奏楽部の部員で、部の合宿で約70人と町に来ていた。3日夕、数十人で湖の琵琶島にボートで渡り、湖に飛び込んで遊んでいた。学生が飛び込むのは同部の恒例行事だったという。野尻湖水上安全協会によると、現在は遊泳禁止で、事故当時の水温は5度以下だった。

『読売新聞』2013年5月3日22時41分
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130503-OYT1T00637.htm
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野尻湖で溺れ2学生死亡 合宿中遊びで飛び込む

3日午後5時20分ごろ、上水内郡信濃町野尻の野尻湖にいた駒沢大学(東京都)吹奏楽部の学生から、男女の学生2人が湖で溺れている、と110番通報があった。2人は野尻湖の貸しボート業者らによって引き上げられ、それぞれ同町と長野市の病院に運ばれたが、男子学生は同7時、女子学生は同7時21分に死亡が確認された。

長野中央署によると、2人はともに吹奏楽部員の3年矢田拓也さん(20)=横浜市、1年野呂千賀子さん(18)=千葉県市川市。同署が、現場にいた学生らに事情聴取するなどして事故の状況や原因を調べている。

吹奏楽部員は計約70人で湖に近い駒沢大の「野尻寮」に滞在していた。同署によると、2人を含む部員約30人が事故の前、複数のボートに分乗して湖上の琵琶島(弁天島)に向かった。2人は他の部員数人と湖に飛び込んで遊んでいたが、浮かんでこなかったという。

貸しボート業者らによると、2人は水深約5メートルの湖底に沈んでおり、矢田さんを午後5時半ごろ、野呂さんを同6時ごろ引き上げた。水温は6度前後で、長野地方気象台によると同5時の同町の気温は8度だった。

事故の知らせを受け、4日未明に野尻寮に駆け付けた吹奏楽部の石原孝哉(こうさい)部長によると、合宿は4月29日~5月5日の予定。野尻寮の寮長によると、3日は午後1~3時に旧野尻湖小学校体育館で地域住民らを招いてコンサートを開き、学生らは同6時に始まる夕食までの予定で湖に出たとみられる。

2日まで合宿に参加し、いったん同町を離れていたという石原部長は、「顧問に就任した約5年前から毎年合宿に参加しているが、学生が湖に飛び込んで遊ぶということは把握していない」と話した。
『信濃毎日新聞』2013年05月04日(土)
http://www.shinmai.co.jp/news/20130504/KT130503FTI090022000.php
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コメント 3

東じゅん

ちょうど事故(事件?)が起きた頃に長野道でその付近を通過し、次のICの妙高高原に来ているのですが、今年は本当に寒いです。梅が満開、桜と水芭蕉が咲き始め、例年なら満開の八重桜はまだ固いつぼみです。
地元でもこの数日の寒さは驚きらしく、前日の2日には赤倉で雪が降りストーブをつけたと言っていました。
外は、ダウンを持ってきてよかった~というくらい、寒い!
そして水は雪解け水の冷たさで顔を洗うのもつらいほどです。

このニュースを聞いて、若者が命を落としたことを気の毒に思いながらも、この寒さで雪解けの水に入る、しかも着衣で…という、命懸けの無謀さを、集団になると単に盛り上がるネタとして誰もが思考停止して流されてしまうことの恐さ、が理解できないと同時に残念でした。
by 東じゅん (2013-05-05 00:28) 

三橋順子

東じゅんさん、いらっしゃいま~せ。
今年の春は雪が多く、それだけ雪解けが遅れました。
北信濃の山の雪解け水が流れ込む湖水がどれだけ冷たいか、例年のGWとはまったく違います。
でも、今の若者はそうした気候にも鈍感なのでしょう。
ところで、ご存じのことと思いますが、吹奏楽部にはしばしば文化部の皮を被った運動部=準体育会という体質があります。
この事故、単なる集団による思考停止が原因ではなく、体育会系文化によくある先輩による新人に対するイニシエーション(通過儀礼)強要のパターンだったと見ています。

by 三橋順子 (2013-05-06 03:19) 

NO NAME

順子さん、なるほどその通りですね。
これだけ「教師による体罰」がマスコミで騒がれている現状で、「体罰はだめでしょう」というような感想を抱いた部員も多いのではないかと思うのですが、そのことと、部の慣例になっている危険な行為を強要することは結びつかないのですよね。

上級生は成人しているはずで、どのような責任を問われるのか、18歳の娘を亡くしたご家族の気持ちはどのようか、どの立場を考えても暗い気持ちになります。

世代でくくった印象でしかありませんが、いま二十歳前後、大学生くらいの若者は、他人の気持ちとか苦痛とかに、敏感なのか鈍感なのか、いずれにしても場面により極端だと(えらくとんがった反応をしたり、あまりに鈍感だったり)という気がします。
by NO NAME (2013-05-06 12:35) 

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