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女優シルビア・クリステルの訃報 [訃報・追悼]

10月18日(木)

女優のシルビア・クリステル(Sylvia Kristel)さんが亡くなった。
60歳だった。

たしか私より少し上、まだ亡くなる歳ではないだろうと思って調べたら、2002年に喉頭癌、2004年には肺癌の手術、そして今年の6月には脳卒中で倒れる…という具合で、もう体がボロボロだったらしい。

病因が11歳頃からのヘビー・スモーキングであることは、十分に推測できる。

1952年、オランダのユトレヒトに生まれ、両親は宿屋を経営していたが、9歳の時に宿泊客にレイプされ、14歳の時に両親が離婚、恵まれない子供時代だった。
11歳からの喫煙習慣は、こうした生育環境が原因になっているように思う。

17歳でモデルの仕事を始め、1973年、21歳の時、ミスコンテスト「Miss TV Europe」で優勝。
翌年、エマニュエル・アルサンの小説『エマニュエル』がベストセラーになり、その映像化であるソフトコア映画『エマニエル夫人』の主演女優に抜擢され、アジアに赴き性に目覚める若妻を演じて、一気に世界的な名声を獲得した。

これは想像だが、9歳の時の悲惨な体験がずっと彼女のPTSD(心的外傷)になっていたのではないだろうか。
レイプは「心の殺人」と言うが、それが早期の喫煙常習につながり、結果的に彼女の寿命を縮めた。
だとすると、あらためて少女への性的暴行・虐待の罪深さを思ってしまう。

エマニエル (2).jpg
やはり、シルビア・クリステルと言えば、半裸で籐の椅子に腰かけて高々と脚を組んで挑発する映画「エマニエル夫人 EMMANUELLE」のポスターのイメージが鮮烈だ。
このポスターに、性欲を喚起された男性はさぞ多かっただろう。

ところで、1981年にオープンした名古屋の女装クラブ「レディス美島」は、映画で使われたのと同じ製品という触れ込みの「エマニエル・チェア」が名物だった。
008.JPG
座っているのは店主の美島弥生さん。
(矢島正見編著『戦後日本女装・同性愛研究』2006年 中央大学出版部 より)

「エマニエル夫人」イメージは、男性だけでなく、女になりたい人たちのセクシュアル・ファンタジー(性幻想)を も掻きたてたのだ。
シルビア・クリステルが、1970年代半ばから80年代前半の強烈なセックス・シンボルであったことがよくわかる(合掌)。


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