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NHKスペシャル「未解決事件・下山事件」 [近・現代史]

3月30日(土)

NHKスペシャル「未解決事件」は、1949年7月6日朝、国鉄常磐線綾瀬駅付近(東武伊勢崎線ガード下)で、国鉄総裁・下山定則氏(46)の轢断遺体が発見された事件「下山事件」を,当時の主任検事・布施健(1912~88年、後に第11代検事総長)の視点で追う。

捜査方針は当初、自殺説と他殺説に分裂したが、法医学的な証拠(遺体に生活反応無し→死後轢断)から、他殺説が有力になる。

しかし、犯行主体がなかなか明らかに出来ず、結局、実行犯不明で1964年に時効(迷宮入り)となった。

占領下の当時の社会情勢を少しでも知っていれば、GHQ絡みの事件であることは、容易に想像できる。

番組では、GHQ参謀第2部(G2)傘下のZ機関(キャノン機関)が立案し、日本の旧陸軍諜報機関
の残党を実行犯にした謀略と推定。

両者の共通目的は、反共と日本の再軍備化で、そのために犯行を共産主義勢力の仕業に見せかけようしたとする。

概ね当たっていると思う。

殺害の実行犯としては、従来から、韓国人でソ連とアメリカの二重スパイ李中煥の名があがっていたが、新たに日系二世を中心に編成された反共工作機関「東京神奈川CIC」が浮かび上がった。
李中煥もこの組織の指示で動いていたと思われる。

「東京神奈川CIC」の組織的な実態の詳細はなお不明だが、中心的存在だった可能性があるアーサー・フジナミという人物の口述を、娘さんが詳細に記録している。
今後、占領期日本の闇を語る重要な史料になるだろう。

全体に,新史料・新証言を発掘した執念の長期取材で、さすがはNHKだと思った。
惜しむらくは、もう10年早ければと思う。
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